岐阜城
岐阜城はもとは稲葉山城と称していました。建仁元年(1201年)に二階堂行政により館が構えられ、その後、藤原朝光が入り次に朝光の次男、三男と入りますが、この三男の名を稲葉光資といい稲葉の城つまり「稲葉山城」と名付けられました。
正元元年(1259年)頃に廃城になりますが、応永7年(1400)年頃、美濃土岐氏の守護代、斎藤利永が城を整備し居城にしますが、加納城を新しく築城し廃城になりました。
戦国時代には、斎藤道三が稲葉山城を修築、美濃をその統治下に一大勢力を築きあげます。金華山山頂に位置し岩山の上にそびえる難攻不落の城としても知られ『美濃を制すものは天下を制す』と言われるほどでした。
戦国時代には小説「国盗り物語」の主人公である斎藤道三の居城であり、永禄10年(1567年)に織田信長がこの城を攻略し地名を「岐阜」に「稲葉山城」を「岐阜城」に改めたといわれています。
天正4年(1576年)に安土城を新しく築くと、岐阜城には長男である信忠が入ります。本能寺の変で信長が倒れると、三男神戸信孝が入りますが、秀吉との争いで開城し池田輝政、羽柴秀勝などが入ります。
文禄元年(1592年)には織田秀信が入城しますが、慶長5年(1600年)に関ヶ原の戦いで西軍につき落城、その翌年に岐阜城は廃城となりました。
現在の城は昭和31年(1956年)に岐阜城再建期成同盟によって復興されたものです。城内は史料展示室、楼上は展望台になっています。 また金華山一帯は平成23年(2011年)に「岐阜城跡」として国史跡に指定されています。
台所には居住区がありました
幾多の戦没者を慰霊するために建てられた
ロープウェー乗り場から坂を上って天守閣を目指します。木造の二ノ門をくぐると下台所跡になり少々広い区画になります。現在は閻魔堂がありますが当時は館があったようです。
金銘水と呼ばれる軍用井戸
天守閣の近くに安置されます
天守閣に向かう脇道に金銘水と呼ばれる井戸がありました。岩盤をくり抜いて雨水を貯めていて非常時に使用する軍用井戸でした。
その先に天守閣があります。天守閣の下にある三上部の石垣は不揃いの石垣になっています。信長時代の石垣であるとのことです。戦国時代は敵から攻められる可能性があるので急造りの石垣であるためだと思います。
戦国時代の不揃いの石垣
長良川と濃尾平野の眺め
岐阜城からは長良川と濃尾平野の広がりが眺められました。戦国時代も同じ景色が広がっていたと思います。岐阜城の麓は長良川の影響で豊沃な土地だと思います。
岐阜城の歴史
岐阜城の歴史を年表にまとめてみました。
- 建仁元年(1201年)
- 二階堂行政により館が構えらる
- 大永5年(1525年)
- 長井藤左衛門尉長弘・新左衛門尉が守護土岐氏、守護代斎藤氏を追放
- 天文4年(1535年)
- 長良川大洪水。道三と土岐次郎・朝倉氏・六角氏の間で合戦が始まる。このころ斎藤利政(道三)が稲葉山城に拠点をおく。
- 天文12年(1543年)
- 大桑城で合戦
- 天文13年(1544年)
- 土岐次郎・朝倉氏・織田氏が斎藤道三を攻めるが、井口の合戦で敗退する
- 天文21年(1552年)
- このころ斎藤道三が土岐頼芸を追放
- 天文22年(1553年)
- 斎藤道三、織田信長と富田・聖徳寺で会見する
- 天文23年(1554年)
- 斎藤道三、家督を利尚(義龍)に譲る
- 弘治2年(1556年)
- 斎藤義龍に攻められ、斎藤道三敗死(長良川の合戦)
- 永禄4年(1561年)
- 斎藤義龍病死。子の龍興が跡を継ぐ
- 永禄7年(1564年)
- 斎藤龍興、竹中半兵衛らに稲葉山城を占拠され、退城
- 永禄10年(1567年)
- 織田信長、稲葉山城を攻略し、本拠を小牧から井口へ移す。井口を岐阜と改名する。
- 永禄12年(1569年)
- ルイス・フロイス、岐阜来訪
- 天正4年(1576年)
- 織田信長、安土城へ移り、嫡男織田信忠が跡を継ぐ
- 天正10年(1582年)
- 本能寺の変(織田信長・信忠自刃)。織田信孝(信長三男)入城
- 天正11年(1583年)
- 池田元助入城
- 天正13年(1585年)
- 池田輝政入城
- 天正19年(1591年)
- 豊臣秀勝入城
- 文禄元年(1592年)
- 織田秀信(信長嫡孫、信忠の子)入城
- 慶長5年(1600年)
- 関ヶ原の合戦の前哨戦で落城。以後廃城となる。岐阜町及び金華山は尾張藩領として幕末に至る
- 明治43年(1910年)
- 復興天守建造
- 昭和18年(1943年)
- 復興天守焼失
- 昭和31年(1956年)
- 復興天守再建
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒500-0000 岐阜県岐阜市18
- アクセス
- JR岐阜駅からバス「岐阜公園・歴史博物館前」下車、徒歩5分
- 営業時間
- 09:30~16:30
- 料金
- 200円(ロープウェー往復1,100円)