大平山元遺跡
大平山元遺跡は旧石器時代末期から縄文時代創成期の遺跡で、蟹田川が作り出した標高26メートルの段丘上にあります。紀元前15,000年以上前の土器片が発見されており、北東アジア最古の土器として縄文時代の始まりを示す貴重な資料となっています。
大平山元遺跡
大平山元遺跡は青森県外ヶ浜町にある縄文時代創成期の遺跡です。昭和46年(1971年)の秋に見つかった石斧が契機となり発掘調査が行われました。昭和50年(1975年)に青森県郷土館が試掘調査を実施し石刃素材の石器とともに土器片が見つかりました。翌年の昭和51年(1976年)には紋様が無い無文土器が発掘されました。
平成10年(1998年)の発掘調査では石刃素材の加工具類のほか土器片が見つかり、土器に付着した炭化物をAMS法による放射性炭素年代測定法で算定したところ、紀元前16,520年前に使われていたことが分かりました。これは北東アジア最古の土器として縄文時代の始まりを示す貴重な資料になりました。
丘の上にある遺跡です
北東アジア最古の土器と言われています
土器の欠片は割れてかけらになり数が少ないため土器の復元はできませんが、縄文土器の大きな特徴である縄模様が見られず、無文土器と呼ばれています。この土器の出現により、この頃が旧石器時代から縄文時代への移行期と推定されています。
自然環境が変化していく中で新しい土器を生み出し、煮炊きをしながら生活をしてきた縄文人たちの生活の痕跡は見られますが、建物を支える柱の穴や窪みが認められず地面の掘り込みもないことから、少人数のグループが移動式テントのようなものを使って生活していたと考えられています。
平成10年(1998年)の発掘調査地点です
石で作られた古代のマルチナイフです
石器は関東地方や中部地方の特徴がある石器や蝦夷で流行った石器のほか西日本との関係がある石器などが見つかっており、日本各地と繋がりがあったことが推察されています。当地で発見された石鏃は世界的に見ても最も古いと推定され、世界最古の弓矢が使用されていた可能性があります。
世界最古の石鏃と言われます
昭和50、51年の発掘調査が行われた地点です
平成25年(2013年)に国の史跡に指定され、令和3年(2021年)に北海道・北東北の縄文遺跡群の一つとして世界文化遺産に登録されました。
大山ふるさと資料館
大山ふるさと資料館は、明治38年(1905年)に尋常小学校として開校し平成11年(1999年)に閉校した大山小学校校舎を利用して平成13年に開館した資料館です。令和6年度のオープンを目指して新たな展示施設の建設を進めているところです。
懐かしい感じの学校の廊下です
宇鉄遺跡で発掘された土器です
大山ふるさと資料館では、大平山元遺跡や同年代の宇鉄遺跡で発掘された土器や石器を約80点展示しています。中には縄文時代初期で北東アジア最古の土器のかけらや世界最古の石鏃なども展示されています。
脱穀機などの農具が展示されています
町内で使用された農具や生活道具が展示されています
木造の別館には町内で使用され、町民から寄贈された農具や漁具、生活道具を整理・分類し保管・展示しています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒030-1307 青森県東津軽郡外ヶ浜町蟹田大平山元
- アクセス
- JR大平駅から徒歩5分
- 営業時間
- 9:00~16:00
- 料金
- 無料
- 地図