プーノ

プーノはチチカカ湖のほとりにあり、プレインカ時代から文明が栄えました。チチカカ湖はインカ帝国初代皇帝が誕生した聖地とされ、スペインの侵攻を恐れた原住民たちはチチカカ湖に人工島を造営して住みました。プーノの町はスペイン入植後の1668年に建設されています。
概要
- 面積
- 20.28km2
- 標高
- 3,830m
- 人口
- 12.9万 (2017年)
- 地図
歴史
チチカカ湖のボリビア側で生まれたティワナク文化は、精巧な石工技術に長けた文明でした。チチカカ湖で誕生したインカ初代皇帝マンコ・カパックは、ティワナク文化の石工技術を活かして首都クスコの町づくりをしました。スペイン人が入植すると侵略を恐れた人びとはトトラで人工島をつくり住むようになりました。
プレインカ時代の文化
紀元前200年頃から200年頃までチチカカ湖近くのプカラでプカラ文化が栄え、チチカカ湖北西部では非アイマラ系のコリャ文化が広まりました。チチカカ湖のボリビア側で生まれたティワナク文化は8世紀から11世紀に最盛期を迎え、巨石を積み上げたピラミッドや太陽の門などを今に残しています。太陽の門はインカ帝国の聖地であることからも、ティワナク文化の精巧な石工技術はインカ文明へと受け継がれたと考えられます。
インカ時代
チチカカ湖で誕生したマンコ・カパックは、クスコに移動してインカ帝国を建国したとされます。プーノ北部のウマヨ湖畔にあるシルスタニ遺跡は、コリャ文化時代からインカ時代にかけて築造された石積みの円形墳墓群で、宮殿や住居の跡はなくチュルパと呼ばれる墳墓のみが残されてます。

シルスタニ遺跡
爪を意味するシルスと滑るを意味するルスタニから名付けられました。塔墓の表面が爪を掛けることができない精巧な加工をしていることに由来すると言われています。

チュルパ
シュルパと呼ばれる墳墓は大きなもので高さ12メートルあり、春分や秋分の日に入口から太陽光が入るように設計されています。
スペイン統治時代
1535年にフランシスコ・ピサロがクスコを占領してインカ帝国を滅ぼすと、スペインの侵攻を恐れた先住民はチチカカ湖にトトラと呼ばれる植物を積み上げた浮島に住むようになりました。スペインはチチカカ湖周辺も支配下に置き、コパカバーナはキリスト教の聖地として大きな教会が建てられました。

チチカカ湖
チチカカ湖は琵琶湖の12倍の面積があり、汽船が航行する世界最高地点です。創造神ビラコチャが降臨してインカ皇帝が生まれた伝説が残ります。

チチカカ湖・ウロス島
チチカカ湖の浮島では700人ほどが生活しています。観光客を受け入れているウロス島には学校があり、人びとはトトラの船を交通手段としています