兵庫県の料理

兵庫県は日本のほぼ中央に位置し、日本海と瀬戸内海に面しています。寒さの厳しい日本海側のカニや潮流が速い瀬戸内海のタコや穴子など豊富な魚介類を使う料理が生まれ、寒暖の差が大きな丹波地域は黒豆の産地で黒豆料理があります。幕末に開港した神戸は早くから西洋の食文化が流入し、従来の食文化に加えて神戸ビーフをはじめとする洋食が普及しています。
兵庫県の郷土料理

イカナゴのくぎ煮
イカナゴの稚魚を醤油、砂糖、ショウガなどで甘辛く煮た佃煮で、びたくぎが曲がったように見えることから名付けられています。

明石焼/玉子焼
小麦粉とじん粉、卵とだし汁を混ぜた生地にタコを入れて焼いたたこ焼きを、かつおや昆布のつけ汁につけて食べる明石市の郷土料理です。

ぼたん鍋
丹波篠山市の郷土料理で、白と赤の合わせみそをベースにしただし汁に猪肉と季節の野菜を入れて煮る鍋料理です。

かつめし
加古川市周辺で食べられている洋食の皿にご飯を盛り平たいビーフカツをのせ、その上にデミグラスソースをかけ、脇にゆでキャベツを添えた洋食です。

ちょぼ汁
淡路島で食べられている汁物で、だし汁に団子とささげ豆に里芋の茎であるズイキを入れて味噌で味をつけています。

姫路おでん
牛すじや大根、卵、コンニャク、ちくわなどのおでんの具を醤油に摩り下ろした生姜を加えた生姜醤油をかけて食べます。

丹波黒豆ごはん
丹波篠山の黒大豆は粘土質で肥沃な土と昼夜の激しい寒暖差のため粒が大きく糖度も高く成長し、黒大豆の中では最高級の品質といわれています。

播州手延べそうめん
播州そうめん揖保乃糸は播磨地方の名産品で、安永年間(1771~80年)に龍野藩の奨励により生産が増加しました。

ゆで松葉ガニ
ズワイガニは山陰では松葉ガニ、北陸では越前ガニと呼ばれ、浜坂漁港をはじめとする県北の漁港は全国有数のズワイガニの水揚量を誇ります。

出石皿そば
出石焼きの白磁の小皿に盛られたそばを徳利に入ったつゆと薬味で何枚も食べるのが特徴です。そばは5枚1組が一人前で、薬味には生卵もあります。

鯖寿司
若狭湾で捕れたサバが鯖街道と呼ばれる若狭街道を経由して届くようになり、塩漬けのサバが丁度良い塩加減となり寿司として食べられるようになりました。

とふめし
丹波篠山市の大山地区に伝わる茹でた豆腐やニンジン、ゴボウ、鯖の水煮などを炒め、炊きたてのご飯に混ぜた料理です。

粕汁
兵庫県は全国有数の日本酒の産地であるため、日本酒の醸造工程で出る酒粕で大根、ニンジン、ゴボウ、こんにゃくなどを煮込む粕汁が食べられています。

神戸ビーフステーキ
但馬牛の中で肉質の等級など厳格な基準を満たしたものは神戸ビーフと呼ばれ、鉄板で焼いて塩とこしょうで味付けされてお好みでステーキソースや辛子で食べます。

山椒の佃煮
平安時代に中国から渡来したと言われる山椒が栽培されるようになり、養父市の朝倉山椒が有名で、神戸市の有馬山椒は非常に流通が少ないです。

ハモすき
淡路島の名物であるハモと淡路島産タマネギを寄せ鍋風のだしで煮込んだ鍋料理で、甘みがあるハモと淡路島産タマネギの甘みが出汁と絶妙な相性を生みます。

鍛冶屋鍋
鍛冶職人が夏に精力をつけるために好んで食べたといわれる料理で、明石沖で捕れた活きがいいタコと夏が旬のなすをだしと醤油を煮ています。

味噌だれ餃子
満州から引き上げた男性が焼き餃子を味噌ベースのタレで提供したことに始まり、神戸では焼き餃子を味噌だれで食べる文化が広まりました。

にくてん
薄くのばした生地に、味付けをしたジャガイモやすじ肉、こんにゃく、キャベツなどをのせて焼いたものを半分に折ったお好み焼きです。

こけらずし
乾燥させてほぐした鯛、ベラ、トラハゼなどのそぼろを酢飯にのせた押し寿司で、魚のそぼろを並べた様子がこけらに似ているため名付けられました。

焼きアナゴ
播磨灘は国内でも有数のアナゴの水揚げ高を誇り、開いたアナゴを串に刺したれをつけて焼いた料理が食べられるようになりました。

高野豆腐粉と野菜の煮物
高野豆腐を作る過程で出る粉(とふ粉)と刻んだ野菜を炒め煮にした料理で、かつて高野豆腐の関西最大の生産地である多可町で食べられました。

さばのじゃう
サバをネギや白菜など季節の野菜や焼き豆腐などと一緒に煮込むすき焼き風の寄せ鍋で、但馬地域の漁港で食べられる漁師めしです。

とろろご飯
山芋をすりおろして、いりこやかつお節のだし汁でのばしたとろろ汁をご飯にかけた料理で、丹波篠山市では正月料理に疲れた胃腸を助けるために食されます。

黒豆煮
丹波篠山の黒大豆は粘土質で肥沃な土と昼夜の激しい寒暖差のため粒が大きく糖度も高く成長し、黒大豆の中では最高級の品質といわれています。

じゃぶ
鶏肉と糸こんにゃく、ネギ、豆腐、タマネギ、ゴボウなどの野菜を煮たおかずで、多人数が集まるときには大鍋で作られました。

たこめし
兵庫県のタコ類の捕獲量は全国2位でマダコは日本一を誇り、たこめしは漁の後に手間がかからない炊き込みご飯として作られていたとされます。

はたはたの唐あげ
但馬地域では全国有数のハタハタの漁獲量を誇るため、頭と内臓を取り除いた小型のハタハタを丸ごと油で揚げた唐揚げが食べられています。

いびつもち
一般的に柏餅と言われる真ん中に餡を入れた餅をサルトリイバラの葉で包んだ菓子で、端午の節句や祝いの日に食べられました。

やたら漬け
なすやきゅうり、しその実やみょうがなどを半年かけて漬ける冬の保存食で、現在では宍粟市の家庭で作られている程度です。