五城目城と雀舘公園

五城目城は安東愛季の家臣である藤原秀盛が五十目氏と名乗り居城とした城跡です。現在は本丸跡地に模擬天守が建てられ森林資料館として公開しています。馬場目川に挟まれる小高い丘には五城目城の支城と言われる雀舘があり、現在は雀舘公園として日本庭園なども整備され、桜の名所にになっています。

五十目氏と五城目城

五十目氏は安東愛季の家臣である藤原秀盛を祖とします。藤原秀盛は天正10年(1582年)に浅利勝頼が謀反を起こしたあと、後任の比内代官として浅利氏の居城である大館城に入り比内地域の統治に当たります。

天正16年(1588年)の秋田安東氏の湊騒動以降に藤原秀盛が八郎潟地方の五城目地域を支配するようになり、地名に因んで五十目氏を名乗り五十目秀兼となります。五十目秀兼は主君安東実季と不和になり南部信直に内応して南部勢である大光寺光親を比内地域に引き入れ、一時的に比内地域が南部氏の支配下になる原因を作りました。

五城目城（砂沢城）

五城目城は、のちに五十目氏を名乗る藤原氏の居城として知られています。別名を砂沢城と言い、天正16年(1588年)に秋田実季の命で八郎潟地方の統治を任されてから築城されました。標高１００メートルほどにある本郭には天守は無く尾根に曲輪や堀切が置かれていました。

慶長６年(1601年)に秋田氏の転封により五十目氏もこの地を去り城は破却になりました。発掘調査により帯郭や物見跡、城主の屋敷跡が確認されていますが、現在は森山森林公園となり当時の遺構はほとんど残りません。本丸跡には昭和59年(1984年)に模擬天守の森林資料館が建てられており、模擬天守３階の展望台からは五城目の町並が一望できます。

雀舘公園

五城目城の南側にある雀舘公園は五城目城（砂沢城）の支城と考えられています。北部に馬場目川がある小高い丘で１．５ヘクタールの広大な敷地があり、現在は本庭園も擁する公園として整備され桜の名所としても知られています。一番高いところに主郭らしき空間があり、その下には平坦な曲輪のような遺構や土塁跡が見られます。

雀館跡の北側の平地には秋田県の史跡に指定されている古代井戸の跡があることから、少なくとも平安時代頃には集落がありました。このため館跡も古代の儀式の場所である鎮め館で、年月が経過していく過程で鎮め館が雀館に変化したという説もあります。

まち旅（旅行、観光）の記録

まち旅（旅行、観光）するために参考となる情報です。