鹿児島県の料理

鹿児島県は、古くから中国や朝鮮、東南アジアなどと交易を重ねてきました。砂糖きび、甘藷、落花生、孟宗竹などが伝来し、中国料理に影響を受けた豚肉料理が広まります。また、桜島の桜島大根や鹿児島湾で養殖されるブリを使う料理もあります。
鹿児島県の郷土料理

さつまえび雑煮
出水市で捕獲されたエビが炭火で乾燥されて島津家に献上されていたことから、正月に食べられる雑煮は出汁を焼きエビや干しエビでとります。

がね
千切りサツマイモをかき揚げにした天ぷらで、揚げた際に四方に広がるサツマイモの形が鹿児島弁でカニを意味するガネに似ていることに由来します。

つけあげ
一般的にさつま揚げと呼ばれている伝統的な魚肉練り製品で、琉球のチキアギが薩摩に伝わり独自の発展を遂げたと言われています。

鶏飯
奄美地方を代表するおもてなし料理で、ご飯のうえにほぐした鶏肉やパパイヤの味噌漬けなどの具を乗せて鶏ガラスープをかけた茶漬けのような料理です。

さつま汁
豚汁と異なり鶏肉を使用するのが特徴で、大根、人参、ごぼう、里芋、さつまいも、こんにゃく、油揚げ、しいたけなど旬の野菜を煮込んだ具だくさんの味噌汁です。

ぶり大根
鹿児島県は全国トップクラスのブリの養殖が盛んな地域で、鹿児島県特有の桜島大根とともに醤油ベースで煮込んだ料理が親しまれるようになりました。

黒糖
サトウキビから搾取した汁を煮詰めたもので、琉球貿易により広まりました。郷土料理のガネやふくれ菓子なども黒糖を練り込んで調理されます。

みき
奄美諸島を中心に飲まれている米とサツマイモに砂糖を入れた乳酸発酵飲料で、見た目は甘酒に似ていますが酒粕を使わないためアルコールは含まれていません。

ミズイカのマダ汁
奄美群島に伝わる郷土料理で、マダとはイカ墨を意味します。アオリイカを出汁と味噌で煮て、イカ墨を使うことで磯の香りが豊かで深みのある味わいになります。

豚骨野菜
豚骨は豚の骨付き肉を黒砂糖や焼酎で煮込んだ料理を指し、この豚骨をツワブキや昆布などの野菜と一緒に煮て味噌や醤油などで味付けしています。

パパイヤ漬け
奄美地方で古くから伝わる漬物で、未熟な青パパイヤを味噌や醤油で漬けています。唐辛子がアクセントとなる大根のような食感の漬物です。

三献
伝統的なおもてなし料理で、餅の吸い物、鶏肉の吸い物、刺身の3つの料理を順番に出すことで、心を込めて客人をもてなしました。

油ゾーメン
の奄美地方で食べられている料理で、豚肉と野菜、そうめんを炒めた料理です。茹でた素麺を油で炒めることでパラパラとした食感にしています。

ふくれ菓子
小麦粉と黒砂糖、重曹を主な材料として蒸したパンケーキで、豊作を願う祭りや農作業の合間のお茶請けとして作られます。黒砂糖の優しい甘みとふわふわ食感が特徴です。

白熊
1949年に天文館むじゃきで考案されたかき氷で、白熊の顔に似ていることから名付けられました。かき氷にミカン、黄桃、パイナップルなどを盛りつけて練乳がかけられています。

へちま汁
夏から秋にかけて旬を迎える未熟なへちまを使用し、かつおだしや味噌で味付けした汁物です。へちまの優しい甘みとトロッとした食感が特徴です。

豚汁
日本全国で広く食べられている料理ですが、鹿児島県では薩摩汁として定着しています。薩摩藩が琉球王国との交易で得た豚を美味しく食べるために考案されました。

さつますもじ
すもじは宮中に仕える女官の言葉で寿司を意味します。身近な季節の野菜や食材を使うちらし寿司で、庶民の家庭のお祝い事で親しまれました。

かしゃもち
奄美群島に伝わる餅菓子のひとつです。かしゃとはゲットウ(月桃)の葉のことで、ゲットウの葉の独特な香りが餅に移り爽やかな風味が楽しめます。

げたんは
小麦粉と鶏卵を混ぜた生地を焼き、三角形や台形に切り分けた生地を黒砂糖の蜜に漬け込んで作られます。鹿児島県民に愛され続けている郷土菓子です。

かるかん
米粉とすりおろした自然薯で作られる蒸し菓子です。薩摩藩主島津斉彬が藩財政を豊かにするため作られた高級菓子で、羊羹に似ていることから名付けられました。

からいもねったぼ
サツマイモともち米をでつくられた餅菓子で、もちもちとした食感が特徴的です。サツマイモの収穫時期である秋から冬にかけて各家庭で作られました。

からいもごはん
サツマイモの炊き込みご飯で、サツマイモの自然な甘みがご飯全体に広がります。薩摩藩がサツマイモを積極的に栽培していたことから定着しました。

じゃんぼ餅
蒸した餅に2本の竹串が刺さり砂糖醤油をかけた串団子です。武士が腰に差す大小2本の刀・両棒が転じて名付けられたとされます。

あくまき
もち米を木灰を水に溶かした灰汁に一晩浸して竹の皮で包んで長時間煮込んだ餅菓子で、きな粉と黒蜜をかけて食べられるのが一般的です。

豚味噌
豚肉と麦味噌を甘辛く煮込んだ保存食で、ご飯のお供としてはもちろん、お酒の肴や野菜につけて食べたりされています。

豚骨
骨付きの豚バラ肉を黒糖焼酎や味噌などで煮た料理で、肉は箸で簡単にほぐれるほど柔らかく、コラーゲンが豊富に含まれています。

鶏刺し
新鮮な鶏の胸肉やもも肉などを薄くスライスし、生姜やニンニクなどの薬味と一緒に、甘口の醤油やポン酢でいただく料理です。

きびなごの刺身
鹿児島湾で多く水揚げされるニシン科のきびなごを刺身にした料理です。一般的に一匹一匹丁寧に手開きされたキビナゴに酢味噌をつけて食べます。

酒ずし
かつてはお祝いごとで食べられた寿司で、炊き上げたご飯に地酒をまぶして魚介類や野菜などの具材を彩りよく盛りつけて数日間熟成させています。
鹿児島県の料理

黒豚とんかつ定食
琉球から導入されたと言われる黒豚は、きめ細やかな肉質と旨味が特徴です。外はサクサク、中はジューシーなトンカツは黒豚本来の旨味が引き立ちます。

鹿児島ラーメン
麺が柔らかめで豚骨と鶏ガラのスープで、野菜と焦がしネギが添えられるあっさりしたラーメンです。大根の漬物が添えられます。

海鮮丼
南大隅町の時海では、鹿児島近海で獲れた新鮮な魚を丼からはみ出るほど乗せたリーズナブルな海鮮丼を食べることができます。

とんかつラーメン
南大隅町のリョーちゃん食堂では、ラーメンにトンカツを乗せたボリュームあるラーメンを食べることができます。

マグロの定食
薩摩串木野市のマグロの館では、日本有数のマグロ漁港で水揚げされたマグロを使用した料理を頂くことができます。

そうめん流し
指宿市にある唐船峡では清流でそうめん流しを楽しむことができ、鹿児島の夏の風物詩になっています。

鯉あらい
清流で養殖された鯉を薄切りの刺身にして冷水で占めた料理で、余分な脂肪分や表面のたんぱく質が適度に落ちることで臭みが軽減されます。

とんかつちゃんぽん
伊佐市の福島さんで提供されているトンカツを乗せたチャンポンで食べ応え十分すぎる逸品です。

志布志バーガー
志布志の港の一角にある店舗で、国産牛100%のパティと手作りの特製ソースとマヨネーズが使用されています。

鰹船人めし
漁師が釣り上げた鰹を船上で捌き、ごはんにのせて豪快に食べる漁師めしを現代風にアレンジしたご当地グルメです。

ビンタの味噌煮
鹿児島県の郷土料理で、かつおの頭を味噌で煮込んだ料理です。枕崎市の名物料理として知られています。

腹皮の塩焼き
通常捨てられてしまうカツオの腹皮を丁寧に洗い塩焼きにした料理です。カツオの独特の香りや脂の旨味が感じられます。