小田原城

小田原城は北条氏の居城で、天正18年(1590年)の豊臣秀吉の小田原征伐の舞台となりました。土塁の城が多い関東地方において主要部のすべてに石垣を用いた総石垣造りの城としても有名です。現在は小田原城址公園として整備され、日本さくら名所100選にも選定されています。

小田原城の概要

小田原城の前身は、室町時代に西相模一帯を支配していた大森氏が現在の県立小田原高等学校付近の高台（八幡山）に築いた山城でした。城の規模や築城年は明らかになっていませんが、15世紀の中頃に造られたと考えられています。

15世紀末、伊勢盛時（後の北条早雲）が小田原に進出し、以後、北条氏５代が約100年にわたって関東での勢力を拡大していきました。小田原城は関東支配の中心拠点として整備拡張され、豊臣秀吉との合戦に備え、天正18年(1590年)までに城下を囲む総延長９キロメートルに及ぶ最大規模の総構になりました。

天正18年(1590年)に石垣山一夜城の築城をはじめとする秀吉の小田原攻めにより北条氏は滅亡し、戦国時代が終焉を迎えました。北条氏滅亡後、徳川家康に従い小田原攻めに参戦した大久保氏が城主となり、城は近世城郭の姿に改修されましたが、大久保氏が改易されると城は破却され、稲葉氏の入城の際に城は一新されて再整備されました。

貞享３年（1686年）に再び大久保氏が城主となり小田原城は東海道で箱根の関所を控えた関東地方の防御の要として幕末に至りました。

小田原城は、明治３年(1870年)に廃城となり、明治５年までに城内の多くの建物は解体されました。後に小田原・足柄県庁・神奈川県支庁の所在地となり、さらに明治34年には二の丸に御用邸が建てられました。しかし大正12年(1923年)の関東大震災により御用邸のほか石垣もほぼ全壊し江戸時代の姿は失われてしまいました。

昭和９年(1934年)に隅櫓が再建され、昭和35年(1960年)には廃城以来90年ぶりに天守閣が復興されました。続いて昭和46年(1971年)に常盤木門が、平成９年に銅門、平成21年には馬出門が完成しました。

小田原城は、昭和13年(1938年)に二の丸・三の丸の一部が昭和34年(1959年)に本丸と二の丸の残り全部が国の史跡に指定されました。

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