タージ・マハル

インド・アーグラにあるタージ・マハルは、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンの妻、ムムターズ・マハルの墓廟です。のちにムムターズ・マハルがなまってタージ・マハルと呼ばれています。
タージ・マハル
当時のインドを支配していたムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンの妻、ムムターズ・マハルは子供を産んだあと産褥熱で亡くなりました。この哀しみを受けて王は妻の墓廟を制作することになります。これがタージ・マハルです。
純白のタージマハルは全て大理石で造られています。大理石はタージマハルがあるアーグラから西方500キロメートルほど離れたアジャスタンで切り出され、象などに引かせて運ばれてきました。また、運ばれた大理石には綺麗な装飾を施して積み上げられたことから、22年もの歳月と多大な費用が掛かりました。
タージ・マハルは1653年に完成しますが、この大工事によりシャー・ジャハーンは忠臣たちからも見放されることになります。そして、世継ぎのアウラングゼーブ帝によってアーグラ城のムサンマン・ブルジュ (ジャスミンの館) に幽閉されてしまいます。
シャー・ジャハーンは白いタージ・マハルの向かいに黒いタージ・マハルを造ることを夢見ていたと言われますが、結局それは現実になることはありませんでした。
タージマハルの内部
チケット売り場で入場券を購入して内部に入ると大楼門(メインゲート)があります。大楼門は高さ30メートル、幅46メートルあります。全体的に茶褐色の建物で装飾されている部分が白い大理石で造られています。
入場して最初にある門です
コーランやアラベスク模様が施されています
正面中央にはコの字状に白い大理石でできた枠がありますが、ここの紋様にはイスラム教の聖典であるコーランの文字がアラビア語で刻まれます。インドはヒンドゥー教の国ではありますが、タージマハルができた時代はイスラム教の国でした。
このコの時型の内側には植物のような模様が施されています。この模様はアラベスク模様と呼ばれ、イタリアやフランスなどのヨーロッパから集められた職人により装飾されたようです。
左右対称に均整が取られています
長さ300メートルある池にタージ・マハルが写ります
大楼門を抜けると左右対称のタージ・マハルがあります。高さ67メートルあるスケールの大きな建物です。タージマハルの前面はチャールバーグと呼ばれる庭園になっています。チャールは四、バーグが庭園という意味で、水路で四角く区切られた庭園という意味です。
タージマハルから一直線の水路です
ミナレットが少し外側に傾いています
塔の両脇ある4本の塔(ミナレット)は、鐘を鳴らすために建てられました。イスラム教では決まった時間にお祈りをするため、その時刻を教える役目がありました。現在では鐘を撞く振動が建物に影響を与える理由から鐘は鳴らされていません。なお、塔は倒壊したときに本殿に倒れないよう外側に若干傾いています。
土台から全て大理石です
頭をつまむことができます
タージマハルは土台に至るまで大理石の白色で一色です。ここから神聖な区画に入る雰囲気が伝わり、当然のように内部は撮影禁止になります。内部は広い敷地内にムムターズ・マハルとシャー・ジャハーンの棺がぽつんと置かれているだけです。
タージ・マハルの写真を撮るときに、頂点を持っているように写してみると、タージ・マハルを持っているような感じにできます。どうでも良いと言えばどうでも良いんですけど、記念に一枚撮影してみるのも良いかもしれません。