谷津干潟公園
谷津干潟は習志野市の南西部に位置します。周囲の埋め立てにより都市の中に取り残された干潟で面積は約40ヘクタールあります。ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されており、干潟や水鳥の保護が行われています。
谷津干潟公園の歴史
谷津干潟公園は、埋め立てにより住宅地や商工業地が広がる都市の中に取り残された干潟です。広さは約40ヘクタールあり平成5年(1993年)には干潟としては国内で初めて水鳥の生息地として国際的に重要とされるラムサール条約に登録されました。
干潟はかつて東京湾に面しており海水浴や潮干狩りが行われていましたが、1970年代の高度経済成長期に埋め立てが進められました。これに対し1971年から1982年に渡り市民や保護団体により干潟の保護運動が起こり、干潟は自然生態観察公園として整備され、東西両方から伸びている水路から東京湾の海水を引き込む造りになりました。
干満によって海水が出入りがあります
谷津干潟は都心のオアシスと言われます
谷津干潟は1988年には国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定され、1993年にラムサール条約の登録湿地となりました。
谷津干潟の遊歩道
谷津干潟の周囲は1周3.5キロメートルの遊歩道になります。歩きながら季節の渡り鳥や小さな生物などを見学することができます。
干潟を眺められる散歩道です
隙間から野鳥を観察できます
谷津干潟では明治時代中期から大正時代の初めまで塩田がありました。入浜式塩田で、砂浜に海水を散布して水分を蒸発させて凝縮し、さらに煮詰めて製塩する方法でした。
干潟は人々の生活に恩恵を与えてきましたが、明治44年と大正6年の暴風雨で塩田は閉鎖となります。また首都圏の土地不足を解消するため干潟は埋め立てられていきました。海岸線の変化は海水の動きや海洋環境を変化させ、谷津干潟にはアオサが大繁殖したりゴミが溜まるなどの問題があるようです。
鳥が休んでいることもあります
アオサの繁殖が問題になっているようです
生活で出たゴミは川や海を経由して干潟に流れ着きます。ペットボトルや包装用紙などのプラスチックは自然界ではほとんど分解されないため波などの影響で小さな粒子状に変わります。こうした粒子状のプラスチックはマイクロプラスチックと呼ばれ、鳥や魚などが誤食してしまうなど自然界に影響を与えています。
谷津干潟自然観察センター
敷地内にある谷津干潟自然観察センターは、ラムサール条約に谷津干潟が登録された翌年の1994年に開設されました。谷津干潟が一望できるだけではなく谷津干潟の自然について学習することができます。館内には谷津干潟に詳しいレンジャーが常駐しています。
干潟の自然を学習できます
毛虫のような生物で土壌を浄化します
干潟に生息する生物は干潟を保全する役割を担います。アサリやホンビノス貝などの二枚貝やゴカイは海水や土壌にある有機物やプランクトンなどを浄化しています。蟹は砂に潜むときに土壌に酸素を運ぶなどの役割を担います。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒275-0026 千葉県習志野市谷津3丁目1
- アクセス
- JR新習志野駅から20分
京成谷津駅から30分 - 営業時間
- 9:00~17:00(谷津干潟自然観察センター)
- 料金
- 800円(谷津干潟自然観察センター)
- 地図