高知県の料理

高知県は、温暖多湿な気候で8割が森林地帯で太平洋に面する地勢です。高知平野は土佐藩家老野中兼山により水利が整備されてから早場米が収穫される一大穀倉地帯へと発展しました。清流で育成した鮎やツガニなどの川の幸や太平洋の海の幸で食文化が形成されています。
高知県の郷土料理

いもの茎の炒め煮
高知県ではさつまいもやかぼちゃの茎を食べる食文化があります。高温多湿な気候のため、農家を中心に成長した葉柄の部分を食べる文化が生まれました。

かつおのたたき
カツオの身を焼き網に乗せてあぶる料理です。保存技術がない時代に船上で鮮度が落ちたカツオを食べるために生まれた調理法と言われています。

ぐる煮
大根、人参、里芋などの冬の根菜を中心に使う煮物です。食糧難の時代に有り合わせの野菜で大量につくり、何度も温め直して食べられました。

りゅうきゅうの酢の物
ハスイモの葉柄部分のことをりゅうきゅうと呼び、これを酢の物にした料理です。琉球から伝来したことで名付けられた説があります。

いたどりの油いため
山に自生するタデ科の植物イタドリを油で炒めた料理です。イタドリは春に新芽が獲れますが、塩漬けや冷蔵保存できるため保存食として重宝されています。

ひめいちとみかんの辛子煮
ヒメイチは土佐湾で漁獲されるホウライヒメジのことで、安価なためタイの代わりによく食べられます。小さなヒメイチはみかんとともに煮込まれることが多いです。

こうし飯
海沿いの大月町で食べられている料理です。ちりめんじゃこや細かく刻んだ魚の炊き込みご飯で、仕上げにめのりと呼ばれる岩海苔が混ぜられています。

きらずもち
きらずとは豆腐づくりの副産物のおからのことを言います。もち米とおからを混ぜた生地にあんこを包んだ餅のことで、佐川町西部の尾川地区のみに伝えられています。

豆腐の梅酢づけ
硬めの豆腐を梅酢に漬けた料理です。豆腐は長宗我部元親が朝鮮出兵で連行した朴氏が高知に伝え、山内一豊も唐人町での豆腐の専売を推奨していたとされています。

暮れの煮物
年越しに食べられるくじら肉を使う煮物です。くじらのような大きなものを食べることで大物になるようにという願いを込めて食べられました。

田芋のころばし
高知県では里芋のことを田芋と呼び、貴重な栄養源として古くから食べられてきました。戦時中に米が手に入りにくいときは、ご飯のかさ増しとして田芋が混ぜられました。

淡竹とエンドウの煮物
だし汁で淡竹とエンドウを煮た料理です。高知県ではタケノコが良く食べられ、南国市の四方竹は秋ごろにとれる珍しいタケノコとして知られます。

皿鉢料理
特定の料理名ではなく料理の様式のことを指し、大皿に高知県の恵まれた自然が生む山の幸、海の幸が贅沢に盛り付けられます。鯨などの土佐珍味皿鉢で7千円でした。

いもべらあずき
伊野町では冬の味覚である干し芋をへらと呼び、茹でた芋を輪切りにして干したものを芋べらと呼びます。いもべらあずきは芋べらを小豆とともに甘く煮た菓子となります。

こんちん
ささがきしたごぼうをふんだんに小麦粉の生地に加えて焼いた菓子です。大豊町で通年食べられている郷土菓子です。

つがに汁
四万十川や仁淀川などの河川に棲息するモクズガニを生きたまま石臼やミキサーで粉砕して、その出汁からつくる汁物料理でです。

チャーテの和え物
チャーテとは熱帯アメリカ原産のウリ科の植物で、一般的にハヤトウリと呼ばれます。このチャーテは和え物や肉炒め、酢の物などで食べられています。

ぜんまいの炒め煮
茹でて天日干ししたゼンマイの炒め煮です。山間部では古くからぜんまいを油炒めや白和え、煮物などにして食べられてきました。

こぶずし
こぶずしは県内で食べられますが、県中央部・県西部で素材が異なります。県中央部は白板昆布で酢飯を巻きますが、県西部は昆布で酢飯が巻かれます。

こけらずし
四角い木枠に酢飯と具材をどんどん重ねていく押しずしで、デコレーションケーキのようなカラフルな見た目が特徴です。喜びを重ねるという意味が込められています。

きゅうりと川エビの煮物
川エビとは手長エビのことで、四万十川や仁淀川の特産品のひとつとして知られます。手永エビは焼いたり唐揚げにして食べられるほか、煮物としてキュウリと食べられます。

きびなごのほおかぶり
小さなキビナゴを背開きにして酢でしめたものを使用し、貴重な米ではなく豆腐の副産物であるおからずしを包んで寿司にしています。

銀ぶろうずし
いんげん豆をご飯に混ぜた寿司のことです。銀ぶろうは、大豊町の西豊永地区で自家用で栽培されてきたいんげん豆の一種のことです。

半夏だんご
大豊町で食べられるみょうがの葉に包まれた団子です。農繁期を過ぎた頃に食べられており、清涼感のある独特の香りとあんこの甘さが農作業の疲れを癒しました。

田舎ずし
全国的に珍しい野菜を使う寿司です。山間地帯に伝わる行事食で、すしのネタには県内でとれる山の幸がふんだんに使われます。

かしきり
かしの実でつくられる豆腐のことです。朝鮮半島から伝えられた料理とされ、山間部などの耕作が向いていない地域で食べられています。

蒸し鯛
鯛におからなどを入れて蒸した料理です。お祝いの席などで食べられる料理ですが、手間がかかる料理のため、近年は食べる機会が減少しているようです。

ねぎとさつまいものぬた
南国市などで食べられる、ねぎとさつまいもを酢味噌で和えた料理です。高知県ではネギがよく食べられ、特産品のサツマイモと和えられるようになりました。

葉にんにくのぬた
にんにくに味噌や酢を混ぜた高知県の伝統的な調味料です。戦国時代に長宗我部元親が朝鮮出兵から帰国したときに持ち込まれたものと言われています。

さばの姿ずし
新鮮なサバを背開きにして酢で絞めて、中に酢飯を詰めています。甘めな味付けの京都のさばずしと異なり、酢と塩を効かせている特徴があります。
高知県の料理

牡蠣玉とじ鍋定食
高知県には清浄な海で育つ地元の牡蠣と海洋深層水で磨き上げられたブランド牡蠣があり、室戸市ではプライムオイスターというブランド牡蠣があります。

土佐海鮮三色丼
しらす、サバ、カツオたたきが盛りつけられた三食丼です。高知県はカツオなどの水産物が豊富で、土佐の清水さばはブランド化されて全国的にも有名です。

鯨内臓珍味盛
鯨の様々な内臓の部位を盛り合わせた珍味料理です。高知県はカツオと並んで鯨料理が人気で、居酒屋などのメニューで見かけることが多いです。

土佐の青のりせんべい
ホテル三翠園のお茶請け菓子として食べました。四万十川などの清流で育つ青のりを使用したせんべいで、懐かしい味わいがします。
