アンベール城
アンベール城は、カチワーハ家の王国(アンベール王国)の首都として16世紀に建てられた丘の上に立つ巨大な城です。堅固な城壁に囲まれて建つ質実剛健な外観に比べ、城内はイスラム様式の影響を強く受けたラジャスタン特有の優美なスタイルで造られています。
アンベール城
アンベールは、8世紀からヒンドゥー教を信仰するラージフート族が治めていました。ムガル帝国の第三代皇帝のアクバル1世は1562年にアンベール王の娘と結婚してアンベール王国と同盟すると、アンベールを始めとするラージプートの王侯を次々と傘下に加えていきました。
アンベール王国の君主となったムガル帝国の武将ラージャ・マーン・シングは、1592年にラージプート族の城砦を改修しアンベール城を築城しました。その後、アンベール城は1727年にジャイ・シング2世がジャイプルへ遷都するまで改築が続けられました。
丘陵にある巨大な城です
アンベール城から城壁が続きます
アンベール城からは城壁が延々と続き山上にあるジャイガル城砦を繋いでいます。この城砦までは隠された通路でつながれているそうです。アンベール城は丘陵にあるため坂道を登ることになりますが、ゾウで登ることもできます。
坂道を象で登ることができます
たくさんの柱がならぶ謁見の間です
城壁の内部に入ると左手に無数の柱がある一般謁見の間があり、正面に世界一美しいと言われるガネーシャの門があります。このガネーシャ門を通過すると宮殿の内部に入ることができます。
アンベール城の宮殿
王様の住まいにあたるアンベール城の宮殿の入口にはガネーシャ門と呼ばれる門があります。ヒンドゥー教の神様ガネーシャが描かれている門で、世界一美しい門と言われます。
威厳のある門です
世界一美しいと言われる門です
ガネーシャの門を抜けると王様の住まいである宮殿に入ります。最初にペルシャ風庭園(モンスーン庭園)がありますが、見学したときは修復中で庭園はありませんでした。
ペルシャ庭園が造られていました
ペルシャ庭園に流れ込む水路です
モンスーン庭園の通路にはガラスの蓋がされた水路が一直線に伸びます。現在は水は流れていませんが、この水路は室内にある噴水からモンスーン庭園まで水を流すことで天然のクーラーとして活用されるとともに、モンスーン庭園に水を運ぶ役割もありました。
鏡の間の全容です
鏡や宝石が散りばめられています
アンベール城で最も印象的なところは鏡の間(勝利の間)です。鏡の間は壁一面に鏡が散りばめられ幾何学模様の装飾が美しい部屋です。天井や壁には宝石も散りばめられ少しの光でも部屋が明るく照らし出される構造になります。鏡の間の内部は柵により入ることはできません。
側面から天井まで宝石などが散りばめられます
室内の天井も綺麗に装飾されています
アンベール城は、2013年にラージャスターンの丘陵城塞群として世界遺産に登録されています。