地雷博物館

シェムリアップから約30キロメートル北東に地雷博物館があります。この博物館は、個人で地雷を撤去しているアキー・ラー氏が政府からの援助を受けずに建てた博物館です。それほど大きくない建物の中に所狭しと撤去された地雷などが展示されています。
地雷博物館とアキー・ラー氏
地雷博物館はアンコール・ワットなどがあるカンボジア・シェムリアップの郊外にあります。1999年に地雷除去を行うアキー・ラー氏により開設され、国内外の多くの人に地雷の怖さ、戦争の悲惨さを訴え続けている博物館です。
個人が建てた博物館ではありますが、いろんな国のボランティアなどのサポートを受けて、日本語や英語での解説やビデオ(日本で放送されたカンボジアの地雷問題の録画)を上映しており、充実した内容になっています。
それほど大きい博物館ではありません
今も地雷撤去を行う博物館の創始者です
アキー・ラー氏は5歳のときに両親がクメール・ルージュ(ポルポト派が率いる集団)によって殺害され、クメール・ルージュの少年兵として地雷を埋めたり実弾を使用したりしていました。クメール・ルージュが崩壊してからは自責の念にかられて地雷の撤去作業を行うようになり、撤去した地雷などを展示する地雷博物館を運営しています。
クメール・ルージュとは、共産主義者のポルポトにより作られた党です。1975年から1979年までカンボジアはポルポト政権が支配していました。ポルポト政権はあらゆる知識人を拒絶し、知識人への拷問や大量虐殺が行われ約170万人が命を失いました。
この博物館の入場料2ドル(現在は5ドル)や募金箱、ショップでの売り上げなどは、地雷除去の活動資金になっているようです。この募金箱の前には名前などを記載するノートがあり、そのノートを眺めていると日本人が多くて、その他外国人も毎日数人来ているようでした。
世界の地雷
世界の地雷は、カナダのオタワ条約調印会議で2000年に135か国が地雷禁止条約を公布しました。しかし韓国、インド、中国、ロシアなどがその条約に批准しておらず地雷は造られ続け、アフガニスタン、シリア、ミャンマーなどの現在でも内戦が続く国では地雷が使われています。
なぜかダルマがありました
機関銃を持つ兵士もいて戦争は怖いと思います
ポルポト派は爆破型の地雷を使い多くの人たちに怪我を負わせていました。即死では一人の命しか奪えませんが、敵兵を負傷させれば手当する人など多くの戦力が奪えるためです。このような地雷により300人に一人が負傷しているそうです。
地雷博物館は、今もなお残る地雷の被害と戦争の悲惨さを語り続けます。