能代市の縄文遺跡

多くの縄文遺跡がある東北地方のうち能代市には2つの縄文遺跡から重要な発見があります。縄文時代前期から縄文時代中期の集落跡である杉沢台遺跡は、国内でも有数の大型の竪穴住居跡が発見され、昭和56年(1981年)に国の史跡に指定されました。また、柏子所貝塚は縄文時代晩期の墓地および貝塚が発見され、昭和30年(1955年)には県の史跡に指定されました。
杉沢台遺跡
東雲台地北側とその斜面にかけて形成された3万5千平方メートルにおよぶ縄文時代前期から縄文時代中期の集落跡です。標高約35メートルの沖積台地下には竹生川が流れ水量の豊富な湧水が出ると言われます。発掘調査により44棟の住居跡やフラスコ状ピットが109基発見され史跡周辺にも集落が広がっていることが分かりました。また発見された長辺が31メートルにも及ぶ大型の竪穴住居跡は国内でも有数の規模で、発見当時は国内最大として大きく取り上げられました。
大規模な建物がありました
現在は一面に田んぼが広がります
出土した磨製石斧2点が北海道日高地方だけにある緑色岩の一種「アオトラ石」で作られたものであることが秋田県埋蔵文化財センターの石材鑑定で判明しています。アオトラ石は秋田県では東成瀬村の上掵遺跡でしか確認されておらず、5千年前の交易活動を知る貴重な手掛かりとなりそうです。
- 住所
- 〒016-0017 秋田県能代市磐
- アクセス
- JR能代駅から車で15分
- 営業時間
- 24時間
- 料金
- 無料
- 地図
柏子所貝塚
柏子所貝塚は、米代川の左岸、能代平野に面した洪積台地の北端に位置する縄文時代晩期の墓地と貝塚の遺跡です。鹿の骨で作った髪針や釣針などの漁労具、猪の牙の腕輪、千点以上ものおびただしいベンケイガイ製の貝輪などが出土しています。柏子所貝塚は貝輪の流行を物語るとともに生産拠点と考えられています。また貝塚からは海水産、淡水産合わせた貝類がたくさん出土しています。
藪が生い茂る山にあります
貝類のほか人骨も発見されています
埋葬されたとみられる8体の人骨も出土し、そのうち5体の人骨は頭が赤く塗られ、2体は額を鈍器で叩いて穴を空けた痕跡が認められました。多くの人骨の年齢や性別が確かめれており、秋田県の縄文遺跡としてはごく希な事例になっています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒016-0175 秋田県能代市柏子所47
- アクセス
- JR東能代駅から車で10分
- 営業時間
- 24時間
- 料金
- 無料
- 地図