一丈木遺跡

一丈木遺跡は、縄文時代中期全般にわたり利用された集落跡で、この地域の中心的な働きをした集落遺跡と考えられています。竪穴住居跡や屋外炉、焼土遺構、土器埋設遺構、配石遺構などのほか縄文時代前期から後期の縄文土器や石器など多くの遺品が発見されています。昭和51年(1976年)に秋田県指定遺跡となりました。

一丈木遺跡

一丈木遺跡は、長年の断層運動によって隆起した標高１４０ｍ前後の台地の西端に位置しています。遺跡の範囲は、南側の町道を挟んだ公園まで広がり面積は４．５ヘクタールあります。縄文時代中期（約五千年前）の遺構や遺物が発見されています。これまで行われた発掘調査では、竪穴住居跡３５軒のほか、土杭や配石遺構など多くの遺構が確認されています。

住居跡は円形で周囲に溝が巡らされ、馬蹄側に住居が並ぶ環状集落と推定され、石で囲んだ炉が造られているものもあります。発見された遺物は、縄文土器（深鉢・浅鉢ほか）や土偶・器台・石斧・石匙・石鍬・石棒・石皿などが出土しています。

千屋断層と黄金清水

一丈木遺跡は、遺跡の麓にある千屋断層の断層運動により隆起した台地にあります。千屋断層は横手盆地と奥羽山脈の境界部に南の約３０キロにわたり、明治29年(1896年)の陸羽地震では台地が３メートルほど隆起しました。千屋断層は平成７年(1995年)に国の天然記念物に指定されています。

一丈木遺跡の近くにある黄金清水は、佐竹義重が六郷に隠居する際、昼食をとるため休んだところと伝えられます。金銀を与えられた村人たちはあまりの有り難さにそれ以来黄金原といい、佐竹義重が飲んだ清水を黄金清水と言うようになりました。この水は縄文人も利用していたかもしれません。

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