地球の丸く見える丘
地球の丸く見える丘展望館は、千葉県北東部で一番高い愛宕山(73.6メートル)の頂上にある展望台で、その高さは16メートルあります。平成17年に「銚子市地球の丸く見える丘展望館の設置及び管理に関する条例」が制定されて設置されました。
どこまでも果てしない海が屋上の展望スペースから眺めることができます。360度の大パノラマは本当に地球が丸く見えることが実感できます。海岸線には東洋のドーバーといわれる屏風ヶ浦が見え、条件が良ければ富士山も見えます。この地は富士山が見える最東端と言われます。
夕焼けも綺麗に見えるスポットで、サンセットタイムには海や屏風ヶ浦に夕日が沈む素晴らしい景色を楽しむことができることでも有名です。
地球の丸く見える丘展望台
地球の丸く見える丘展望台は、駐車場から公園の坂道を上がった頂上にあります。入館料は銚子ポートタワーとの共通券で700円、単独では420円になりますが、展望台の施設に入らなくてもある程度の高さがあるため入館しなくても良い様な気がします。
標高74メートルにある展望台です
展望台は標高90メートルあり丸い水平線が眺められます
屋上の展望台からの景色は遮るものがなく地球を丸く見る条件が整っています。銚子市街が一望でき、さらに屏風ヶ浦の断崖もよく見えます。できれば夕暮れが眺められれば良いですが、閉館時間があるため展望室からサンセットを眺めることは叶わないと思います。
地球の丸く見える丘の展示ホール
展望台の2階にある展示ホールでは銚子市の地層から発見された化石などが展示されています。その昔海底にあった銚子は古代の海洋生物が化石として発見されています。
銚子の屛風ヶ浦では古代の地層を目にすることができます
海に面しているため古代の海の生物の化石が発見されるようです
銚子は久慈(岩手県)・いわき(福島県)とともに国内の琥珀三大産地で、これらの地域で産出された琥珀が展示されています。一番古いもので約1億年前のものがあり、綺麗なあめ色をしているのが銚子の琥珀の特徴です。琥珀の中には虫が入っている貴重な琥珀もあります。
銚子では琥珀が発見されています
平たいハンマーのような頭部が特徴的です
展示コーナーでは銚子市で発見された琥珀やシロシュモクザメの展示にあわせて、銚子事件と呼ばれる出来事が放映、パネル展示されていました。銚子事件とは未確認飛行物体が現れて世間を賑わせた事件で、銚子市が何ともミステリアスな街でもあることを伝えています。
昭和31年(1956年)9月8日の朝、銚子第四小学校の校庭の隅に長さ4~5センチ、幅1ミリ、厚さ10ミクロンという細かいアルミ箔状の金属片が落下しました。日本天文学会の会員で歯科医師の滝田氏の元にその金属片が持ち込まれ、日本空飛ぶ円盤研究会でこの金属片の調査が始まりました。
荒井氏と柴野氏は「工業推奨館」を訪ねて、この金属片の分光分析を依頼すると1~10パーセントの鉛が予想外に混入しているのを検出しました。通常、アルミと鉛は合金し難いためアルミ箔の大手メーカー「日本軽金属」に問い合わせたところ、同社では「アルミ箔には鉛を入れない」という解答を得ました。
東京工大金属学教室の中村正久氏に確認すると、10.9パーセントの鉛が含まれており、アルミに対しては0.2パーセント以上の鉛を合金することは出来ないとのことでした。
工業奨励館の松下技師が分析したところ、アルミ箔に薄く付着していたビニール状の皮膜内に1~10パーセントの鉛が発見され、黒く粒状に多数点在してがアルミ箔自体の中には含まれていなかったこと、アルミ箔の片側には簡単な有機染料が塗布してあったこと、ビニールなどに鉛が混入する場合は完全に溶けて透明になるはずで、ごく微量の高価なバナジウムやニッケルが検出されたことを発見しました。
日本空飛ぶ円盤研究会の顧問をしていた東大の糸川博士は、この金属片はロケットの発射実験などに使用する金属片と非常に良く似ているとのことで、国内では生産されていないがアメリカでは使用しているとのこと。
そこでアメリカ大使館の空軍参謀のモラール少佐に金属片を預けたところ「落下物はアメリカのものであった」という簡単な回答だけで金属片が手元に戻ることもありませんでした。
地球の丸く見える丘ふれあい広場
駐車場と地球の丸く見える丘展望台の間には「ふれあい広場」が整備されています。ふれあい公園は平成6年(1994年)に整備され有名な文学者の句碑が多く設置され展望も良い公園です。
1900年代前半に活躍した日本画家の小川芋銭の句碑
尾崎行雄は民主政治と世界平和の実現を目指した政治家
駐車場からほど近く地球の丸く見える丘展望台に向かう途中にあるため、ふれあい広場に句碑を散策しながら、銚子市街や太平洋の景色を楽しむのも良いと思います。
岡山出身の大正ロマンを代表する画家、デザイナー、文筆家です
銚子出身の明治時代の詩人、小説家です
句碑がある広場から展望台までの途中で、ちょうど展望台の麓にあたるところには日比友愛の碑がありました。ひときわ大きなモニュメントで周囲の展望も良いところです。
大きなモニュメントです
なかなかいい形をしています
この日比友愛の碑は、第二次大戦で戦火を交えた日本とフィリピンが永く世界平和を祈念するために昭和33年(1958年)に設置されました。計画の際に全国の適地を検討して、眼下が開けていて途中さえぎるものがなく太平洋を隔ててフィリピンと対峙していることから銚子市の愛宕山が最適地として選ばれました。
また、碑の斜塔は「友愛の炎」を表しフィリピンのルソン島にあるマヨン山(標高2,463m)に向かって建っています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒288-0024 千葉県銚子市天王台1421−1
- アクセス
- 銚子電鉄犬吠駅より徒歩10分
- 営業時間
- 09:00~17:30(10月~3月)
09:00~18:30(4月~9月) - 料金
- 420円(地球の丸く見える丘展望館・銚子ポートタワー共通券700円)
- 地図