ビンビサーラ王の牢獄
ビンビサーラ王の監獄は、マガダ国王のビンビサーラ王が息子のアジャセ(阿闍世)により監獄に幽閉され命を落としてした場所で鉄製の手かせが発掘されています。当時は7重の壁で囲まれた堅牢な牢獄と伝えられますが、今では石塁のみの遺構だけが残ります。
ビンビサーラ王の幽閉
マガダ国のビンビサーラ王は世継ぎとなる子に恵まれませんでした。そこで占い師に行く末を占ってもらうと近くの山に住む仙人の生まれ変わりとして太子を授かるだろうと言われます。ビンビサーラ王は仙人が亡くなるのを待ちきれず、臣下に仙人を殺める命令を下します。
仙人は臣下に対して「生まれ変わったときに必ず報いるであろう」と言い残し息絶えると、やがて妻のイダイケが待望の子を懐妊します。しかし、占い師に占ってもらうと「太子は生まれる前から王に恨みをもっており、後に必ず仇となすであろう」と言われ、恐れをなした王は太子を殺してしまおうと企てます。
しかし、生まれるべき因縁を持つ太子は殺められることはなく生まれ、アジャセと名付けられました。アジャセは父母を尊敬しお釈迦様に帰依していましたが、仏教教団を我が物にしたいダイバダッタから自分の出生の秘密を吹き込まれてしまいます。
石塁のみが残されています
ビンビサーラ王が幽閉されていたところです
ダイバダッタはアジャセに対して王位を簒奪することを進め、ダイバダッタを仏教教団の長にするよう説得します。次第にアジャセはビンビサーラ王を恨むようになり、ビンビサーラ王を城の奥の監獄に幽閉してしまいました。
アジャセはビンビサーラ王に飲食物を与えず餓死させようとしました。妻イダイケはアジャセに気づかれないように水や食料を届けていましたが、アジャセに気づかれてしまい、イダイケも幽閉されることになります。この時にお釈迦様がイダイケに説いた教えが観無量寿経になります。