スコータイ

スコータイは、タイ北部の県（チャンワット）のひとつで幸福の夜明けを意味します。１２３８年にタイ人が初めて単独国家スコータイ王国を建国して首都としました。ラームカムヘーン碑文にはスコータイは美しい国ぞ、水に魚棲み、田に稲穂実ると豊沃な土地であることを示しています。

概要

歴史

スコータイはタイ族が初めて単独国家を建国したスコータイ王国の王都でした。スコータイ王国の最盛期を築いたラムカムヘーン大王は、現在のタイ文化の原型ともなる仏教の保護やタイ文字の考案などを行いました。スコータイでは１月１７日を大王記念日として、花火や舞踊などの祭りが催されます。

スコータイ王国の建国

多民族国家タイで人口の多くを占めるタイ族は、１１世紀初頭に中国雲南省のあたりから移住してスコータイに定住したと言われます。この頃のスコータイはクメール帝国が支配していましたが、クメール帝国がベトナムを支配するジャーンパーとの戦闘が長期化して疲弊したため、地方への影響力が低下していました。１２３８年にバーングラーンハーオはクメール帝国傘下のラウォー王国から離脱して、シーイントラーティットと名乗りスコータイ王国の初代国王となりました。これがタイ族初の独立国家となります。

スコータイ

３重の城壁のうち東西１．８キロ、南北１．６キロの最も内側の城壁の内部が中心核になります。

スコータイ

水を巧みに利用した水の都でした。

スコータイ王国の繁栄

第３代スコータイ国王ラームカムヘーン大王は、タイ中部スワンナプーム王国やタイ南部ターンプラリン王国を征服し、さらにラオスのムアンチャワー王国を従属させて支配領域を広げました。上座部仏教を国教として布教に力を入れます。

ラームカムヘーン大王

スコータイ王国の最盛期を築き、タイ文字を残し、国内に仏教を広めた功績によりタイ人から大王の尊称であるマハーラートを冠して呼ばれます。

ラームカムヘーン王碑文

１２９２年にはラームカムヘーン碑文が建立されました。現在のタイ文字の初期にあたるスコータイ文字で書かれています。

スコータイ王国の寺院

スコータイにある仏像はすべて悟りを開いた後の姿で、体は丸みを帯びて微笑んでいます。タイは微笑みの国と言われますが、この姿が源流だとも言われています。アユタヤ王国ナレスワン王は、サワンカローク征伐に向かう前にワット・シーチュムで決起したことからも、重要な寺院でした。

ワット・シーサワイ

クメール王朝時代の１２世紀末～１３世紀初頭にヒンドゥー教の神殿として建造されましたが、スコータイ王国時代に仏教寺院に変えられました。

ワット・シーサワイ

スコータイ王国はこの寺院を仏教寺院に改修して、この寺院を中心に都市が築かれていきました。

ワット・シーチュム

公園の北西にある仏殿は、１４世紀にラームカムヘーン大王が建造したと言われています。

ワット・シーチュム

スコータイでシンボル的な高さ１５メートルのアチャナ仏が安置されています。アチャナとは恐れを知らぬものという意味があります。

ワット・マハタート

スコータイで最も規模が大きな王室寺院で、スリランカ様式の丸みがある仏塔（チェディ）と、クメール王朝時代の影響が混在する美しい寺院跡です。

ワット・マハタート

仏塔１８５基、礼拝堂１８棟あります。特に有名なのが仏陀坐像で、右手は垂らし、左手は悪魔降伏の降魔印を結びます。

ワット・チェトゥポン

スコータイ王国の南側の抑えとして、ワット・ソラサック碑文によると１４１２年には創建されていました。

ワット・チェトゥポン

建立当時は東西南北にそれぞれ遊行像、立像、臥像、坐像の仏像が祀られていましたが、現在は遊行仏と立像のみが残されています。

ワット・サーシー

丸みのあるシンハラ仏教（スリランカ仏教）の様式で造られた仏塔が大小合わせて９つ、東には礼拝堂、池の真ん中には本堂が配置されています。

ワット・サーシー

丸みのあるスリランカ仏教の様式で造られた仏塔は、スリランカから上座部仏教が伝来し、スコータイ王が上座部仏教を保護したことを意味します。

ワット・トラパントーンラーン

仏像が安置されていた塔堂は正方形のような構造で、その前に礼拝堂がありました。レンガ造りの塔堂の中は何もありませんが、装飾は少し残されています。

ワット・トラパントーンラーン

塔堂の四方の壁面には漆喰の装飾が施されスコータイ美術の傑作と称されたレリーフなどがありましたが、現在はほとんど剝落しています。

スコータイ王国の滅亡

スコータイ王国はアユタヤ王国の隆盛により併合されて消滅しました。現在のスコータイは小さな町となりました。

ナイトバザール

シンワット通りの広場で開催される小さなバザールで、現地の方がよく利用する小規模なもので観光客はあまりいません。

ナイトバザール

ドリアンを買おうとしたら、気を良くしてくれたのか無料で少し食べさせてもらいました。獲れたてのドリアンは臭みを感じませんでした。