耶馬渓
耶馬渓は大分県中津市の山国川流域に広がる渓谷で、本耶馬溪、深耶馬溪、奥耶馬溪、裏耶馬溪の4つのエリアからなります。奇岩と森が織りなす渓谷の豊かな自然が楽しめる景勝地で、国指定の名勝に指定されるほか、日本三大奇景や日本三大紅葉の一つに数えられています。
耶馬溪の景観は、新生代第四紀の火山活動によりできたものだと言われています。凝灰岩や凝灰角礫岩、溶岩といった岩から成る台地は、風雨の侵食により奇岩の連なった形になり、耶馬溪の景観が生まれました。
耶馬溪の名が付けられたのは文政元年(1818年)の頃です。漢詩人で思想家だった頼山陽がきっかけと言われています。当時「山国谷」という名前が付いていた地域一帯に、頼山陽が中国風の文字をあてて「耶馬渓天下無」と漢詩に詠んだことで現在の名前になったと言われます。
耶馬渓と青の洞窟
耶馬渓には青の洞門と呼ばれるトンネルがあります。諸国巡礼をしていた禅海和尚が険しい道で人馬が命を落とす危険な道に心痛めて、享保20年(1735年)から自力で岩壁を掘り始めトンネルです。およそ30年かけて明和元年(1764年)に全長342メートル(うちトンネル部分は144メートル)の洞門を完成させました。
青の洞窟を作った人物です
青の洞窟を示す石碑です
禅海和尚はミノ一つで岩壁を掘り進み道を作りました。地下トンネルはノミの跡が明瞭で、ノミで刻んだ跡がギザギザになっています。この青の洞窟と呼ばれるトンネルにより安全に通行することができるようになり、国内初の有料道路になりました。
ギザギザに刻まれているのはノミの跡です
耶馬渓の険峻な山々が今も残ります
神奈川県の寒霞渓や群馬県の妙義山を含み、耶馬溪は日本三大奇景や日本三大奇勝の1つになっています。林春斎が決めた日本新三景にも100年以上前から登録されています。
また秋になると紅葉が美しく、京都の嵐山、栃木の日光と並び日本三大紅葉の名所として知られています。
- 住所
- 大分県中津市耶馬溪町
- アクセス
- バス:JR中津駅→深耶馬溪1時間33分
車:玖珠ICから20分 - 営業時間
- なし
- 料金
- 無料