宮城県の料理

宮城県は仙台平野が広がる肥沃な土地で、かつ、親潮が流れ込む豊かな海があります。このため、漁業生産量は全国4位、米の生産量は全国5位を誇り、仙台牛などの畜産のほかイチゴやトマトなどの園芸も盛んです。
宮城県の郷土料理

おくずかけ
お盆の時期に食べる精進料理で、野菜、豆腐や油揚げ、豆麩をしいたけのもどし汁で煮込み、白石温麺を加えてくず粉でとろみをつけています。

仙台雑煮
大きな焼きハゼとハラコに仙台せりを使う雑煮です。松島湾で大量に獲れたハゼ、阿武隈川に遡上したサケからとれたハラコが使われました。

はらこ飯
仙台にある旬魚・鮨の店あら浜で食べました。荒浜の運河工事を視察した伊達政宗が領民から献上された料理として有名です。

ずんだ餅
団子バージョンのずんだ餅です。ずんだはつくるのに手間がかかるため、かつては子どもたちがさやから豆を取り出す作業をしていたそうです。

はっと汁
小麦粉を水でよく練り、指で薄く伸ばして茹でたものを野菜とともに煮た汁物です。厳しい年貢で苦しむ農民が米の代用品として食べました。

ナメタガレイの煮つけ
カレイの中で大きなナタメガレイを煮つけにした料理です。冬に黄色い卵が増えることから子孫繁栄と商売繁盛の縁起をかついで食べられました。

ふすべ餅
焼いたドジョウを刻んで粉状にして、すりおろしたゴボウと大根を混ぜて油で炒め、醤油と唐辛子を加えてピリ辛に仕上げたものを餅と絡めた料理です。

ホヤの酢の物
ホヤは海のパイナップルとも呼ばれ、三陸沿岸部で養殖されています。ホヤは刺身や酢の物などのほか、天ぷらなどでも食べられています。

エビ餅
宮城県は餅料理が豊かで50種類以上あると言われます。沼エビを餅と絡めたエビ餅は、紅白の見た目が美しく正月のご馳走として振る舞われます。

笹かまぼこの磯部揚げ
宮城県は豊かな漁場が多く、ヒラメやスズキ、タイなどの魚が大量に漁獲されます。輸送方法が発達していない時代の保存方法として焼きかまぼこが生まれました。

どんこ汁
ドンコとはエゾイソアイナメのことで、秋から冬にかけて旬を迎えます。主に石巻港や気仙沼港で水揚げされ、味噌汁として食べられることもあります。

みょうがの葉焼き
小麦粉やもち米粉と砂糖や味噌を練り、ミョウガの葉に包んで焼いた菓子です。みょうがの葉の香りが移り、風味豊かなおやつとなります。

あざら
白菜の古漬けをメヌケのアラを煮込んだ料理です。気仙沼では魚がよく獲れ、メヌケは冬になると脂がのり旬を迎え庶民の味として食べられました。

油麩丼
仙台の郷土料理みやぎ乃で食べた油麩の卵とじ丼です。かつ丼のかつの代わりに油麩を使用するもので、B1グランプリにも参加しています。

いちじくの甘露煮
いちじくをグラニュー糖とレモン果汁で煮含めています。いちじくは不老不死の果物と呼ばれるほど栄養価が高いのが特徴です。

いわなの塩焼き
下処理したイワナを串刺しにして塩焼きにした料理です。宮城県固有の原種イワナを使う伊達イワナが開発され、栗原市はイワナ養殖発祥の地となりました。

柿なます
大根と人参に干し柿をいれたなますです。宮城県では南部の丸森町や白石市を中心に、秋から冬にかけて上質の干し柿がつくられています。

がんづき
小麦粉に砂糖や卵と重曹を加えて蒸した菓子です。日常の気取らないおやつや軽食のほか、農作業の合間には小腹を満たすために食されてきました。

きしゃず炒り
きらずとはおからのことで、おからに刻んだ野菜を入れて炒めた料理です。きらずの食物繊維は水に溶けないタイプで便秘解消や大腸がん予防に効果があると言われます。

呉汁
すり潰した大豆を味噌汁に入れた料理です。宮城県は大豆の栽培面積が北海道に次ぐ全国2位で、味噌や納豆、豆腐などに加工されてきました。

サンマのきがき
サンマを野菜とカツオの漬け汁で煮た料理です。気仙沼の本吉地方は大量にカツオが水揚げされ、カツオの漬け汁をきがきと呼びました。

サンマのすり身汁
さんまのすり身を団子にして入れた汁物です。サンマは金華山沖を代表する魚で、古くから秋の味覚として親しまれてきました。

しそ巻き
仙台味噌に砂糖、くるみを混ぜて青しそで包んで揚げたもので、おかずだけでなく、お茶うけや子どものおやつなどとして広まりました。

仙台白菜の漬物
大正時代に誕生した松島白菜は肉厚で柔らかく仙台白菜として各地に出荷され、宮城県は日本を代表する白菜の産地となりました。

たけのこご飯
たけのこの炊き込みご飯です。丸森町や名取市はタケノコの産地で、煮しめ、味噌和えや味噌汁として食べられます。

なす炒り
なすと油麩を炒めて醤油で味付けた料理です。宮城県のナスは伊達家家臣の一人が博多から持参したもので、東北の気候に馴染んで独特の形になりました。

ばっけ味噌
バッケとはふきのとうのことで、春の味覚として知られます。ふきのとう特有のほろ苦さと爽やかな香りがあるバッケ味噌はご飯とも相性が良いです。

へそ大根のにしめ
寒暖差を利用して自然乾燥させたへそ大根でつくる煮物です。冬の寒風にさらした保存食で、十分に干した大根は翌年の夏まで保存できました。

ほっきめし
ホッキ貝を醤油タレで煮込んだ汁で炊いた炊き込みご飯です。北寄貝は貝の王様と呼ばれる大型の二枚貝で、ビタミンB12やタウリンが豊富です。
宮城県の料理

牡蠣フライ
松島は日本三景の一つとして知られる景勝地であると同時に良質な牡蠣の産地としても全国的に有名で、濃厚な旨味とふっくらとした身が特徴です。

あなごわっぱ飯
三陸特産のアナゴをご飯と一緒に蒸し器で温めて提供する郷土料理です。穴子は甘辛いタレで香ばしく焼き上げられ、わっぱの器から木の香りが立つのが特徴です。

海鮮焼き
松島湾は古くから海産物が豊富で、浜焼きを提供する店があります。味が濃厚で美味しいと評判の牡蠣を蒸し焼きで食べるのが特に人気があります。

牛タン焼き
戦後の食糧難の時代に味太助の初代店主・佐野啓四郎があまり食べられていない牛タンを有効活用するために考案し、仙台を代表する食文化となりました。

いかゴロ土手焼
新鮮なイカと内蔵のゴロを仙台味噌仕立てのタレで煮込んだ料理です。新鮮なゴロは加熱するとカニ味噌のような濃厚でクリーミーな風味とコクが生まれます。

三角定義あぶらあげ焼
宮城県定義山の名物の油揚げです。通常の油揚げよりもはるかに大きく、厚みがあるのが特徴の三角形をした油揚げです。

さばの味噌煮
宮城県は全国有数のサバの水揚げ量を誇る港町を複数抱えており、新鮮で良質なサバが手に入ることから古くから親しまれてきました。

げんこつ焼
タラコなどを入れた大きな焼きおにぎりで、歯ごたえが良いため噛むほどにもち米の風味と醤油のコクが広がり、お茶請けやおつまみとして人気です。
宮城県の地ビール等

仙臺六拾弐萬石ビール
名取市の宮城マイクロブルワリー ゆりあげ麦酒醸造所が製造するラガービールです。本場チェコの技術を取り入れた本格的な味わいが特徴です。

おくのほそ道 みやぎ路
宮城マイクロブルワリーの地ビールで、一般的な地ビールのほかブドウやリンゴを使うビールもあります。ぶどう果汁をふんだんに使用したぶどうエールです。