アスワン・ハイ・ダム
アフリカ東部を北流する世界最長のナイル川は、多くの恵みをもたらしエジプト文明を育んだため「エジプトはナイルの賜物」と呼ばれました。そのようなナイル川も常に穏やかというわけではなく雨期になれば氾濫を起こし豊沃な土地を作る役割を担う一方、大被害を起こすこともありました。
第一次中東戦争で敗れたエジプトにおいて、エジプト革命を成功させて権力を握ったナセル大統領は、ソ連の援助を受けて1960年に巨大なダムの建設に着手しました。工事は10年の歳月を要し1970年に高さ111メートル、全長3,600メートルの巨大ロックフィルダムが完成しました。
このダムの建造によりアブシンベル神殿やファネストアリ神殿などの遺跡が水没するため、遺跡を守ろうという運動が世界的に発生しました。ユネスコが資金を集め神殿を移転しています。
なおエジプトで標高が一番高いのがアスワン・ハイダムらしいです。エジプトは平坦な土地で山らしい山は無いということですね。
エジプト最高地点!
エジプトの最高点があります。
ナセル湖
アスワンハイダムで生まれた人工池です。
アスワンハイダムにより、毎年のように起こっていたナイル川の氾濫を防止することができました。また12基の水力発電装置が210万kwの電力を供給し、ダムにより出現したナセル湖から供給される水は不足がちの農業用水を安定させ砂漠の緑化も行われました。