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旧遠江国報徳社公会堂

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、旧遠江国報徳社公会堂

江戸時代末期から明治時代にかけて報徳運動と呼ばれる、二宮尊徳が提唱する道徳と経済の調和を説き、困窮する農民の救済を図る「報徳の教え」が全国的に広まり、安居院義道庄七により遠州地方にももたらされました。

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、二宮尊徳像

二宮尊徳

二宮尊徳(にのみや そんとく)

二宮尊徳(1787年~1856年)は江戸時代後期に報徳思想を唱え農村復興政策を指導した農政家です。幼名の金治郎で表記されることも多いです。

二宮尊徳は相模国栢山村の農家出身で、度重なる災難や父母の早世などで傾いた家を卓越した才能で建て直すことに成功します。

その優れた発想と実践力が小田原藩主・大久保忠真から見込まれ、藩主の身内である旗本の野州(栃木県)桜町領の財政再建行うほか、六百以上の農村の財政再建・農村復興などを行いました。

二宮尊徳の指導を受けた掛川市出身の岡田佐平治・良一郎親子は、掛川藩内で農村復興の活動を行い、明治8年(1875年)に遠江国報徳社を創設するに至ります。岡田良一郎は資産金貸付所を明治7(1874年)に創設し、これが日本で最古の信用金庫です。

尊徳高弟の岡田良一郎の指導活動が盛んだった掛川は、やがて全国の報徳運動の中心となり、「大日本報徳社」が開設されました。明治36年に建てられた大講堂は国の重要文化財に指定される我が国屈指の大規模近代和風建築です。

報徳の教え

報徳の思想を形成する四つの柱は、「至誠」「勤労」「分度」「推譲」という言葉で表されています。

報徳の教え「四つの柱」

報徳の思想を形成する四つの柱は「至誠」「勤労」「分度」「推譲」という言葉で表され、概要は以下のとおりです。

至誠
「まごころをもって事に当たる」こと。人に対して才知や弁舌は有効かも知れないが、鳥獣や草木を説く事は出来ない。
勤労
大きな目標に向かって行動を起こすにしても、小さなことから怠らず、つつましく勤めなければならない。
分度
適量・適度のこと。分度をしっかり定めないから困窮し暮らし向きも楽にならない。
推譲
肉親・知己・郷土・国のため、あらゆる方面において譲る心を持つべきである。

旧遠江国報徳社関連施設

正門は明治42年(1909年)に建立された静岡県指定文化財です。門柱の右には「道徳門」左には「経済門」の文字が刻まれ、鉄製アーチによって二つの門柱が繋がります。「道徳のない経済は悪であり、経済のない道徳は戯言である」を意味しており、道徳と経済の調和した社会づくりを目指す報徳の教えの象徴になります。

正門をくぐり正面にある大講堂は、明治36年(1903年)に報徳運動の拠点として建てられた和洋折衷の近代和風建築建物です。日本で2番目に建築され現存する公会堂では最古の木造公会堂で、平成21年に国の重要文化財に指定されました。

2階建てで1階は81畳の大広間です。2階は吹き抜けになり周囲にギャラリーが巡り、半円形の窓枠など洋風仕立てになります。

旧遠江国報徳社正門

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、旧遠江国報徳社正門道徳と経済の調和を象徴しています

大講堂

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、旧遠江国報徳社大講堂現存する最古の木造公会堂です

仰徳記念館は、明治17年(1884)に東京霞ヶ関に有栖川宮熾仁親王邸日本館の御座所として建築された工部省設計の宮廷建築建物です。後に霞ヶ関離宮、東宮仮御所として、また帝室林野局仮庁舎として使用されましたが、昭和13年(1938年)に宮内省から下賜され移築されました。

また、仰徳記念館の移築に併せ、旧有栖川宮熾仁親王邸侍女部屋として使われていた仰徳学寮も移築されました。小講堂と食堂、2階を宿舎として使用されましたが、現在は大日本報徳社の事務所や会議室として活用しています。

どちらの建造物も現存する宮家の数少ない建造物として、静岡県の文化財に指定されています。

仰徳記念館

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、仰徳記念館(旧有栖川宮熾仁親王邸御座所)有栖川宮熾仁親王邸御座所として使われていました

仰徳学寮

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、仰徳学寮(旧有栖川宮熾仁親王邸侍女部屋有栖川宮熾仁親王邸侍女部屋として使われていました

冀北学舎は、明治10年(1877年)から17年間、岡田良一郎が掛川市倉真の自邸に開いた私塾建物で静岡県の文化財に指定されています。私塾としての役目を終えると明治32年(1899年)に現在地に移築して事務所として使われています。

淡山翁記念報徳図書館は、大日本報徳社2代社長の岡田良一郎(淡山)の功績を讃え、遺徳を伝えるために昭和2年(1927年)に建てられた鉄筋コンクリート造りの図書館です。報徳の教えを伝える重要な図書や資料が保管されています。

冀北学舎

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、冀北学舎(旧遠江国報徳社第三館掛川事務所)有栖川宮熾仁親王邸御座所として使われていました

淡山翁記念報徳図書館

静岡県掛川市の旅行で訪れた観光名所、淡山翁記念報徳図書館有栖川宮熾仁親王邸侍女部屋として使われていました

まち旅(旅行、観光)の記録

まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。

まち旅(旅行、観光)の記録
住所
〒436-0079 静岡県掛川市掛川1176
アクセス
JR掛川駅から徒歩約10分
営業時間
9:00~16:00
料金
300円

地図