鋸山
鋸山は切り立った岩肌が特徴で、かつては建築資材などとして盛んに採石が行われていたため、岩が露出した鋸のような山となりました。その見た目から鋸山と呼ばれていますが、正式名称は乾坤山(けんこんざん)と言います。展望台からの眺めは素晴らしく、遠くは富士山、伊豆大島から東京湾一体を見渡すことができます。
鋸山
鋸山は鋸南町と富津市の境に位置する山で標高は329メートルあります。室町時代から「房州石(ぼうしゅういし)」と呼ばれる石材の石切場として栄えていました。房州石は幕末から昭和にかけて京浜方面の港湾施設、東京湾の要塞などに利用され、靖国神社や早稲田大学の構内にも利用されています。昭和60年(1985年)には自然保護規制により採石を終え、石切場跡はそのままの状態で残され観光資源として利用されています。
鋸山はロープウェーが整備されており15分間隔で運行しています。料金は往復で950円で、およそ5分で山頂まで到達することができます。山頂までは採石により切り立った岩肌が大きく迫ります。麓は森林が発達しており、条件が良ければ猪が寝ている姿を見ることもできます。
ゴンドラで山頂まで進むことができます
石切り場だけあり切り立った岩場です
全長680メートルあるロープウェーを上がると山頂駅に到着します。山頂駅は3階建ての建物で売店やトイレなどがありテラスも用意されています。この山頂駅から階段を上ってすぐに鋸山山頂の標識があります。鋸山の標高は329メートルあります。
ロープウェー山頂駅の近くにあります
保田の海岸線が眺められます
山頂駅にあるテラスには展望台があり、展望台からは東京湾を一望でき、保田の海岸線も眺めることができます。条件が良ければ富士山を眺めることもでき、平成16年には国土交通省認定の「関東の富士見100景」にも選ばれています。
鋸山ロープウェー山頂駅
鋸山ロープウェー山頂駅の2階の一角に石切場にちなんで石切道具などの展示があります。房州石は軟らかくて火に強い特徴があり、日本の近代化のためのインフラ整備に使用されました。昭和時代に機械が導入されるまで簡素な道具で採石されていました。
だがねなどの道具が展示されます
房州石で作られたかまどです
日本寺
日本寺は聖武天皇の勅詔を受けて行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。鋸山の南側斜面10万坪余りを境内としており、豊かな自然の中を散策しながら大仏様(薬師瑠璃光如来)、百尺観音像、千五百羅漢石像群などをお参りすることができます。
日本一の磨崖仏があります
地獄のぞきまで階段の道が続いています
鋸山にある日本寺には「薬師瑠璃光如来」という総高31.5メートルの大仏があります。鎌倉の大仏の約2倍の大きさで、座像の石仏として日本一の大きさを誇ります。また、その数で世界一の羅漢像を誇る「千五百羅漢」や山の岩肌を削って6年かけて作られた巨大な「百尺観音」もあります。
昭和43年に完成した仏像です
鋸山のシンボルになる地獄のぞき
百尺観音は世界大戦犠牲者の供養と世界平和のため昭和35年(1960年)から6年余りの歳月をかけて昭和41年(1966年)に完成しました。高さ30メートルの切り立った房州石に浮き彫りにされた立像です。
鋸山の代名詞と言っても過言ではない地獄のぞきは、地獄を覗くような角度で現存しています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒299-1901 千葉県安房郡鋸南町元名
- アクセス
- JR内房線浜金谷駅下車より徒歩10分
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 料金
- 700円
- 地図