円通院
円通院は、正保4年(1647年)に瑞巌寺第百世の洞⽔和尚により、伊達政宗の孫である伊達光宗の霊廟として三慧殿が建⽴されたことに始まる寺院で近くにある天麟院と開徳院と合わせて松島三霊廟と言われています。境内には四季折々に変化を楽しめる美しい庭園があることでも有名です。
三慧殿
三慧殿は正保4年(1647年)に建立された伊達政宗の孫にあたる伊達光宗の霊廟で、昭和60年(1985年)に国の重要⽂化財に指定されています。厨子の中には白馬に跨る伊達光宗の像と殉死した7人の像が祀られています。厨子に描かれるバラは日本最古のバラの絵で、支倉常長が持ち帰ったバラが描かれています。
伊達宗光の霊廟として建立されました
霊廟には伊達宗光像と殉死した方の像が安置されます
厨子の左扉には水仙、右扉には日本最古といわれる西洋バラが描かれています。⽔仙はイタリア・フィレンツェ市を代表する花で、バラはローマ帝国以来ローマを象徴する花であり、伊達政宗の命により⽀倉常⻑がローマ、フィレンツェを訪ねた証として描かれました。
左扉に水仙、右扉にバラが描かれます
伊達光宗に殉死した家臣の供養塔もあります
円通院の境内
円通院は、国宝寺院「瑞巌寺」に隣接する仙台藩伊達家ゆかりの臨済宗妙⼼寺派の寺院です。瑞巌寺参道から50メートルほど内側に入ると円通院の入口にあたる山門があります。円通寺の山門は切妻造茅葺の薬医⾨で松島町⽂化財に指定されています。
松島町指定文化財です
縁結びにご縁のある観音様です
円通寺は、縁結びにご利益がある寺院として知られています。円通寺の山門を入ってすぐ左手には縁結び観音が安置されており、願い事が書かれた小さくて可愛らしいこけしが縁結び観音の両側に所狭しと供えられています。
たくさんのこけしが供養されています
伊達光宗の死を悼み江戸納涼の亭を移築しました
円通院の本堂である大悲亭は、伊達光宗の江戸納涼の亭で愛息の早逝を悼んだ仙台藩二代藩主・伊達忠宗が解体移築した建物で島町指定文化財に指定されています。光宗は将来を有望視されており、次期仙台藩主になるような人物と言われていましたが、正保2年に19歳の若さで江戸藩邸で病死しました。
大悲亭の目の前には江⼾時代の⽇本を代表する作庭家・⼩堀遠州が作庭した心字池と観音菩薩が住む補陀落⼭を中⼼にした庭園があります。この庭園も江戸藩邸から移築されたと言われます。
円通院の庭園
円通院は美しい四季折々の変化を見せる庭園があることで有名です。円通院の境内には「雲外天地の庭(⽯庭)」「遠州の庭」「⽩華峰⻄洋の庭(バラの庭)」「三慧殿禅林瞑想の庭」の4つの庭が整備されています。
雲外天地の庭は、白砂で松島湾の海を、岩で周囲の島々を表した石庭です。松島湾に実在する七福神の名を冠した島を天の庭として表現し、石組でこの世の森羅万象を地の庭としています。これらの天と地の庭は天⽔橋を架け橋として結んでいます。
枯山水の庭園です
本堂大悲亭の前に心字池で構成される庭があります
本堂大悲亭の前にある⼼字池で構成された遠州の庭は、伊達藩江⼾屋敷にあった⼩堀遠州作の池泉観賞式の庭園を移設したものだと言われています。⼼字池には蓮の花が咲き、観音様が住むという補陀落⼭にはモミジとツツジが季節の移ろいを感じさせてくれます。
白華峰西洋の庭は、伊達政宗の命でローマに派遣された支倉常長がバラを持ち帰ったことに因み、珍しいバラが整備されている洋風庭園です。百種類以上のバラが植えられているため、円通院はバラ寺とも呼ばれます。
百種類以上のバラが植えられます
静寂な林の中にある苔むした自然庭園です
三慧殿禅林瞑想の庭は、静寂の林の中にある美しい⾃然庭園です。林と⼭野草や苔で構成された庭は禅林の⾮⽇常的な空間を作り出しています。たくさんの紅葉が植えられており、春や夏は新緑が美しく、秋は紅葉が美しい庭園です。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島町内67−67
- アクセス
- 松島海岸駅から徒歩5分
- 営業時間
- 9:00~16:00
- 料金
- 500円
- 地図