旧安田庭園

旧安田庭園は江戸時代に築造された大名庭園で隅田川から水を引いた汐入回遊式庭園として整備されました。明治維新後は旧備前岡山藩主池田章政の邸宅を経て安田財閥の祖である安田善次郎の所有となりました。安田善次郎が亡くなると東京市に寄附されています。清澄庭園に匹敵する明治時代の代表的な庭園であることから平成8年(1996年)に東京都の文化財に指定されました。
旧安田庭園
旧安田庭園は、5代将軍徳川綱吉の生母である桂昌院の実弟で常陸笠間藩主本庄因幡守宗資の下屋敷跡で元禄年間(1688〜1703)に築庭されたと伝えられます。大名庭園の特徴の一つである庭園中央の心字池は安政年間(1854~60)に隅田川の水を引く改修を行い潮の干満により変化する景色を楽しむことができる汐入回遊式庭園として整備されました。
江戸時代の大名庭園でした
珍しい潮汐の干満で変化する庭園でした
明治維新後は旧備前岡山藩主池田章政の邸宅となりますが、明治24年(1891年)に安田財閥の創始者である安田善次郎の所有となりました。安田善次郎が亡くなると遺志として大正11年(1922年)に東京市に寄附されました。翌年の大正12年(1923年)に発生した関東大震災で壊滅的な被害を受けましたが、残された地割れ石組みを基に復元され寄付者の名前を取り旧安田庭園と命名のうえ昭和2年(1927年)に都内で初めて一般公開されました。
隅田川氾濫時の巡回で馬を止めました
中屋敷の頃から使われる井戸が残されています
園内には寛政6年(1794年)に隅田川が氾濫したときに阿部忠秋が被害状況を確認して巡回していたときに駒止石に馬を留めて休んだとされる史跡が残されています。駒止石の隣にある駒止井戸やその向かいにある駒止稲荷神社の小さな祠も江戸時代から続く歴史を感じさせてくれます。
古くから鎮座する氏神です
水門は閉じられポンプで循環して汐入を再現しています
旧安田庭園は隅田川の水を引く珍しい汐入回遊式庭園でしたが昭和40年(1965年)頃に隅田川の水質汚染と洪水対策から水門は閉じられ昭和46年(1971年)に地下に水槽を作りポンプで循環させて人工的に干満を起こして汐入を再現しています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 東京都墨田区横網
- アクセス
- JR総武線両国駅から徒歩5分
- 営業時間
- 09:00~17:00
- 料金
- 無料
- 地図