伊能忠敬記念館と旧宅
伊能忠敬記念館
伊能忠敬記念館は、平成10年(1998年)に創建された伊能忠敬の業績をまとめた資料館です。測量器具、測量図、日記など、国宝である伊能忠敬関係資料が保管されています。
伊能忠敬
伊能忠敬(1745~1818)は江戸時代に日本国中を測量して初めて実測による日本地図を完成させた人物です。延享2年(1745年)に現在の千葉県九十九里町で生まれ横芝光町で青年時代を過ごし17歳で伊能家当主となり、佐原で家業のほか村のため名主や村方後見として活躍します。
その後、家督を譲り隠居して勘解由と名乗り50歳で江戸に出て、55歳(寛政12年)から71歳(文化13年)まで10回にわたり測量を行いました。それにより完成した地図は極めて精度の高いものでヨーロッパにおいても高く評価されました。
50歳を過ぎてから日本全国を測量して歩き測量の期間はなんと17年にも及ぶ壮大なミッションでした。完成した地図は大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)といいます。
伊能忠敬の関連資料が展示されています
一部を除いて撮影禁止でしたが古い本を撮影できました
伊能忠敬旧宅
伊能忠敬旧宅は、伊能忠敬(1745-1818)が17歳から50歳まで30年余りを過ごした家で国の史跡に指定されています。
伊能忠敬旧宅内に像が設置されています
由緒ある家柄だけあって立派な建物です
伊能家は醸造業などを営んでいました。土蔵造りの店舗のほか、炊事場、書院、土蔵が残っています。土蔵は古い様式を残していて店舗と正門は忠敬が婿養子に入る以前に建てられていて貴重なものです。このような史跡を無料で拝見できるのは嬉しい限りです。
畳敷きの店舗には帳場などもありました
炊事場には測量機具も展示されていました
屋外には伊能忠敬が作った家訓を示した碑があります。家訓はだいたい以下の内容のようです。
- 仮そめにも人を欺くようなことはず、親孝行して兄弟仲良くし、人には真心を尽くして、正直でありなさい。
- 目上の人はもちろん、目下の人の言うことでも、よいと思ったら取り入れるようにしなさい。
- 人を熱く敬い、言葉遣いや行動は広い心を持ち、へりくだり、慎み、決して人と争ってはいけない。
伊能家の家訓が記された石碑がありました
この旧宅を中心に測量に出かけたんですね
伊能忠敬は家督を譲ってから江戸で学び、全国を測量して日本の地図を作ろうとした熱意はすごいものですね。歳を取っても熱意があれば充実した人生を送れる、そんなことを教わったような気がしました。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒287-0003 千葉県香取市イ1900−1 伊能忠敬旧宅
- アクセス
- JR成田線佐原駅より徒歩10分
- 営業時間
- 09:00~16:30
- 料金
- 記念館は500円、旧宅は無料
- 地図