蔵造りの町並み
小江戸と呼ばれる川越には岡山県倉敷市、福島県喜多方市と共に「日本三大蔵の街」に選ばれている江戸時代の風情ある蔵造りの町並みが残ります。川越の蔵造りの町並みのシンボルである「時の鐘」は明治26年に起きた川越大火で焼失しましたが、寛永年間に建造された鐘楼を忠実に再現したもので、今も鐘の音を響かせています。
蔵造りの町並み
江戸時代の川越は、江戸と川越をつなぐ新河岸川を利用した舟運による物資輸送の基地として、米や野菜などの農産物や特産物を運ぶ集散地として重要な場所でした。川岸に河岸場が開設され、そこに農産物等様々な品物を扱う河岸問屋ができて繁栄しました。
明治26年(1893年)の大火で街の3分の1が焼失しましたが、大沢家などの蔵造りが焼け残ったことから、その頃の日本橋の大店と同じように最高の防火建築である蔵造りの商家が建ち並ぶことになります。防火上の数々の工夫、立派な屋根の造り、黒漆喰磨き仕上げの壁などが特徴な町並みです。
浴衣姿の女性も散策しています
人と交通量が多いです
川越のシンボルになっている時の鐘は、江戸時代の寛永年間(1624~44)に川越城主の酒井忠勝によって建てられました。現在の時の鐘は、明治26年に起きた川越大火の直後に再建されたもので、建物の構造は江戸時代に建てられていた姿と同様に造られています。
時の鐘は江戸時代の川越城下町の人々の時計としての役割がありました。現在も6時、正午、午後3時、6時の一日4回鐘が鳴り響きます。この鐘の音は「日本の音風景100選」にも選定されています。
明治27年に再建されました
川越で最古の蔵造りの建物です
多くの蔵造りの建物が立ち並ぶ一番街で、最も古い蔵造りの建物である旧山崎家別邸は建築されて200年が経ちますが、現在も尾1階は民芸品やお土産品を扱う店舗として使われています。
旧山崎家別邸は、老舗菓子店「亀屋」の五代目主人・山崎嘉七氏の隠居所として建てられましたが、皇族方の迎賓館として使われることもあった建物です。平成31年(2019年)に主屋が国の重要文化財に選ばれました。
このような川越の蔵造りの町並みは、平成11年に文化庁の重要伝統建造物群保存地区として選定され、平成19年には「美しい日本の歴史的風土100選」に選定されました。
裏通りも土蔵造りの建物が並びます
橋本雅邦画伯の美術品が展示されます
川越の蔵造りの町並みの中に、蔵造りの建物を活用した山崎美術館がありました。川越藩のお抱え絵師の橋本晴園の子息であり明治時代に活躍した橋本雅邦画伯の絵画などが展示される美術館です。展示物もさることながら、土蔵づくりの建物も一見の価値があります。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 〒350-0063 埼玉県川越市幸町
- アクセス
- 西武新宿線「本川越駅」、東武東上線「川越市駅」から徒歩15分
- 営業時間
- 特になし
- 料金
- 無料
- 地図