湯の峰温泉

湯の峰温泉は四世紀ごろに熊野の国造、大阿刀足尼(おおあとのすくね)によって発見され、後に歴代上皇の熊野御幸によってその名が広く知られる様になりました。秘湯と言って過言ではない、世界遺産に認定され唯一入浴ができる温泉です。
- 開湯
- 1800年前
- 泉質
- 含硫黄炭酸水素塩泉(ナトリウム)
- 効能
- リウマチ性疾患、神経痛、皮膚病、糖尿病など
公衆浴場の隣にある東光寺は後鳥羽上皇勅願所で仏教伝来以前の仁徳天皇の御代(313~399)にインドから熊野に漂着した裸形上人(らぎょうしょうにん)の開基とも伝えられています。現在は天台宗の寺院ですが、室町時代ころには温泉とともに時宗の念仏聖の管理下にあったと云われます。
湯の峰温泉には、時宗の開祖一遍上人が岩に「南無阿弥陀仏」の六字の名号を爪書きしたと伝えられる磨崖名号碑(伝一遍上人名号碑)があります。遊行僧であった一遍上人も湯の峰温泉に浸かったのかもしれません。
それほど大きくない秘湯です。
世界遺産の温泉です。
湯の峰温泉は、四村川の支流・湯の谷川を挟んで旅館や民宿が並ぶ、こじんまりとした温泉街ですが、日本最古の湯として古の人々は熊野詣の旅の途中に湯の峰で湯垢離を行い聖地での禊ぎと旅の疲れを癒しました。
日によって七回も湯の色が変化するといわれている天然温泉の岩風呂「つぼ湯」は参詣道の一部として「紀伊山地の霊場と参詣道」として平成16年(2004年)にユネスコの世界遺産に登録されました。このつぼ湯は、小栗判官照手姫物語で餓鬼病となった小栗判官がつぼ湯に浸かり、死の淵から息を吹き返したという有名な伝説があります。
温泉水で茹でることができます。
売店で卵(塩付き)が売られています。
公衆浴場前の川沿いには「湯筒」という熱湯の源泉の自噴口があり、温泉の蒸気を利用して温泉卵やふかしイモを作ることが出来ます。湧出する温泉は90℃を超える高温で卵のみならず野菜を蒸かすのにも最適だと思います。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒645-0525 和歌山県田辺市龍神村龍神
- アクセス
- JR紀伊田辺駅又は新宮駅からバスで1時間30分、下湯の峰又は湯峰温泉バス停下車
- 営業時間
- 06:00~21:00
- 料金
- つぼ湯:800円、公衆浴場:400円