まいぷら

何もかも忘れて、ぷらぷら旅に出かけよう。

山旅(登山)で使用するアイゼン

アイゼン

アイゼンは、雪や氷の滑りやすい道を歩行するために必要な道具です。爪が付いた金具を登山靴の靴底に装着して、アイゼンの爪を雪や氷に噛ませながら歩行します。種類としては、本アイゼンと呼ばれる前歯が付いた10~12本爪と軽アイゼンと呼ばれる4~8本爪のものがあります。

アイゼンを必要とする場所は、道が凍結した厳冬期の山で、低山で少々の雪がある場所では前歯がある本アイゼンは不要です。概ね冬の関東近辺の2000メートルクラスの山では軽アイゼンでも良いと思います。将来的に厳冬期の高い山に挑戦することを考えている場合は、本アイゼンを用意することも選択肢の1つとなります。

山旅(登山)で使う軽アイゼン

軽アイゼンは4本爪、6本爪、8本爪のほか、チェーン式アイゼンがあります。4本爪については重量が軽くて持ち歩きしやすいですが、土踏まずしかサポートしないため少し心許ありません。これに対して6本爪や8本爪は、本アイゼンから前歯を抜いた感じで土踏まずをしっかりカバーします。6本爪と8本爪のどちらを選択するかは悩むところですが、6本爪の方が軽くて使い勝手が良く比較的安いです。

6本爪と8本爪の軽アイゼンを手で持ち比べると、どちらもそれなりに重みはあります。平坦な雪道だけを歩くのであれば、チェーンスパイクが選択肢に入ります。チェーンスパイクは雪が深くなると爪にダマができ、爪の効果が無くなることに注意が必要です。もし標高が高い冬山を目指すのであれば本アイゼンを選択しても良いと思います。

山旅(登山)で使う本アイゼン

本アイゼンは冬の森林限界を超えるような山で使用するアイゼンです。フラットに足を置けない傾斜があるときにステップを刻んだり、雪が硬いときに前歯や下歯を噛まして歩くことになります。本アイゼンの場合、男性用と女性用の靴はサイズが違いますので、恐らく男性用は12本爪で女性用は10本爪になると思います。

装着方法はワンタッチ式とバンド式があります。ワンタッチ式は装着が簡単ですが、靴との相性があるため購入する際は靴を持ち込み実際に合うか試した方が良いです。私の愛用のGOROはワンタッチ式は合わないので、バンド式を採用しています。

バンド式はアイゼンを紐で結びますが、昔のように1から紐を通す訳ではなく、それほど悩む必要はありません。アイゼンに取り付いている紐を前輪に通して最後に締め上げるだけで楽に付けられます。さらに締め上げているところが緩みにくい構造になります。

山旅(登山)後のアイゼンの手入れ

アイゼンは雪や氷で滑らないように装着する道具です。氷に爪が噛まなければ意味を成さないため、山に入る前にはヤスリで爪(ツァッケ)を研がす必要があります。ガチガチな氷を踏むと1度の山行でだいぶ爪が消耗します。特にチタンの場合は消耗が激しいため、凍結した道を歩いた後はヤスリがけして刃先を整える必要があります。

アイゼンは専用のケースに収納して持ち歩きます。アイゼンは刃物であり、刃先が飛び出て怪我や破損が起きない作りのものが良いと思います。ケースから取り出すときに怪我をすることがあるため取り扱いには注意します。良く前歯で怪我をすると言われますが、どちらかと言えば見える前歯より見えにくい内歯で怪我をしやすいと思います。歯を合わせて収納したときなど、取り出すときなどに内歯が見えずに怪我をすることもあります。

アイゼンを装着したときの歩行

アイゼンを装着したときは、夏山とは異なる歩き方になります。アイゼンを装着するとアイゼンを履いた高さだけ見え方が高くなり、アイゼンの重みで疲労が増して歩行速度が落ちます。雪山ではアイゼンとスパッツと併用しますが、アイゼンの爪でスパッツを傷つけることもあります。

アイゼンを装着したときの歩行は、なるべく足を外側に振れるように大股で歩く感じになります。滑りそうな場所では、アイゼンは足先が向いている方向によく氷に噛むため、ビビらずにアイゼンの刃先を向けることになります。