秋田県の料理

秋田県は奥羽山脈により稲の成長に適した高温で乾いた風が吹き、米代川、雄物川、子吉川の三大河川が豊かな水を供給します。日本有数の米どころであり野菜も栽培されます。また、食糧を保存しておくための知恵として米麹を用いた料理が発達しました。
秋田県の郷土料理

いぶりがっこ
秋田県で代表的な燻製干しのたくあん漬けです。天日干し大根が十分乾燥しないまま氷点下になる雪深い環境のため、家の囲炉裏の上で大根を干していたことに始まります。

ハタハタ寿し
ハタハタは秋田音頭にも唄われるほど県民生活に根付いている魚で、米飯と麹を使いハタハタ寿しとして食べられています。

笹巻き
もち米を笹の葉で巻いて蒸し上げた菓子です。クマザサは古くから民間薬として利用され、万病に効くとして重宝されてきました。

だまこ鍋
鶏ガラベースの汁に鶏肉や野菜にご飯を潰して団子にしたものを入れた鍋です。だまことは、炊きたてのご飯をすり潰して手で丸めたものを言います。

納豆汁
丁寧にすり潰した納豆を混ぜた県南地域に伝わる味噌汁です。横手市は納豆発祥の地のひとつで、後三年の役の兵糧として作られたとされます。

きりたんぽ鍋
鶏ガラの出汁に炊いたご飯をすり潰したものと野菜を入れた鍋料理です。串に刺し焼いたご飯をたんぽと呼び、たんぽを適当な長さに切り入れています。

いものこ汁
里芋を用いて作られる汁料理です。里芋の親芋につく子芋や孫芋をいものこと呼び、鶏肉、きのこや山菜などの秋の味覚とともに鍋で煮てつくられます。

柿漬け
大根と渋柿を塩と砂糖で漬けた漬物です。仙北市角館町の各家庭の庭で栽培している雲然柿と呼ばれる渋柿を使用して作られます。

なた漬け
大根をなたで切り、甘酒に漬けた漬物です。生大根を刃の厚い枝打ち用のなたで乱切りにすることから、なた漬けと呼ばれています。

てんこ小豆の赤飯
秋田県で親しまれているてんこ小豆(黒ささげ)を使う赤飯です。赤飯は赤が邪気を払うため、めでたい日に食べられるようになりました。

卵寒天
寒天液に溶き卵と砂糖を混ぜてかためた料理です。寒天は乾物として長期保存がきくため、冬が長い秋田では保存食として重宝されました。

豆腐カステラ
豆腐を搾り水分を抜いた状態で砂糖や卵などを混ぜて焼いた菓子です。日本海交易で大阪や北陸から伝わる南蛮菓子を模して作られました。

あさづけ
米を煮て野菜や果物を砂糖と酢で味付けした料理です。季節の野菜や果物と米を使う甘酸っぱいデザートのような位置づけとして食されます。

鱈の子炒り
真鱈の卵を糸こんにゃく、ネギと共に炒りつけた料理です。秋田県ではスケトウダラではなく、真鱈の卵のことをタラコと呼んでいます。

かまぶく
茹でて潰したジャガイモに餅粉と砂糖を加えてカマボコ状に成型した菓子です。かまぼこに見立てて、お祝い事や祭りで食べられてきました。

じゅんさい鍋
鶏肉やごぼうなどの具材にじゅんさいを入れた鍋料理です。じゅんさいは淡水の沼や池に生育するスイレンの一種で、茎から出てくるゼリー状の新芽を食べます。

鱈汁
鱈とネギを味噌ベースの汁で煮た鍋料理です。タラは1~2月に最盛期を迎え、身だけではなくアラや肝、白子など全てを入れて食べる冬の味覚です。

とんぶりの長芋和え
千切りにした長芋にとんぶりを和えた料理です。とんぶりはコキア(ホウキギ)の実の外皮を剥いて乾燥させたもので、畑のキャビアとして知られています。

なすの花ずし
漬けたなすに餅米、菊の花、南蛮を重ねた漬物で、ご飯が使われるため寿司と呼ばれます。横手市は丸みを帯びた新処なすの栽培が盛んでよく使われます。

鯉の甘煮
血抜きした鯉を輪切りにして甘辛く煮付けた料理です。鯉は昔から貴重なタンパク源として重宝されており、秋田の清水で育つ鯉は泥臭さが少なく親しまれています。

おやき
餅米の皮で餡子を包んで焼いた伝統菓子です。おやきは野沢菜などが入る信州のものが有名ですが、秋田のおやきはあんこが詰められています。

かすべ煮
エイの干物を甘辛く煮た料理で、やわらかく煮込んだ身とコリコリとした軟骨が特徴です。冷めてもおいしく暑い時期でも傷みにくい夏のごちそうでした。

しょっつる鍋
魚醤・塩魚汁を出汁にハタハタを入れた鍋料理です。ハタハタは秋田沖が日本で最も獲れる漁場でもあることから、秋田の冬のなじみの鍋となりました。

とろろまんま
すりおろした山芋に濃いめの味噌汁を入れてのばした料理です。大館市では稲作と作業競合しない山芋の栽培が盛んに行われました。

きゃのっこ汁/けの汁
細かく刻んだ野菜や山菜、金時豆などを出汁と味噌で味つけた汁料理で、年末年始のさまざまな行事を終えてから無病息災を願い食べられました。

干し餅
ついた餅を切って吊るし編みにして、多量の水分を含ませて寒さらしにして作られる米菓子で、寒冷地の農村で昔から作られてきた伝統的な保存食です。

なすのこうじ漬け
なすを米とこうじを使う漬物です。秋田県は伝統野菜が多くナスの種類も豊富です。横手市の新処なす、湯沢市の関口なす、大仙市の仙北丸ナスなどあります。

三杯みそ
餅米粉、うるち米粉、小豆を合わせて作る餅料理です。素材そのものの甘みと、ねっとりとした食感の小豆あんが特徴です。

赤漬け/赤ずし
餅米を塩で揉んだ赤じそと酢で漬け込んで発酵させた料理です。疲労を回復させたり消化を促進したり発酵食品として盛夏を乗り切るために食べられました。
秋田県の料理

稲庭うどん
湯沢市稲庭町発祥の伝統的な干しうどんで、香川県の讃岐うどん、群馬県の水沢うどん(または長崎県の五島うどん)と並ぶ日本三大うどんの一つです。

じゅんさいの酢の物
ゼリー状の透明の膜に覆われた独特な食感のじゅんさいを、さっぱりとした酸味が美味しい酢で仕上げた夏の風物詩とも言える一品です。

十文字中華そば
横手市十文字町を中心とする地域で古くから親しまれているご当地ラーメンです。イワシの焼き干しや鰹節、昆布など魚介系のだしを惜しみなく使います。

横手焼きそば
横手市のご当地グルメで日本三大焼きそばに数えられています。太くてまっすぐの麺を使い甘めの和風ソースで味付けされます。付け合わせは福神漬けです。

比内地鶏から揚げ
秋田県を代表する高級ブランド地鶏の比内地鶏が使われています。比内地鶏は名古屋コーチン、薩摩地鶏とともに日本三大地鶏に数えられています。
秋田県の地ビール等

秋田美人のビール
秋田市の秋田あくらビールが醸造・販売しているビールで、横手市産IBUKIホップを100%使用しています。

ぶなの森
田沢湖ビールが醸造しているクラフトビールで、日本で唯一ブナの樹液から分離させた天然酵母を使用しています。