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小牧野遺跡

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡

小牧野遺跡は今から4,000年前の縄文時代後期に造られた全体で直径55メートルある環状列石(ストーンサークル)を中心とする遺跡で、竪穴住居、貯蔵施設がある縄文人の祈りの場でした。小牧野遺跡の環状列石は小牧野式と呼ばれる全国的にも珍しい配石がなされています。

小牧野遺跡

縄文時代には石を使った遺跡は三内丸山遺跡や秋田県には大湯環状列石など北海道や東北にかけて残されています。これらのほとんどは縄文時代中期から後期にかけてのもので、ギリシャのパルテノン神殿や中国の万里の長城よりも古い時代の遺跡です。小牧野遺跡の環状列石は、石の並べ方に特徴があります。石を縦に置き、その両隣に平らな石を直角に置いて、また縦に石を置いていくことを繰り返してサークルを作ります。この配石は全国でも珍しく小牧野式配石と呼ばれます。

小牧野遺跡ジオラマ

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡のジオラマサークルストーンを中心としています

小牧野式配石

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡の小牧野式配石全国的に珍しい配石がなされています

環状列石は三重の輪の他に弧状列石や直線状列石がある複雑な構造をしており、直径は55メートルになります。縄文人は小牧野遺跡の麓にある500メートル~1.2キロメートル地点の荒川から石を運びました。運ばれた石は9割が安山岩で、平均11.8キログラムの石が2,899個運ばれています。最大のものでは493.4キログラムあり、総重量は27トンになります。

もともと緩やかな斜面であった小牧野遺跡は、丘の高い方を削り、その土を低い方に盛って平坦にする大規模な土木工事を行いました。整地したところに荒川の河原から運んできた石を、直径3メートル、29メートル、35メートルの三重の輪にして並べました。

小牧野遺跡

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡当時のまま環状列石が残されています

小牧野遺跡の地層

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡の地層縄文時代の土木工事の痕跡が地層に残されています

縄文人は精度の高い完成図を作成しており、指導者が存在して、大勢の人たちによる共同作業が行われたことが考えられます。環状列石から北に向かって踏み固められた硬い地層が見つかり、また環状列石内部の縄文時代後期の地層に何らかの圧力で歪んだ地層が見つかっていることから、どのように環状列石が作られたか解明する鍵になる可能性があります。

小牧野遺跡

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡環状配石と小牧野式配石の展示です

小牧野遺跡の土器

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、小牧野遺跡の土器埋葬に使われた土器は百基以上発掘されています

環状列石の周辺からは百基を超える土坑墓が発見され、祭りに使われたと思われる三角形岩盤や土器も発見されていることから、小牧野遺跡は埋葬、祭祀に関係した遺跡と考えられています。当時は再葬と呼ばれる土葬して白骨化した骨を取り出し、その骨を甕棺土器に入れて再び地中に埋葬する方法が取られていました。

小牧野遺跡は平成7年(1995年)に国の史跡に指定され、現在では約9万平方メートルが史跡の範囲として保護されています。また令和3年(2021年)には「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産に登録されています。

縄文の学び舎小牧野館

縄文の学び舎小牧野館は、平成24年(2012年)に廃校になった旧青森市立野沢小学校を活用して平成27年(2015年)から縄文時代や小牧野遺跡に関する資料を展示しています。入館は無料で縄文時代の生活や祭祀に関することなど分かりやすく解説されています。

縄文の学び舎小牧野館

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、縄文の学び舎小牧野館廃校になった学校を利用しています

縄文の学び舎小牧野館

青森県青森市の旅行で訪れた観光名所、縄文の学び舎小牧野館発掘された土器なども展示されています

1階エントランスホールには遺跡の解説パネルがあり、第1展示室「縄文人の暮らし」は生活道具や暮らしぶりを紹介、第2展示室「縄文人の祈りと願い」は墓や祭祀に関する道具などの展示、第3展示室「よみがえる小牧野遺跡」は小牧野遺跡の紹介と出土品の展示、第4展示室「縄文土器の美」は年代ごとの土器の紋様の違いなどの展示があります。

まち旅(旅行、観光)の記録

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まち旅(旅行、観光)の記録
住所
〒030-0152 青森県青森市野沢小牧野41
アクセス
JR青森駅から市バスで野沢(所要25分)から徒歩30分かかるため車が便利です。
営業時間
11月16日~4月30日まで閉鎖
料金
無料
地図