まいぷら

何もかも忘れて、ぷらぷら旅に出かけよう。

登山道具の4大革命

山旅(登山、トレッキング)を行うとき、単独の1泊2日の幕営山行で荷物が10~15キロくらいの荷物になると思います。これを重いと思うか軽いと思うか…は論争になると思いますが、一昔前だとこんなに軽くはなりません。昔は「俺は40キロの荷物を担いだ事があるぞ!」と得意げに自慢する先輩がいたのも頷けると思います。

ほんの20年ほど前に比べて登山道具は格段に進化を遂げました。軽量、コンパクト、扱いやすさなど、すべてにおいて進化しました。登山道具のうち大きく進化した物を4つあげて、登山道具の4大革命と呼んだりしていますが、それらを知ることで現在の道具の有難みがわかれば良いことだと思います。

登山道具の4大革命(1)コンロ

コンロ(ストーブ)

今から30年以上前は、石油やホワイトガソリンのストーブが一般的でした。我が家にはプリムス、オプティマス、ホエブスのストーブがありましたが、どれも固形燃料でプレヒートしてから点火する必要がありました。このプレヒートに失敗すると生の燃料が燃えだしてストーブが火だるまになることがあり燃料の扱いは神経を使いました。実際にテントが炎上してポールだけ残して全焼することもありました。また燃料の運搬は大変で、給油する時も火気に注意するなど神経を使いました。

もしろん古くからガスストーブもありましたが、当時のガスストーブは火力が弱く、燃費が悪く、寒いところでは使えないと言われていました。その後ガスが改良されて寒冷地仕様が登場するなど急速に普及し、現在ではガスストーブが主流になりました。ガスストーブはとにかく扱いやすくて、少しの休憩でお茶が飲めるのは画期的ですね。

ありがたや、ありがたや。

登山道具の4大革命(2)雨具

雨具

昔の雨具はポンチョが一般的だと思います。ポンチョは頭からガバッと被る物で蒸れにくいですが、風が強い日は煽られて無用の長物でした。また、ビニールの雨具は自分の汗で蒸れるか雨に濡れるのかの違いで雨の具合により着用しない方がマシな状態もありました。

現在の雨具の主流としてゴアテックスなどの防水透湿な繊維があります。ゴアテックスは20年以上前からありましたが高価で手が出せない一品でした。今では技術開発が進んで防水透湿性の素材は増えて値段が下がりました。今後も種類が増えていくと思いますが、これら防水透湿性の素材は、雨具に限らずシュラフカバーなどの道具に役立てられています。

ありがたや、ありがたや。

登山道具の4大革命(3)テント

テント

かつてのテントはウィンパー型と呼ばれた家型や屋根型テントが主流で、この組み立てにかなりのコツを要しました。私は大して使用した経験はありませんが、とにかく組み立てが大変で一人で組み立てることはほぼ不可能で、きちんと張り合わせないと倒壊する恐れがあり、お隣のテントが雨天で倒壊して雨の中で組み立て直していたことがありました。

現在のテントは軽量かつコンパクトで、自立型のため一人でも簡単に設営することができます。テントの骨組みなどは軽量でありながら強度があり、風の影響などを受けにくい形状をしています。このような軽量、コンパクトで強固なテントを簡単に設営できるのは技術開発の賜物と言えます。

ありがたや、ありがたや。

登山道具の4大革命(4)衣類

登山ウェア

月刊誌「山と渓谷」に今と昔の登山ウェアの比較が掲載されていました。昔のスタイルはチロリアンハットに山シャツ、ニッカーにウールの靴下でした。当時の下着は綿が主流で、吸汗すると乾きにくく冷たいため網シャツなるものが存在したくらいです。

保温する素材としてはウールくらいしかなく、ニッカボッカや山シャツには毛が織り込まれ硬くて分厚い生地でした。靴下も毛が混じるためチクチクして痒くなり、当時のオシャレなのか独特の模様が施されているため、靴下を脱ぐと足に縄文土器のような跡が残りました。

現在は化繊の衣類が増えて、登山用の衣類でなくとも吸汗や速乾性の高い衣類や保温性の高い衣類が登場しています。汗をかいてもすぐに乾くことは安全で快適な登山に繋がる重要な要素と言えます。

ありがたや、ありがたや。