如斯亭庭園

旧秋田藩主佐竹氏別邸である如斯亭庭園は、名君として名高い九代藩主佐竹義和により整備されました。近代造園の祖と言われている長岡安平は如斯亭庭園を見て「東北では無二の名園」と絶賛したと伝えられる名園で藩主の御休所にとどまらず多くの文人墨客の交遊の場としても活用されました。平成19年(2007年)に国の名勝に指定されています。
如斯亭庭園の造成
如斯亭庭園は、元禄年間(1688~1704)に佐竹氏の近臣大嶋小助が久保田藩第三代藩主佐竹義処より下賜された土地で整備・管理していた別荘が始まりと言われます。当時は得月亭と呼ばれていましたが第五代藩主佐竹義峰が収公し藩主の御休憩所となりました。しばらくは倹約のために庭園管理が衰退していましたが、安永4年(1775年)に第八代藩主佐竹義敦が再興し第九代藩主佐竹義和が整備して名を如斯亭と改めました。主に賓客をもてなしたり文人墨客の交友の場として使われました。
佐竹氏の別邸で唐見殿とも言われました
長岡安平が東北では無二の名園と絶賛しました
明治時代の廃藩置県に伴い佐竹氏が東京へ転居したことで庭園は御用商人の那波氏へ譲渡されました。それからは民間所有として料亭や旅館などで使われました。昭和39年(1964年)から平成2年(1990年)まで旅館として営業されましたが、平成19年(2007年)に国指定名勝を受けたことにより平成22年(2010年)に個人から秋田市へ無償譲渡されました。遺構や史料をもとに修復整備を行いましたが平成29年(2017年)にようやく当時の姿へ修復されました。
如斯亭庭園の見どころ
高野石の雪見灯籠や水を美しく配した東北隋一の名園であり、近代造園の祖と言われている長岡安平が「東北では無二の名園」と絶賛したと伝えられている如斯亭庭園は、旧秋田藩主佐竹氏の別邸で藩主の休憩場所として利用されていました。如斯亭は、中国の孔子の論語の一節「逝者如斯夫、不舎昼夜」から取られたもので「水流の間断なき流れを嘆賞しつつ、人間の道も学問もまたかくあるべき」と解されます。
藩主が通用する門でした
四畳半の数寄屋造りの茶室です
如斯亭庭園は園内十五景と呼ばれる見どころがあります。九代藩主佐竹義和が別邸庭園を如斯亭と名付けたとき庭園の見どころとして園内十五景を選定しました。十五景を選んだのは秋田藩校「明徳館」の助教兼幹事であった儒者那珂通博でした。
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如斯亭の最大の魅力は中心を流れる水路です。令和5年の東北地方の水害により水の循環施設が故障していたため枯山水のようになっていますが、水が流れているときは園内北東部の築山の峡谷から中島のある池を経て一段低くなる茶室の清音亭の露地へと水が流れます。如斯亭は池泉回遊式庭園としてだけでなく、園内から北西の山を望むことができる借景式庭園、主屋から眺める鑑賞式庭園としての要素も持ちます。
まち旅(旅行、観光)の記録
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- 住所
- 〒010-0834 秋田県秋田市旭川南町2番73号
- アクセス
- JR秋田駅より徒歩30分
- 営業時間
- 9:00~16:30(4月~11月)
9:30~16:00(12月~3月) - 料金
- 210円
- 地図