ドメネク・イ・モンタネールの建築物群
バルセロナの有名な建築家の一人にルイス・ドメネク・イ・モンタネールがいます。モンタネールはバルセロナ建築学校の教授として一時的ではありますが、サグラダ・ファミリアで有名なガウディに教授しています。モデルニスモの偉大な建築家モンタネールが手掛けたサン・パウ病院とカタルーニャ音楽堂は世界遺産に登録されています。
ルイス・ドメネク・イ・モンタネール
ルイス・ドメネク・イ・モンタネールは、1850年にバルセロナで生まれました。23歳で国家試験に合格して建築家になると、25歳にしてバルセロナ建築学校(現在のカタルーニャ工科大学建築学部)の教授になりアントニ・ガウディも一時モンタネールに学んでいます。
モンタネールは19世紀末から20世紀初頭に西ヨーロッパで流行したモデルニスモ建築を代表する建築家であり中心を担いました。1997年にはモンタネールの代表作であるサン・パウ病院とカタルーニャ音楽堂が世界遺産に登録されました。
ルイス・ドメネク・イ・モンタネール
モデルニスモ建築を代表する建築家です。
アントニ・ガウディ
サグラダファミリアで有名なガウディも学びました。
カタルーニャ音楽堂
カタルーニャ音楽堂は、1905年から1908年に建造されたムダルニズマの様式で設計されたコンサートホールです。カタルーニャ出身の指揮者ルイス・ミイェットが1898年にモンタネールに依頼しました。モンタネールの最高傑作と称されるカタルーニャ音楽堂は、最先端技術の鉄骨構造を採用して建造され、赤レンガと彩色タイルで装飾されています。
内部の柱や壁はモザイクや彫刻で覆い尽くされ、大ホールは美しいステンドグラスから自然光を取り込みます。音楽と調和する美しいカタルーニャ音楽堂は1997年にサン・パウ病院とともにユネスコ世界遺産に登録されました。
カタルーニャ音楽堂
イタリアの作曲家パレストリーナの胸像です。
カタルーニャ音楽堂
外観には細かい装飾が施された柱が並びます。
サン・パウ病院
サン・パウ病院は、バルセロナ市内の6つの病院を統合した病院で1902年から1930年に建築されました。14万5千平方メートルの敷地に48の建造物が並んでいる広大な病院です。2009年まで診療が行われていましたが、病院の機能は敷地内に移転して2014年から一般公開されています。
サン・パウ病院は、淡い色彩のモザイクやステンドグラスを多用し、自然の光や風を取り入れて患者が心地よく過ごせる工夫があります。また建物を地下通路で結ぶなど機能性にも優れていました。1997年にカタルーニャ音楽堂とともにユネスコ世界遺産に登録されました。
サン・パウ病院
アー ル・ヌーヴォー様式の建物です。
サン・パウ病院
患者が過ごしやすいように設計されています。
カサ・リェオ・イ・モレラ
カサ・リェオ・イ・モレラは、モンタネールが1902から1905年に改装されたモレラ氏の邸宅です。依頼したモレラ氏は完成前に他界したため息子に引き継がれました。1937年にスペイン内戦で1階部分が損傷を受けたため修繕されました。
カサ・リェオ・イ・モレラの近くにあるガウディ作のカサ・バトリョの隣にはカサ・アマトリェールがあります。カサ・アマトリェールは1851年にアントニ・ロベルトにより建てられた建物をジュセップ・プッチ・イ・カダファルクが1898年から2年かけて改装しました。建築家は異なりますが、カサ・アマトリェールはモンタネールが活躍した時代と同時期のものです。
カサ・リェオ・イ・モレラ
1階はスペイン内戦で損傷しました。
カサ・アマトリェール
モデルニモスを代表するカダファルクが建造しました。