旧古河庭園
旧古河庭園は古河財閥の古河虎之助の邸宅として造られました。約1万坪の敷地に洋館の古河邸と西洋庭園及び日本庭園が整備されている国の名勝です。バラの名所としても知られ、年2回バラフェスティバルが開催されています。
旧古河邸と西洋庭園
旧古河庭園は、大正6年(1917年)に創建した古河財閥3代目当主・古河虎之助(1887~1940)の本邸として整備されました。虎之助が建てた邸宅は約414坪の地下1階2階建てのレンガ造りで外壁は真鶴産の本小松石を使いその風合いを生かして積み重ねられています。
旧古河邸と西洋庭園はイギリス人建築家ジョサイア・コンドル(1852~1920)が設計しました。ジョサイア・コンドルは鹿鳴館や旧岩崎邸庭園洋館のほか東京復活大聖堂(ニコライ堂)など数多く設計し日本建築界に多大な貢献をしました。その最晩年の作品が旧古河邸になります。
旧古河庭園開設看板より
本小松石の黒っぽい外壁の洋館です
古河邸が建造された大正期は飛鳥山には渋沢栄一が暮らし、田端では芥川龍之介などの文士や芸術家が活躍するハイカラな時代でした。海外で留学経験がある虎之助は、邸宅の1階はビリヤード室やサンルーフなど洋室があり各部屋は細かい装飾が施されています。2階はホールや寝室以外は和室になります。
古河邸前のバラ園です
200株の美しいバラが咲きます
旧古河庭園はバラの名所として知られます。古河邸の目の前にあるバラ園は、バラの季節である春と秋にバラフェスティバルが開催され、およそ100品種200株のバラが咲き誇ります。
旧古河庭園の日本庭園
旧古河庭園の日本庭園は、水と石の魔術師と言われた京都の庭師・小川治兵衛(1860~1933)が作庭しました。日本一の庭師が東京で初めて手掛けたのが旧古河邸の庭で大正8年(1919年)に完成しています。
水と石の魔術師と言われました
崖線を巧みに利用して滝が設けられています
本郷台地の崖線を巧みに利用して落差8メートル(全長20メートル)の大滝は小川治兵衛が最も力を入れた場所です。大滝から池を挟んで枯滝が向かい合うように配置され、大滝から流れる水は庭園の中央にある心字池に注ぎ、心字池を中心とした池泉回遊式庭園となります。
心字池には雪見灯篭があります
心字池を中心とした池泉回遊式庭園です
旧古河庭園は昭和30年(1955年)から30年間放置された状態でお化け屋敷と呼ばれるほど荒廃しましたが、昭和57年(1982年)に東京都名勝の指定を受けたことで改修が行われ復元されました。旧古河庭園にある建物と庭園は竣工当時の姿を今に保存している極めて貴重な事例として平成18年(2006年)に国の名勝に指定されています。
まち旅(旅行、観光)の記録
まち旅(旅行、観光)するために参考となる情報です。
- 住所
- 東京都北区西ヶ原
- アクセス
- 東京メトロ西ヶ原駅、JR上中里駅から10分
- 営業時間
- 9:00~17:00(年末年始休園)
- 料金
- 150円
- 地図