まいぷら

何もかも忘れて、ぷらぷら旅に出かけよう。

哲学堂公園

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園

哲学堂公園は明治37年(1904年)に哲学者で東洋大学の創立者である井上円了博士により精神修養の場として創設されました。哲学世界を視覚的に表現し、哲学や社会教育の場として整備された全国に例を見ない個性的な公園で令和2年(2020年)に国の指定名勝となりました。

哲学堂公園の造営

哲学堂公園は、妙正寺川沿いの1万7千坪の敷地に哲学世界を視覚的に表現した公園で、哲学に由来する形や言葉を付したユニークな建築物、石造物、池や道などの77カ所に哲学にちなんだ名前が付けられています。こうして哲学の基本的な知識や概念を学びながら一巡りすることができます。

哲学堂公園は哲学者で東洋大学創立者である井上円了が明治32年(1899年)に土地を購入し四聖堂を建設したことに始まります。井上円了は日本の近代化には民衆の知性向上が必要と考え、明治39年(1906年)から精神修養を目的とする公園を造営しました。

昭和19年(1944年)に東京都に寄付されると、昭和21年(1946年)から戦後2番目に開設された都立公園として開園しました。昭和50年(1975年)には都が東洋大学から残りの土地を買収、東京都から中野区に移管され中野区立哲学堂公園となりました。

哲学堂公園の施設

哲学と仏教は井上円了の思想の基盤となりました。哲学堂公園の入口にあたる哲理門(妖怪門)は心の世界の不思議(幽霊)と物の世界の不思議(天狗)の像が置かれます。物質(物)と精神(心)がある中で、普通の道理では説明できない不思議を知ろうとすることが哲学の始まりとされます。

哲理門(妖怪門)

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の哲理門妖怪門天狗松と幽霊梅が安置されています

四聖堂哲学堂

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の四聖堂哲学堂哲学堂公園で最初に建造されました

哲学堂公園は四聖堂が建造されたことに始まります。四聖堂は明治36年(1903年)の専門学校令により哲学館が東洋大学の前身である私立哲学館大学として認可された記念として建てられ、世界の哲学者4人が祀られることから哲学堂とも称されました。

朱塗りで三層六角形の六賢堂は哲学堂公園のシンボル的な建物で東洋の六賢人として道教の荘子、朱子学の朱子、インド仏教を体系化した龍樹、バラモン教の数論哲学の迦比羅仙、仏教の普及に寄与した聖徳太子、中世の学識者・菅原道真が祀られています。

六賢台

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の六賢台東洋六賢人が祀られています

三學亭

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の三學亭神道、儒教、仏教の賢人が祀られます

三學亭は、三角錐の築山の頂上部分に三角錐の屋根を三本の柱で支える構造の建物です。神道、儒教、仏教の中から三人の碩学を祀った建物で、神道は平田篤胤、儒教は林羅山、仏教は釈凝然が選ばれます。また宇宙観は哲学上の講話や講習会を行う講義室として建てられました。内部中央部には聖徳太子立像が置かれ、八畳敷一室を世界の中の日本を表すものとして、哲学は社会や国家の原理をも考究する学問であり、世界で最も美しい国が日本としています。

宇宙館

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の宇宙館哲学は宇宙を示します

絶対城

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の絶対城かつては図書館でした

絶対城はかつて図書館で万巻の書を哲学界の万象と見立てて読み尽くせば絶対の妙境に到達できるという道理を示しています。1階が蔵書で2階が閲覧室になり屋上には読書後の休憩場所として観察境(観望台)が置かれていました。

妙正寺川沿いの公園

哲学を体現した建物群は丘の上にありますが、建造物群から妙正寺川沿いの間にも哲学をイメージしたモニュメントや施設があり、奥深い哲学の世界を感じながら散歩することができます。

筆塚

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の筆塚筆を模った塚です

演繹観

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の演繹観中野区の指定有形文化財に指定されています

キノコ型の傘を持つ演繹観は、前提になる事柄から結論を導き出す論理法を示すもので明治42年()から大正2年()の間に建てられた中野区指定有形文化財です。その麓には妙正寺川の水を使う施設が整備され哲学の基礎となる唯心論をテーマにした唯心庭と唯物園が対になる構成で造られています。唯心庭は留まる水を中心とし、唯物園は流れを基調とした空間です。

唯心庭の心字池

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の唯心庭の心字池心の働きを表現しています

唯物園

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学堂公園の唯物園目や耳で感じる物的世界を表現しています

唯心論は心の働きが大切な思想で唯心庭は心字池を中心に構成されています。一方、唯物論をテーマにした唯物園は、物の字の植え込み物字壇を中心に構成され、目や耳で感じる物的世界が表現されています。

哲学の庭

哲学堂公園の前面には哲学の庭があります。平成21年(2009年)に日本とハンガリー外交関係開設140年、国交回復50周年の記念事業の一環としてワグナー・ナンドールが手掛けた彫刻が展示されています。これらの像はナンドールの故郷ハンガリー首都ブダペストにも設置されており、偉人の彫刻が大きく3つの輪を作ります。

哲学の庭

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学の庭偉い人たちの像が並びます

第一の輪

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学の庭の第一の輪思想を作り上げた人物の像が並びます

第一の輪は中心点に集まる完全な輪で異なった文化を象徴する思想を作り世界の大きな宗教の祖となった人物たちが配置されています。道教の祖である老子、キリスト教を築いたキリスト、仏教の開祖釈迦、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典の民の始祖であるアブラハム、エジプトの王でアモン信仰からアトン崇拝したエクナトンです。

第二の輪は文化や時代は異なりますが同じように悟りの境地に達して実践して成果を得た人物たちが配置されています。禅宗の開祖とされる達磨大師、フランシスコ修道会の創始者である聖フランシス、インド独立の父であるガンジーが並びます。

第二の輪

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学の庭の第二の輪社会で実践した人物が並びます

第三の輪

東京都中野区の旅行で訪れた観光名所、哲学の庭の第三の輪現存する法律を作った人物が並びます

第三の輪は法の輪で異なる時代で法をつくり、現存する法律の主流を生んだ人物達が配置されています。仏教の興隆に尽力した聖徳太子、ローマ法の集大成を編纂したユスチニアヌス、ハムラビ法典を制定したハムラビが並びます。

まち旅(旅行、観光)の記録

まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。

まち旅(旅行、観光)の記録
住所
〒165-0024 東京都中野区松が丘1-34-28
アクセス
西武新宿線「新井薬師前駅」から徒歩12分
都営大江戸線「落合南長崎駅」から徒歩13分
営業時間
8時~18時(季節により前後します)
料金
無料
地図