エフェソス遺跡
トルコ・イズミルにあるエフェソス遺跡はトロイ・ベルガマと並びエーゲ海の3大遺跡とも称されるローマ帝国の重要な港湾都市として栄えました。全盛期には25万人もの人が住み、海水を引いて船が停泊できるようにもなっていました。
クレテス通り
エフェソス遺跡はエーゲ海の3大遺跡だけあり巨大な都市遺跡です。このエフェソス遺跡のメインストリートにあたるのがクレテス通りで、浴場や図書館などの古代の遺跡が残されています。クレテス通りには王の道と呼ばれる全て大理石で造られている道があり、豪華ではありますが滑りやすいです。
すべて大理石で造られています
ナイキのモチーフになった勝利の女神です
王の道にはレリーフが残されています。ギリシャ神話の「ニケ」のレリーフがあります。ニケは勝利の女神でレリーフの腰のドレスラインがスポーツメーカーであるナイキのロゴマークのモチーフになりました。
ニケのレリーフの近くにはエルメスのレリーフがあり、商売の神、羊飼いの守護神のシンボルとして羊やヘビなどが描かれています。
羊飼いの様子が描かれています
ローマ人の社交場としての一面がありました
スコラスティカの浴場はローマ時代の浴場になります。ローマ時代の人々は仕事を昼までにかたずけると、浴場に集まって風呂を楽しんでいたそうです。ローマ人は風呂が大好きで単に体を洗うだけではなく社交場として機能していました。
ヘラクレスがライオン退治をする飾り彫刻
古代ローマは噴水が至る所にあります
ヘラクレスがライオン退治をするレリーフの飾り彫刻がある門を通過すると、トラヤヌスの泉と呼ばれる噴水跡があります。古代ローマでは街の至る所に噴水を造る文化があり、この真ん中の窪みから水が噴き出していたそうです。このトラヤヌスの泉の先にハドリアヌス神殿があります。
右手がハドリアヌス神殿で奥が図書館です
トルコの紙幣の絵柄になっています
ハドリアヌス神殿は、2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスにエフェソス市民から献上された神殿です。女神ティケ、メドゥーサ、エフェソス起源伝説などの彫刻で飾られています。この神殿はトルコ紙幣の絵柄になっています。紙幣と同じ景観を探し実際の景色と合わせてみると嬉しくなります。
穴が開いています
古代の世界三大図書館の一つです
ケルスス(セルシウス)図書館は、同じくトルコのペルガモン、エジプトのアレキサンドリア大図書館とともに古代の世界三大図書館のひとつに数えられます。世界で3番目に大きかった図書館で、高さ11メートル、幅17メートル四方の規模で12万冊の蔵書がありました。
現在は入口の門に当たる部分が残されていますが、支柱がしっかりと残されているため、門から内部に入ることもできます。門のあたりには綺麗な形で石像が残され、門の頂部などの彫刻も風化せずに残されています。
小さな足跡が彫られています
集会などで使われていたそうです
遺跡の大理石には一つだけハート型の敷石があったり足跡が形取られているものなどがあり、多くの人たちが生活していた名残が残されていて、これらの遺構で当時の繁栄がよくわかります。またローマの文化を象徴する円形の演劇場であるブルテリオンもあります。オデオンに比べると小さいため、集会などで使われていたそうです。
オデオン
オデオンは半円形の演劇場の跡で、かつては演劇や音楽が催されていました。一つ一つの石段が高く腰掛けて鑑賞するには丁度良い高さです。百年かけて造られたオデオンは最大2万5千人もの観客を収容することができました。
麓から巨大な石造りの演劇場が見えます
舞台がよく見えますが高さがあります
オデオンは高くまで石が積まれています。人口25万人ほどの町だったため、多くの人が収容できるように作られました。また、エフェソスは港湾都市として近くまで海が広がっていたため、最上部から海を眺めることができるように石が高く積まれました。