岩瀬町北前船廻船問屋群
江戸時代から明治時代にかけ、岩瀬では多くの商人が北前船交易で財を成しました。そのうち森家と馬場家が当時の家屋を一般公開しています。
北前船とは、江戸中期から明治30年代にかけて大阪から北海道まで大量の荷物を積んで日本海を往来した帆船です。各地の寄港地で積み荷を売買し、成功すれば莫大な利益を上げたといいます。
北前船問屋のほか、古い町並みがあります。
大阪から北海道まで日本海側を往来していました。
「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」として日本遺産に認定されました。令和4年10月現在で16道府県全49自治体が登録されています。
- 北海道
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- 鰺ヶ沢町、深浦町、野辺地町
- 秋田県
- 秋田市、にかほ市、男鹿市、能代市、由利本荘市
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- 酒田市、鶴岡市
- 新潟県
- 新潟市、長岡市、佐渡市、上越市、出雲崎町
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- 石川県
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- 敦賀市、南越前町、坂井市、小浜市
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- 大阪府
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- 鳥取市
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- 岡山県
- 倉敷市、備前市
- 広島県
- 尾道市、呉市、竹原市
- 香川県
- 多度津市
森家の住宅
明治11年(1878年)に建築された旧森家住宅は代表的な北前船主・廻船問屋の家です。平成6年に国の重要文化財に指定されました。
家屋の造りはとても贅沢で豪華です。全国各地から取り寄せた材料を使い、屋久杉の板戸、能登産黒松のはり、工夫を凝らした美しい畳の並べ方や隠し金庫、主屋であるオイ(広間)の間の吹抜けの木組みや土蔵のこて絵など、当時の繁栄の面影を残しています。
森家の居間には囲炉裏があります。
広い居間が広がります。
馬場家の住宅
馬場家は、江戸後期から活躍した北前船主・廻船問屋の家で、明治前期に七代目九兵衛が建てたとされています。馬場家は「岩瀬五大家」の筆頭に挙げられ、北陸の「五大北前船主」のひとつにも数えられています。
広間の畳は波をイメージした模様になっています。
たくさんの金庫が展示されています。
馬場家の住宅は明治6年の東岩瀬の大火の後、以前の部材を用いて建てられたといわれます。東岩瀬町の中でも最大規模の住宅で33畳のオイ(広間)のほか、長さ30メートルのトオリニワ(屋内通路)など見どころも多いです。
馬場家の住宅は、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財となりました。
30メートルある屋内通路があります。
馬場はる氏は富山大学設立のため巨額の寄付。
馬場家9代当主道久の妻はるは、大正期からは当主を亡くした馬場はるが家を切り盛りし旧制富山高等学校(現在の富山大学)設立のために巨額の寄附をしたことでも知られています。
富山港展望台
岩瀬の町並みのそばに富山港展望台があります。地上から24.85mの展望台で、北前船の時代には燈台の役目を果たしていたと言われる琴平神社に建てられた「常夜燈」をモチーフにしています。
料金は無料で、約100段のらせん階段を登ると富山港や岩瀬の町並みはもちろん、天候に恵まれれば立山連峰や能登半島まで見渡すことができます。
富山港展望台は常夜燈がモチーフです。
伏木富山港が見えます。ここを北前船が通航していました。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒931-8358 富山県富山市東岩瀬町
- アクセス
- 富山地方鉄道富山港線「東岩瀬駅」から徒歩10分
- 営業時間
- 09:00~17:00
- 料金
- 森家・馬場家とも100円、両家共通券は180円