弘前市りんご公園
弘前市りんご公園は、昭和40年(1965年)に弘前市が青森放送株式会社から土地を譲り受け開設した公園です。約9.7ヘクタールある公園には約80種、2,300本もの林檎の木があります。りんご農園の向こうには岩木山を望む美しい景色を堪能でき園内には昔の農家を再現した市指定文化財「旧小山内家住宅」もあり古い農機具を展示しています。
弘前市りんご公園
弘前市りんご公園は、青森県の特産品であるリンゴのテーマパークです。リンゴ園に囲まれた公園で食事や買い物ができる「リンゴの家」やイベントや遊具がある「ふれあい広場」などがあります。
買い物や食事ができる建物です
とても重そうにリンゴを運んでいます
日本一のりんご生産を誇る青森県でリンゴ栽培の端緒となったのは、明治8年(1875年)に内務省勧業寮から3本の苗木が配られて青森県庁に植えられたことに始まります。明治時代に入り武士が失業したことから、武士に仕事を与えるためにりんご生産が始まりました。
青森りんごの開祖と言われます
青森りんごの神様と言われる人物です
青森りんごが生産量日本一になるには多くの偉人の活躍がありました。青森りんごの開祖と言われる菊池楯衛は弘前藩士で青森県庁の職員でした。北海道七重村の開拓史勧業課試験場で果樹栽培、測量術、接木や苗木育苗を学び弘前に技術を伝えました。明治22年(1899年)には楠美冬次郎らと津軽産業会を設立しています。
青森りんごの神様と言われる外崎嘉七は菊池楯衛に師事し、明治30年から明治40年にかけて病虫害の発生などに直面し、害虫からリンゴを守るための袋掛け、病気からリンゴを守るための農薬、作業をしやすくるために樹形を整える方法を編み出しました。
青森のリンゴ園は第二次世界大戦により荒廃して生産量日本一から陥落することもありました。青森りんご復興の祖と云われる渋川傅次郎は荒廃していたリンゴ畑を再興し青森県りんご協会を設立しました。
人工的に造られた山です
リンゴ園の奥に岩木山(津軽富士)です
公園内には標高80メートルの摺鉢山があります。摺鉢山は大星場と呼ばれる弘前藩の小銃や大砲の射撃練習の的として築かれた人工的に造られた丘でこの丘からはリンゴ園が広がり奥に岩木山の絶景が眺められます。
リンゴ園が広がる森は津軽忍者の訓練場であったと言われ、弘前四代藩主・津軽信政の時代には陰流忍術の使い手である中川小隼人が十数名で忍術の稽古を行っていたとの記録があります。
甘い匂いがするリンゴの花です
ニュートンが万有引力を発見した逸話の木です
弘前市りんご公園には約80種、2,300本ものリンゴの木が植えられています。中にはアイザック・ニュートンが落ちるリンゴを見て、万有引力に気づいたと言う逸話が残るニュートンのリンゴの木(品種・ケントの花)もあります。
リンゴの種類はたくさんありますが、青森りんごの半分以上を占める品種は「ふじ」です。昭和37年青森県藤崎町で誕生したふじは甘くて果汁が多くて人気があります。しかし、平成3年に青森県を直撃した台風19号(通称りんご台風)では38万トン以上の青森りんごが大被害を受けています。
旧小山内家住宅
旧小山内家住宅は平成13年(2001年)に弘前市指定有形文化財に指定された江戸時代後期の農家建築の遺構です。小山内家は西津軽郡に知行地を持つ家柄でしたが、初代権兵衛の隠居に伴い寛永9年(1632年)に知行地は召し上げられています。
現在の茅葺屋根が特徴の木造平屋の建物は文久3年(1863年)に小山内佐治兵衛が建てた建物です。弘前市高杉五反田にありましたが昭和56年に15代当主・小山内哲彦氏から寄贈され弘前市りんご公園に移築保存されました。
文久3年(1863年)に建てられた住宅です
身分の高い家のため式台が付いた玄関です
旧小山内家住宅の玄関は式台が付いていて身分の高い者が利用している造りになっています。玄関からは座敷に直結しており、一番格式の高い奥座敷は畳敷10帖で床の間が備えられています。
襖には美人画が描かれています
常に人が居る囲炉裏がある部屋です
旧小山内家住宅は津軽地方の農家住宅の形態をよく現しています。囲炉裏がある居間は常に人が居るため「常居(じょい)」と呼ばれている空間です。また、馬4頭分のまや、作業場のとろじ、使用人の部屋のまげがあり、当時の民俗資料や農具などが展示されています。
使用人が使用した部屋で農具が展示されています
二階にある6畳間は若夫婦が使用しました
寝室、じょい、まげなど江戸時代後期の津軽地方の農家の形態を残している旧小山内家住宅は平成13年(2001年)に弘前市指定有形文化財に指定されています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒036-8262 青森県弘前市清水富田寺沢125
- アクセス
- JR弘前駅よりバスで約20分「常盤坂入口」下車、徒歩約7分
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 料金
- 無料
- 地図