マハーボディー寺院(大菩提寺)
ブッダガヤはお釈迦様が悟りを開いたところです。ゴータマ・シッダールタは菩提樹の下で瞑想を行い、ついに悟りを開き仏陀(目覚めた人)になりました。マハーボディー寺院は悟りを開いた菩提樹がある仏教最大の聖地です。
マハーボディー寺院(大菩提寺)
マハーボディー寺院(大菩提寺)は9層からなる高さ52メートルの高さがある大塔を中心としています。レンガを積んで漆喰を塗った塔で、下部の7メートルくらいは紀元前3世紀ころにアショカ王が建て、その上の45メートルほどの塔は4~6世紀にグプタ王が建てました。大塔の周囲にはストゥーパなどが並びます。
イスラムの侵攻でインド仏教は衰退しますが、この大菩提寺はイスラムに破壊されることを阻止するため埋められていたようで、1857年にイギリスの考古学者が発見して発掘されたものだとガイドが話してくれました。
巨大な仏塔です
大塔の中まで赤いじゅうたんが敷かれます
訪れた時はシーズンオフで人が少なかったのですが、たくさんのスリランカの僧侶が訪れていました。スリランカの僧侶は、一生で一度は聖地参拝をしたいとの思いで来られており熱心に参拝していました。
マハーボディー寺院の仏塔には仏陀の座像が安置されています。この像は9世紀までは黒い石像でしたが、ビルマ信徒により金箔に施されました。
仏像が安置されています
綺麗に残されています
大菩提寺に建つアショカ王柱は、柱頭部の装飾は失われています。
お釈迦様の成道
お釈迦様は悟りを開いたあと、この喜びを噛みしめながらも人々に説くことは難しいと考え、7週間(49日間)に渡り、マハーボディー寺院の敷地内のあちこちで瞑想を続けました。
- 第1週目
- 菩提樹金剛宝座
- 第2週目
- アニメーシャローチャナ・ストゥーパ
- 第3週目
- チャンクラマ・チャイティヤ
- 第4週目
- アトラグラハ・チャイティヤ
- 第5週目
- アジャパラ・ニグローダ樹
- 第6週目
- ムチャリンダ池
- 第7週目
- ラージャヤータナ樹
お釈迦様は第1週目(7日間)で菩提樹の下で悟りを開きました。この悟りを開かれたところは金剛宝座として厳重に管理されています。
マハーボディー寺院にある菩提樹は4代目になります。最初の木は自然に枯れ、2代目の木は王様の妻に嫌われて切られ、3代目の木は発掘の際に間違えて切られたそうです。現在植えられている菩提樹はスリランカに枝分けされた菩提樹が戻されているため、お釈迦様が成道された時の菩提樹と血統は同じです。
菩提樹の下で悟りを開きました
柵の中に金剛宝座と菩提樹があります
金剛宝座と菩提樹は、柵で覆われて近づくことができません。昔はこのような柵はなかったようですが、ガイドが言うにはオウムの麻原が金剛宝座に座り、我こそ仏陀の生まれ変わりだとか言ったそうで、今後このような事が起こらないよう柵が設けられたとか。残念な話です。
金剛宝座を立たれたお釈迦様は少し離れたところに一週間立たれて菩提樹を眺めながら瞑想に入りました。これが第2週目の瞑想でアニメーシャ・ローチャナと言います。
黄金に荘厳されています
仏様の足が模られ花が添えられています
チャンクラマナ経行処は悟りを開いてから第3週目に瞑想しながら行ったり来たりと歩いたところに蓮の花が咲いたことに由来します。それを記念して紀元前3世紀頃にアショカ王が蓮台を造られました。
仏様の足跡に花が荘厳されています
思案しているときに五色の色を発しました
ラトナグラハは第4週目の聖地で、お釈迦様が悟りの真理を言葉に置き換え四聖諦、八正道、十二因縁を表す思索中に体から五色の色を発しました。この色が仏教の旗に使われています。
アジャパーラ・ニグローダ樹は第5週目の聖地になります。この柱のところにアジャパーラというモミの木があり、この下で7日間の瞑想に入ります。そこで人間が生まれてからの行いが大事であることを悟ります。
かつて木が生えていました
柱の根元には花が添えられます
ラージャーヤタチ樹は第7週目の聖地で、最後の瞑想を楽しむお釈迦様の前に二人の旅商人タプッサとバッリカが通りかかり、食べ物を布施して最初の在家信者となりました。
風雨をムチャリンダが守護します
初めての在家信者が誕生しました
ムチャリンガ池は第6週目の聖地です。お釈迦様が池の傍らで瞑想を行っていると突然嵐が襲ってきたので、池に棲む蛇王ムチャリンダがお釈迦様を守護するため七重に取り巻き、傘となって7日間瞑想する仏陀を嵐から守り抜きました。