白浜野島崎園地

房総半島最南端の一角突出している野島崎は南房総国定公園に属する景勝地です。昔から房総の壮観と崇美を集め文人墨客が好んで来遊し多くの詩歌や伝説が残されてきました。昔は海に浮かぶ一つの島でしたが、元禄16年(1703年)の大地震で陸続きとなりました。
白浜野島崎園地
白浜野島崎園地は、野島崎の南端に建てられた野島埼灯台の周囲に整備された公園です。野島崎は海に浮かぶ一つの島でしたが元禄16年(1703年)の大地震で陸続きとなり、野島埼灯台を囲むように20分程度の散策路がつくられています。
野島崎の入口にあたります
源頼朝が雨宿りをした風穴です
伝説の岩屋は源頼朝の隠れ岩屋とも呼ばれる風穴です。治承4年(1180年)に伊豆の石橋山の戦いに敗れた源頼朝は安房に逃れてくると白浜の野島に立ち寄り武運再興の願掛けをしましたが、その時、突然の時雨に遭い岩屋で雨を凌ぎました。いつの頃かその岩屋には、深海に棲むという創造の大蛸が海神として祀られました。
エジプトのピラミッドと同じ大きさです
房総半島の最南端に位置します
野島崎の最先端に到着すると最南端を示す碑のほか、大きな石なども設置されています。この巨石はエジプトのピラミッドの石と同じ大きさで南アフリカから運ばれて来たそうです。
さらに先端の岩のうえには白いベンチが固定されており「絶景朝日と夕陽の見える岬」「南房総白浜サンライズポイント」という表示があります。時間帯によっては朝日や夕陽を眺められ、日中は青い海を眺める最高のポジションです。
寒いですが絶景が広がります
ゴツゴツした岩場と青い海です
野島埼灯台
野島埼灯台は、千葉県房総半島の最南端の岬に立つ八角形の美しい灯台で、慶応2年にアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ 「江戸条約」によって建設を約束された8つの灯台(野島埼灯台、観音埼灯台、樫野埼灯台、神子元島灯台、剱埼灯台、伊王島灯台、佐多岬灯台、潮岬灯台)の一つです。開国に際し明治2年(1869年)に初点灯しましたが関東大震災で灯塔が倒壊したため、現在の灯台は大正14年(1925)に再建されたものになります。
国の登録有形文化財に登録されています
日本の近代化に尽力したフランス人技師です
野島埼灯台は横須賀造兵廠、横須賀海軍施設ドックなど建造したフランス人技師F・L・ウェルニー(1837~1908)により設計され、洋式灯台としては観音崎灯台に次いで2番目に運転が開始されています。完成当時の灯台は八角形をした白色のレンガ造りでしたが、関東大震災で倒壊したため鉄筋コンクリートの灯台として建て替えられています。
- 位置
- 北緯 34度54分06秒
東経 139度53分18秒 - 塗色・構造
- 白色 塔型(コンクリート造)
- 灯質
- 単せん白光 毎15秒に1せん光
- 光度
- 730,000カンデラ
- 光達距離
- 17.0海里(約31km)
- 明弧
- 169度から65度まで
- 高さ
- 地上から構造物の頂部まで29メートル
平均水面上から灯火まで36メートル
地上から灯火まで24メートル - 点灯年月日
- 明治2年12月18日
野島埼灯台にある「きらりん館」は灯台の歴史や航路標識業務を紹介しています。中央にはフランス製フレネル式レンズが展示されています。
中央にフレネル式レンズが展示されています
灯台から太平洋の青い海が眺められます
野島埼灯台は平成24年(2012年)国の登録有形文化財に登録されています。
厳島神社(野島弁財天)
白浜野島崎園地や野島埼灯台の入口の近くにある厳島神社は野島弁財天とも呼ばれ、水の女神である市杵島姫命(イチキシマヒメ)をご祭神としています。
厳島神社への階段と灯台へのスロープです
古そうな建物ですが創建は不明です
厳島神社の縁起は特に記録がありませんでしたので、創建や拝殿の建造時期などはわかりませんでした。とは言え、境内には石仏や社があるため古くからある由緒正しい神社であると思います。
ユーモアのあるオブジェです
武田石翁の作品で南房総市指定文化財です
拝殿の右手前には房州の名工・武田石翁の七福神が祀られます。七福神は石翁19歳のときの作品といわれ、弁財天は本殿に祀られるため屋外には6体が祀られています。これら七福神は南房総市の文化財に指定されています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜627−41
- アクセス
- JR館山駅からバスで40分野島埼灯台下車、徒歩約10分
- 営業時間
- 灯台:9:00~16:30(季節により異なる)
- 料金
- 300円(灯台参観寄付金)
- 地図