栃木県の料理

海に接していない栃木県は全国的にも知られる農業県です。生産量日本一のいちご、国内生産量の9割を占めるかんぴょうを始め、うど、にら、トマト、さといも、梨などが国内生産量の上位を占めます。また那珂川、鬼怒川、思川ではアユやマスを中心に漁業や養殖も盛んに行われています。
栃木県の郷土料理

しもつかれ
塩引き鮭を酒粕で煮込んだ料理です。食べ物を無駄にしないため、正月に食べた塩引き鮭の頭や節分の福豆の残りの大豆などの残り物が使われました。

耳うどん
佐野市葛生地区および宇都宮市城山地区に伝わる料理です。小麦粉を練って耳型にした麺をうどんとして食べています。

干瓢の卵とじ
かんぴょうを溶き卵に混ぜて出汁で煮た料理です。栃木県の特産品であるかんぴょうは、正徳2年(1712年)に下野国壬生藩に伝わり栽培が始まりました。

芋ぐし
串に刺した里芋を焼いて味噌だれをかけて再度焼いた料理です。里芋は栃木県内で広い範囲で栽培され、県西北などでは串に刺して焼かれて食べられました。

さがんぼの煮つけ
北茨城の漁港で水揚げされた鮫のサカンボは腐りにくいため、ヒレや皮が取り除いて紡錘形にされて、内陸の栃木県に出荷されました。

板台餅
もち米ではなく硬めに炊いたうるち米を使うのが特徴で、もともと山の作業小屋で板の台の上で斧の峰等で叩きながら餅にすることから板台餅と呼ばれたといわれます。

小麦まんじゅう
小麦粉で作った皮で小豆あんを包み蒸した菓子です。重曹を加えて作られるため、炭酸まんじゅうとも呼ばれています。

かてそば
蕎麦にニラや大根をトッピングしています。食糧難の時代に蕎麦のカサを増すため、大根の千切りやニラが加えられるようになりました。

ちたけうどん
ちたけとなすを炒めた汁の中にうどんを入れた料理です。平地林が広がり日本有数の穀倉地帯である栃木県平野部で食べられています。

モロの煮付
宮城県沖で獲れたモウカザメをモロと呼び、醤油や砂糖でやわらかく煮付けた料理で、が遠い内陸地方で貴重なたんぱく源として食べられました。

干瓢のごま酢あえ
かんぴょうと野菜をゴマ酢で和えた料理です。かんぴょうとなるゆうがおの栽培は、下野壬生藩主の初代藩主・鳥居忠英によりもたらされたと伝わります。

ゆず巻き
ゆずの皮を巻いた大根を甘酢でしめた料理です。宇都宮市北部を中心に栽培される寒冷ゆずは、温かい地方で栽培されているものより香りが強く肉厚です。

五目飯
栃木県の特産品であるかんぴょうをはじめ、干ししいたけ、にんじん、ごぼう、絹さや、油揚げや錦糸卵など、色とりどりの食材が酢飯のうえに並びます。

いなりずし
一般的に食べられているいなりと異なり、栃木県では酢飯を詰めた油揚げの中央に味付けをしたかんぴょうを巻き、俵に見立てた形が特徴です。

あいその甘露煮
初春に獲れたウグイ(あいそ)を甘く煮詰めた料理です。那珂川や鬼怒川などの大きな川筋では、春先に産卵のために群れるあいそを捕らえて食べていました。

揚げまき湯波の煮物
日光市で食べられている湯葉を巻いて揚げたものを味付けして煮た料理です。肉食を忌む修験者たちは古くからゆばを食べる風習がありました。

ばっとう汁
野菜のみそ汁に団子を入れて煮た料理です。水田の少ない地域では米の不足を補う食べ物として日常的に食卓に並びました。

かんぴょうのり巻き寿司
甘じょっぱく煮たかんぴょうを巻いた細巻です。かんぴょうは栃木県の特産品で、全国の9割以上の生産を栃木県んが占めています。

煮しめ
野菜を醤油味で煮付けた料理で、必ず里芋が入ります。親芋を囲むように子芋、孫芋が育つさといもは、子孫繁栄や豊作の象徴とされています。

ニシンとタケノコの煮付け
身欠きニシンとタケノコを甘しょっぱく煮付けた料理です。身欠きにしんは内臓や頭を取り除いて乾燥させた干物のような加工品で、保存が効くため内陸県でも食べられました。

ぼた餅
もち米とうるち米をつぶして俵状に丸めて餡で包んだ料理です。多忙な農家では、ご飯茶碗にご飯を盛り餡を乗せただけのものが多いです。

鮎めし
素焼きにした鮎とともに炊き込んだ料理で、那珂川や鬼怒川などの鮎漁が盛んな地域で食べられてきました。那珂川は西の四万十川、東の那珂川と呼ばれる有数の鮎の産地です。

えび大根
小山市南西部の生井地区や白鳥地区周辺では川エビがたくさん採れました。茹でて赤くなるエビと大根の白が縁起物として祝いの席で食べられています。

草餅
米粉に粉砕したよもぎを混ぜて茹でた団子です。ひな節句に娘の成長を祈り、ひな飾りに御供えをして食べていました。

白あえ
湯がいたコンニャクと豆腐を混ぜて味噌で和えた料理です。豆腐屋が無い山間部では豆腐を自給しており、隣近所同士で豆腐をつくりました。

ちたけとなすの油炒め
栃木を代表するキノコである乳茸を茄子と炒めて煮にした料理です。乳茸は香りが良く、うどんやそばのだし汁の材料として好まれてきました。

なすといんげんの油味噌
刻んだ茄子といんげんを油で炒め、味噌と砂糖で炒め煮にした料理です。夏季の気温が高くなる内陸栃木県はなすの栽培に適していました。

どじょう汁
どじょうを酒で煮て溶き卵でとじた料理です。内陸県の栃木では、貴重なたんぱく源として川魚やドジョウを食べる文化が生まれました。

焼き餅
残りご飯に小麦粉や味噌を加えて丸めて押しつぶし、青のりや味噌などを混ぜて焼いた料理です。焼き餅はご飯を日持ちさせる知恵でもありました。

切干し大根の煮物
切干し大根をもどして調味料で煮詰めた料理です。冬の栃木県はからっ風が吹いて晴れた日が多いため、切干し大根や芋がらなどの乾物がよく作られました。
栃木県の料理

湯波づくし膳
日光男体山が関東一の山岳信仰の霊場となり、厳しい修行を行う修験者が精進料理の一つとして京都の湯葉を伝えたことで広まりました。

ゆば定食
日光白根山の帰りに食べた湯波定食です。日光では湯葉を湯波と書き、京都の薄くて繊細な湯葉とは異なり、二重で引き揚げるため存在感があります。

鮎の塩焼き
日光は鬼怒川や大谷川などの清流が流れ、古くから鮎の産地として知られています。身が引き締まり独特の香りが高い新鮮な鮎は塩焼きが一番です。

川魚の天丼
日光は鮎だけではなく、ニジマスやイワナなどの川魚も豊富です。清流で育つ川魚は臭みがないのが特徴で、天ぷらにして食べられることがあります。

宇都宮餃子
宇都宮では、戦後に旧満州に出兵した兵士が餃子を広めたとされます。宇都宮餃子会が設立され、市をあげて餃子を盛り上げてきました。

ゆばちらし
日光の油源で食べた湯葉を主役にしたちらし寿司です。湯葉の優しい風味と、酢飯の酸味、具材の甘辛い味が絶妙に調和します。

湯波づくしBコース
日光の恵比寿屋さんに用意されているメニューです。揚巻ゆば野菜あんかけ/生ひきあげゆばのさしみ/揚巻ゆば田楽・串ゆば・季節の物/平ゆばと野菜の天ぷら

ゆば刺し
新鮮な湯波を何も手を加えずに刺身のようにして食べる料理です。シンプルにワサビと醤油で食べるため、素材の良さが味を左右します。

ゆば唐揚げ
湯波を唐揚げにした料理です。生ゆばを使うことでジューシーでふっくらしており、外側は香ばしく内側は湯葉特有のモチモチとした食感が楽しめます。

揚げゆばまんじゅう
日光さかえや揚げゆばまんじゅう本舗で食べました。湯波を使うまんじゅうを油で揚げた独特な日光の名物料理です。

ゆば蕎麦
温かい蕎麦のうえに生ゆばや油で揚げた湯波、乾燥湯波を戻したものが乗せられています。湯波が温かい蕎麦つゆに浸ることで、とろりとした食感になります。

ゆば丼
湯波を卵や野菜などと一緒に煮て、ご飯の上にのせた丼ぶり料理です。親子丼やカツ丼に似ていますが、湯波を使うことでヘルシーでありながら満足感があります。

宮前だんごと抹茶
宮前だんごは、享保8年(1723年)に創業した老舗の甘味処で、うるち米と米粉で作られた団子を丁寧に焼き上げています。長生きだんごとしても知られています。

湯沢屋まんじゅう
文化元年(1804年)に創業した湯沢屋のまんじゅうで、薄皮の中に自家製のこしあんが入ります。日光山の僧侶たちが食べた味が伝承されています。

日光ぷりんとゆばプリン
日光プリンは新鮮な栃木県産の牛乳と卵を使用した濃厚なプリンで、ゆばプリンは日光名物の湯波を練り込んで作られた毒とな風味があるプリンです。

ゆばむすび
日光の郷土料理で、ご飯を湯波で包んだでいます。肉や魚を使わない精進料理の流れを汲んでおり、湯波本来の優しい風味と米の甘み、出汁の旨みが一体となります。

舞茸天丼
舞茸は日光の気候と独自の栽培技術で育てられた日光の特産品で、日光まいたけとして知られています。独特な栽培技術で育てられ、肉厚で香りが濃厚なのが特徴です。

平家鷹狩料理
旅館山城屋で食べた囲炉裏を囲んで炭火で食材を焼く料理です。平家落人伝説が残る湯西川に逃れた平家の末裔が、長年の隠遁生活で生み出した伝統的なスタイルを再現したものです。

シカ刺し
旅館山城屋で食べた鹿刺しで、新鮮なシカ肉をわさび醤油などで生のまま食べます。鹿肉は平家落人の末裔が食料として狩猟してきた歴史があります。
栃木県の地ビール等

日光ビール
日光国立公園の良質な軟水を使用したビールでしたが、新たな地ビールが誕生したことで、平成24年(2012年)に日光ビールは廃業しました。

MUGI TARO
宇都宮市のろまんちっく村クラフトブルワリーが製造しています。宇都宮産麦芽とチェコ産のザーツホップによるピルスナービールです。

MUGI JIRO
MUGI TAROからビール酵母を濾過したピルスナービールで、重厚なMUGI TAROに比べてクリアで飲みやすく仕上げています。

餃子浪漫
宇都宮餃子会と共同開発した餃子に良く合うビールです。宇都宮市のろまんちっく村クラフトブルワリーが製造しています。

TOCHIGIライトエール
栃木マイクロブルワリーのオリジナルビールです。定番ビールを決めずに、様々な材料やアイデアを使い、小ロットでユニークなビールを醸造しているのが特徴です。

日光いろは
奥日光戦場ヶ原から湧き出る天然水を使用したビールです。通常よりも多くの麦芽を使用し、麦の旨みと重厚なコクを際立たせています。

日光モンキーズPREMIUM LAGER
日光市にあるクラフトビール醸造所が製造しているビールです。奥日光をもっと魅力的な場所にしていく想いが込められています。

栃木ゆずクラフトチューハイ
栃木県産ゆずのおいしさを抽出したゆずのスピリッツです。栃木県産のゆずは昼夜の寒暖差が大きい気候のもとで育つため、皮が厚く香りが高いのが特徴です。

レモン牛乳ほか
栃木県を代表するご当地ドリンクですが、レモン果汁が入っていません。多くの県民に愛されており、関連する商品も販売されています。