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旧池田氏庭園

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園

旧池田氏庭園は、山形県の本間氏や宮城県の齋藤氏と並ぶ東北三大地主の池田氏が明治29年(1896年)の六郷大地震を契機に屋敷地を拡張して、秋田市の千秋公園を設計した長岡安平の設計により造営された庭園が整備された邸宅です。秋田県内では庭園として初めて平成16年(2004年)に国の名勝に指定されました。

東北三大地主・池田家

秋田県大仙市に広がる仙北平野の大地主である池田家は、宮城県石巻市の齋藤家と山形県酒田市の本間家と共に東北三大地主と呼ばれます。池田市は江戸時代に肝煎を務めた旧家で、明治・大正時代には在地地主として農業のみならず地域の社会資本制度の拡充に大きく貢献しました。

第12代当主池田甚之助は秋田銀行の初代頭取や秋田県選出の初代貴族院議員を務め、明治22年(1889年)には初代高梨村長にも選出されるなど、地域の政治経済発展に尽力しました。第13代当主の池田文太郎は池田家の最盛期を築いた人物で、約10平方キロの耕作地を所有して小作人は1,250人いました。第2代高梨村長を務め、水道や電気配線の敷設などの社会資本整備や教育文化の普及や振興や災害時の村民救済に私財を投じました。

水道用木管

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_水道用木管大正時代に敷設された木管です

池田文一郎

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_池田文一郎旧池田氏庭園を造営しました

第14代当主池田文一郎も第3代高梨村長を務め、邸内に私設図書館を設置し地域の青少年教育に尽力しました。また払田柵跡の県内初の国史跡指定にも大きく貢献しました。戦後の農地解放まで池田家と小作農との間に争議は起こらず、模範農村として高梨村が全国に知れ渡ることになります。

旧池田氏庭園

4万2千平方メートルの広大な敷地がある旧池田氏庭園は、池田氏の家紋である六角形をした亀甲型をしています。明治29年(1896年)に発生した東北地方最大規模の内陸直下型地震である陸羽地震で主屋が倒壊したのを契機に近代造園の祖と呼ばれた長岡安平の設計のもとで敷地を拡大して旧池田氏庭園を完成させました。庭園は主庭園のほか北東部庭園と北西部庭園の3つに分かれます。

旧池田氏庭園

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園家紋と同じ亀甲型の敷地です

旧池田氏庭園

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園国の名勝に指定されている庭園です

池泉回遊式庭園の主庭園は緩やかな流れがある池、周囲にある飛び石、池の中に浮かぶ中島の奥に雪見灯籠が配されています。中島に架かる八ツ橋を渡ったところにある雪見灯籠は、江戸型三本足で長さと幅が4メートルある日本最大級の大きさを誇り、笠の面積は八畳間の大きさに匹敵します。

雪見灯籠

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_雪見灯籠日本最大級の大きさです

北西部庭園

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_北西部庭園小作人大運動会が開催されました

北西部庭園は公園的な要素がある池田家家族の庭です。大型の五重層塔があり、夏の農閑期には小作人大運動会が催された広場、滑り台が設けられ憩いの場となった四阿跡が残ります。また、北東部庭園は水の流れを基調とした池泉回遊式庭園です。主屋から飛び石が打たれ雪見灯籠や春日灯籠があります。遠く奥羽の山並みの中に昼間岳を借景とした景色が広がります。

庭園の建造物

旧池田氏庭園の玄関にあたる総欅造りの正門は仙北地方が生んだ名工高橋円満による彫刻が施された薬医門です。この門を抜けるとかつては旧主屋がありましたが、昭和27年(1952年)に火災により焼失しました。旧主屋は部屋数が30を超えている大きな建物で主屋を囲んで大庭園がありました。

旧池田氏庭園正門

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_正門薬医門と呼ばれる形式です

味噌蔵

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_味噌蔵味噌や豆腐などを作っていました

池田家のような大地主は使用人を雇い小作人を養いました。敷地には調理場や休憩舎、牛舎などがありました。収穫した米を収納していた米蔵は明治20年(1887年)に建てられて6千俵もの米を収蔵することができました。味噌蔵は大正4年(1915年)に建築された建物で大きな六尺樽で作られた味噌は使用人150人換算で2年間まかなうことができます。その他にも3つの内蔵や武道場などもあり、武道場は青少年への文武両道の教育のため建てられました。ここでは日本柔道の祖である嘉納治五郎を招き指導に当てさせたこともありました。

旧池田家住宅洋館

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_旧池田家住宅洋館国の重要文化財に指定されています

金唐革紙

秋田県大仙市の旅行で訪れた観光名所、旧池田氏庭園_金唐革紙内装に高級壁紙が使用されています

旧池田家住宅洋館は私設図書館として大正11年(1922年)に建築された洋館です。設計者は秋田市出身の建築家今村敬輔で秋田県下で最初の鉄筋コンクリート造です。内装には金唐革紙の高級壁紙で彩られるなど随所にルネサンス様式を取り入れています。

まち旅(旅行、観光)の記録

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住所
〒014-0805  秋田県大仙市高梨字大嶋1
アクセス
JR大曲駅から車で15分
営業時間
9:00~16:00
料金
300円
地図