伊賀流忍者博物館
三重県伊賀市にある伊賀流忍者博物館は、忍者が使用した手裏剣や浮き雲(足に付け沼地を歩行する道具)などの道具や忍者が知識として身につけていた薬草に関する知識など、伊賀忍者に関する資料が展示されています。また、忍者の実演ショーが行われます。
伊賀流忍者屋敷
伊賀流忍者屋敷は、伊賀市の山奥にある屋敷を昭和39年(1964年)に移築したものです。入口は小さくて大勢が入れない造りになっています。内部は普通の和室ですが様々な仕掛けが施されています。忍者屋敷は戦う場ではなく有事の際に逃げることができるように忍者屋敷であることが分からないように造られています。
屋敷には様々な仕掛けがあります。これらをスタッフの方が実演しながら説明をしてくれます。例えば隠し扉がありますが、簡単に回転する扉で人が侵入してきたとき、速やかに扉の中に隠れることができました。
簡単に回転する扉です
秘伝のものは軒下に隠していました
隠し扉は体を潜めるだけではすぐに発見されるため、内部の壁に木片が打ち付けられ梯子のようになっています。この梯子を上り天井裏へと逃げることができ、部屋の欄間から誰が来たのか確認することもできました。
また、和室の棚のような造りも実は階段になっていて、棚を外すだけで階段に早変わりする仕組みもあります。このような仕組みが無数にあり、有事の際は様々な仕掛けを使うことで速やかに逃げることができました。
また、盗賊などは家の中を物色して盗みを働く心理を逆手にとり、大切な秘伝書や記録などは軒下の隠し倉庫にしまっていました。また、居間の木の床にも隠し倉庫(刀隠し)があり、敵に襲われたときにすぐに刀を取り出していたようです。
刀が隠されていました
泥池などを歩くときに使われました
忍者は普段は山奥でひっそりと農業を行って生活していました。そのため忍具は農具である鎌などを武器として使いました。忍者は特別な道具を開発していた訳ではなく、農具を工夫して使い、自然に自生する植物などの特性を巧みに使用して活動していたようです。忍者博物館では400点以上の忍具が展示されています。
忍者ひろば(忍者ショー)
入館料とは別料金になりますが忍者の実演ショーがあります。映画「ラストサムライ」にも出演したスタッフが実演と解説をしてくれます。忍者ショーは忍者の芝居ではなく、忍者が実際に持っていた道具を使い、忍者の技術を実演しています。
実戦さながらの演技は迫力がありますが、忍者が使う道具などを分かりやすく解説されていて為になります。忍者が携行する道具も一つの道具で複数の用途に使えるように知恵が詰まっています。例えば「苦無(くない)」と呼ばれる武器はサバイバルナイフに近いもので、武器としてだけではなく錠前を開けたり地面に穴を掘るなどの用途に使いました。
忍者の武器を使った実演です
簡単に人の首の強度の藁が切られます
忍者が使っていた刀は忍者刀と呼ばれ、太くて反りがない刀でした。一般的には切るのではなく、刺すために作られたようです。24時間水に浸した藁は人の首と同じくらいの強度になります。この藁を日本刀で切っていましたが、簡単に切れるところは日本刀の凄いところです。
実演とは別に手裏剣を実際に投げる手裏剣投げ体験ができます。手裏剣6枚を300円で投げることができ貴重な体験となります。手にする手裏剣は本物と同じ鉄の手裏剣で、手で持つとずしりと重くて実感が湧きます。
忍具を使った迫真の演技です
手裏剣は全然当たりませんでした
よくマンガなどで手のひらで手裏剣を擦り投げますが、そのような使い方は絶対にできません。実際は最後の切り札として使われる武器で、1枚あるいは複数枚を敵に投げつけていました。殺傷力を高めるために刃先にはトリカブトを塗っていたそうです。人を殺すことができる道具は、ずしりとした重みがあります。
旅の記録
- 住所
- 三重県伊賀市上野丸之内
- アクセス
- 伊賀鉄道上野市駅から徒歩7分
- 営業時間
- 10:00~16:00(土日祝は16:30まで、12月29日~1月1日は休館)
- 料金
- 入館料:800円(手裏剣打ち体験:6枚300円)