浄蓮の滝
天城山の麓にある浄蓮の滝は高さ25メートル、幅7メートルの伊豆半島を代表する滝で、かつて近くにあった浄蓮寺から名付けられました。2百段ある階段を下ったところにありますが、現在は展望台ができていて階段を降りなくても眺めることができます。
浄蓮の滝は、伊豆東部火山群の火口の一つである鉢窪山と丸山を作ったおよそ1万7千年前の噴火で流れ出た溶岩流の端に当たる崖を流れ落ちる滝です。このため滝の横には溶岩が急速に冷えて固まった柱状の岩である柱状節理が見られます。また滝の玄武岩には天然記念物のハイコモチシダ(ジョウレンシダ)が群生しています。
浄蓮の滝は原生林に囲まれた鬱蒼とした森の中にあり、昔から浄蓮の滝には女郎蜘蛛が主として住んでいると言われ来ました。
古来より、原生林が鬱蒼と茂る浄蓮の滝の周囲では、木を切ってはいけないと言い伝えられてきました。
ある日、それを知らない木こりが浄蓮の滝の周辺で木を切ったとき、斧を滝つぼに落としてしまいました。その時に綺麗な女性が現れて「私は浄蓮の滝の女郎蜘蛛です。ここで木を切ってはなりません。斧は返しますが、ここであったことを他人に喋ってはいけません。」と告げられます。
木こりは言い伝えを守り喋ることはありませんでしたが、ある日の酒の席で女郎蜘蛛の話をしてしまいました。言い伝えを破った木こりは浄蓮の滝で命を落としてしまいました。
浄蓮の滝の水が流れる渓流沿いには天城名物のわさび田が続いており、わさび栽培風景を間近で見ることができます。安永3年(1774年)、しいたけ師である板垣勘四郎が安部郡有東木村(静岡市)から持ち帰ったわさびの苗を清水の湧く場所に植え、苦心して繁殖させることに成功し天城わさびの栽培が始りました。
わさび栽培には綺麗で適温な水が必要であり、水温が8度から15度に保たれた綺麗な水が豊富な天城はわさび栽培に適していました。現在は日本を代表するわさびの名産地となりました。
滝の下からの湧水を利用しています
伊豆半島最大規模の滝です
石川さゆりさんの大ヒット曲「天城越え」にも歌われる浄蓮の滝は、(2018年)伊豆半島ジオパークのジオサイトに選ばれ日本の滝百選にも数えられています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒410-3206 静岡県伊豆市湯ケ島892−14
- アクセス
- 伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバスで「浄蓮の滝」バス停下車
- 営業時間
- 特になし
- 料金
- 無料