明治神宮外苑の熱き戦い

明治天皇と皇后・昭憲皇太后の御遺徳を称えて造営された明治神宮外苑は、体力の向上や心身の鍛錬の場として国立競技場や神宮球場などのスポーツ施設が建てられました。昭和39年(1964年)と令和3年(2021年)に国立競技場が東京オリンピックのメイン会場となり、神宮球場では東京六大学野球やプロ野球の熱戦が繰り広げられています。
明治神宮外苑競技場の建設
大正13年(1924年)に東洋一の本格的陸上競技場として、青山練兵場跡地に明治神宮外苑競技場が完成しました。明治神宮外苑競技場では陸上競技のみならずサッカーやラグビーなども行われ、日本のスポーツ熱が全国に波及する先駆けとなりました。昭和18年(1943年)には学徒出陣の壮行会会場となり、敗戦後にGHQに接収されてナイルキニック・スタジアムとなる時代もありました。

国立競技場
令和元年(2019年)に改築された多目的スタジアムで、翌年に開催された東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場として使用されました。
明治神宮野球場の建設
東京六大学野球連盟結成の動きを受け、明治神宮外苑内に野球場の建設を要望する声が高まりました。大正14年(1925年)に着工した工事は、翌年に完成して東京六大学野球が行われるようになりました。昭和20年(1945年)に明治神宮外苑がGHQに接収され、神宮球場はステートサイド・パークと名付けられました。
ホテル室内からの生観戦
日本青年館ホテルは神宮球場の三塁側にあり、ホテルの一室から神宮球場内を眺めることができます。客室の通気口からは歓声が聞こえて臨場感があり、コロナ禍でも遠慮なく持ち込んだアルコールとおやつで楽しく観戦することができます。

神宮球場
大正15年(1926年)に建造された野球場で、昭和21年(1945年)に戦災の修復工事が行われ、平成20年(2008年)にほぼ現在の球場になりました。

神宮球場
日本青年館ホテルの窓から神宮球場が見え、椅子に腰かけながら野球を観戦できます。感染症が気にならない新しいスタイルの観戦です。
幻の東京オリンピック
昭和15年(1940年)に開催を予定していた東京オリンピックは、昭和12年(1937年)の盧溝橋事件を端緒として日中戦争に発展したことで、戦時の開催について国内外で疑問視されるようになりました。東京市は東京オリンピックの開催を辞退してヘルシンキでの開催に変更されましたが、第二次世界大戦の勃発によりこれも実現しませんでした。
悲願の東京オリンピック
昭和33年(1958年)に旧国立競技場が完成し、昭和39年(1964年)にアジアで初めて東京オリンピックが開催されました。オリンピックの開催は東京を中心に世界初の高速鉄道・新幹線や世界初の都市高速道路・首都高速道路などの急速な開発を呼びました。大会の模様は世界で初めて宇宙中継され、戦後日本のめざましい復興を世界にアピールする絶好の機会となりました。

東京体育館
昭和29年(1954年)に世界レスリング選手権の際に建設され、東京オリンピックでは体操競技や水球の会場として使用されました。

駒沢オリンピック公園
昭和39年(1964年)の東京オリンピックの第2会場で、レスリングやバレーボールなどの競技が行われたところで、大会後に公園として一般公開されています。
東京オリンピック1964の概要
日本は、金メダル16個を含む29個のメダルを獲得しました。柔道やバレーボールが正式種目となり、東洋の魔女と呼ばれた女子バレーボールは金メダルを獲得して国民を熱狂させました。
- 開催期間
- 昭和39年(1964年)10月10日~10月24日
- 参加選手数
- 5,152人(93の国と地域)
- メイン会場
- 旧国立競技場
- 選手宣誓
- 小野喬選手
- 実施競技数
- 20競技、163種目
- 日本獲得メダル
- 金メダル 16/銀メダル 5/銅メダル 8
東京オリンピック2020の開催
新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期され、ほとんどの競技会場が無観客となる前例の無い大会となりました。コロナ感染の状況が見通せない状況で開催に対して厳しい意見もありましたが、徹底した対策を講じた運営に対して世界のアスリートや大会関係者から高い評価を受けました。

有明聖火台
佐藤オオキ氏がデザインした聖火台で、東京臨海部夢の大橋有明側に設置されました。球体が花のように開くことで生命力や希望を表現しています。

有明聖火台
東京オリンピック2024は脱炭素を目標に掲げた大会でした。この実現に向けて、大会史上初めて聖火台の燃料に水素が使用されました。
東京オリンピック2020概要
オリンピック史上最多となる33競技339種目が実施され、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、空手、BMXフリースタイル、3×3バスケットボールなどの競技が新たに追加されました。日本選手団は金メダル27個を含む58のメダルを獲得しました。
- 開催期間
- 令和3年(2021年)7月23日~8月8日
- 参加選手数
- 11,092人(205の国と地域)
- メイン会場
- 国立競技場
- 選手宣誓
- 山縣亮太選手、石川佳純選手
- 実施競技数
- 33競技、339種目
- 日本獲得メダル
- 金メダル 27/銀メダル 14/銅メダル 17
獲得メダル数
国 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|
アメリカ合衆国 | 39 | 41 | 33 | 113 |
中国 | 38 | 32 | 18 | 88 |
日本 | 27 | 14 | 17 | 58 |
イギリス | 22 | 21 | 22 | 65 |
ROC | 20 | 28 | 23 | 71 |
オーストラリア | 17 | 7 | 22 | 46 |
オランダ | 10 | 12 | 14 | 36 |
フランス | 10 | 12 | 11 | 33 |
ドイツ | 10 | 11 | 16 | 37 |
イタリア | 10 | 10 | 20 | 40 |
カナダ | 7 | 6 | 11 | 24 |
ブラジル | 7 | 6 | 8 | 21 |
ニュージーランド | 7 | 6 | 7 | 20 |
キューバ | 7 | 3 | 5 | 15 |
ハンガリー | 6 | 7 | 7 | 20 |
韓国 | 6 | 4 | 10 | 20 |
ポーランド | 4 | 5 | 5 | 14 |
チェコ | 4 | 4 | 3 | 11 |
ケニア | 4 | 4 | 2 | 10 |
ノルウェー | 4 | 2 | 2 | 8 |
ジャマイカ | 4 | 1 | 4 | 9 |
スペイン | 3 | 8 | 6 | 17 |
スウェーデン | 3 | 6 | 0 | 9 |
スイス | 3 | 4 | 6 | 13 |
デンマーク | 3 | 4 | 4 | 11 |
クロアチア | 3 | 3 | 2 | 8 |
イラン | 3 | 2 | 2 | 7 |
セルビア | 3 | 1 | 5 | 9 |
ベルギー | 3 | 1 | 3 | 7 |
ブルガリア | 3 | 1 | 2 | 6 |
スロベニア | 3 | 1 | 1 | 5 |
ウズベキスタン | 3 | 0 | 2 | 5 |
ジョージア | 2 | 5 | 1 | 8 |
台湾 | 2 | 4 | 6 | 12 |
トルコ | 2 | 2 | 9 | 13 |
ギリシャ | 2 | 1 | 1 | 4 |
ウガンダ | 2 | 1 | 1 | 4 |
エクアドル | 2 | 1 | 0 | 3 |
アイルランド | 2 | 0 | 2 | 4 |
イスラエル | 2 | 0 | 2 | 4 |
カタール | 2 | 0 | 1 | 3 |
バハマ | 2 | 0 | 0 | 2 |
コソボ | 2 | 0 | 0 | 2 |
ウクライナ | 1 | 6 | 12 | 19 |
ベラルーシ | 1 | 3 | 3 | 7 |
ルーマニア | 1 | 3 | 0 | 4 |
ベネズエラ | 1 | 3 | 0 | 4 |
インド | 1 | 2 | 4 | 7 |
香港 | 1 | 2 | 3 | 6 |
フィリピン | 1 | 2 | 1 | 4 |
スロバキア | 1 | 2 | 1 | 4 |
南アフリカ | 1 | 2 | 0 | 3 |
オーストリア | 1 | 1 | 5 | 7 |
エジプト | 1 | 1 | 4 | 6 |
インドネシア | 1 | 1 | 3 | 5 |
エチオピア | 1 | 1 | 2 | 4 |
ポルトガル | 1 | 1 | 2 | 4 |
チュニジア | 1 | 1 | 0 | 2 |
エストニア | 1 | 0 | 1 | 2 |
フィジー | 1 | 0 | 1 | 2 |
ラトビア | 1 | 0 | 1 | 2 |
タイ | 1 | 0 | 1 | 2 |
バミューダ | 1 | 0 | 0 | 1 |
モロッコ | 1 | 0 | 0 | 1 |
プエルトリコ | 1 | 0 | 0 | 1 |
コロンビア | 0 | 4 | 1 | 5 |
アゼルバイジャン | 0 | 3 | 4 | 7 |
ドミニカ共和国 | 0 | 3 | 2 | 5 |
アルメニア | 0 | 2 | 2 | 4 |
キルギス | 0 | 2 | 1 | 3 |
モンゴル | 0 | 1 | 3 | 4 |
アルゼンチン | 0 | 1 | 2 | 3 |
サンマリノ | 0 | 1 | 2 | 3 |
ヨルダン | 0 | 1 | 1 | 2 |
マレーシア | 0 | 1 | 1 | 2 |
ナイジェリア | 0 | 1 | 1 | 2 |
バーレーン | 0 | 1 | 0 | 1 |
サウジアラビア | 0 | 1 | 0 | 1 |
リトアニア | 0 | 1 | 0 | 1 |
北マケドニア | 0 | 1 | 0 | 1 |
ナミビア | 0 | 1 | 0 | 1 |
トルクメニスタン | 0 | 1 | 0 | 1 |
カザフスタン | 0 | 0 | 8 | 8 |
メキシコ | 0 | 0 | 4 | 4 |
フィンランド | 0 | 0 | 2 | 2 |
ボツワナ | 0 | 0 | 1 | 1 |
ブルキナファソ | 0 | 0 | 1 | 1 |
コートジボアール | 0 | 0 | 1 | 1 |
ガーナ | 0 | 0 | 1 | 1 |
グレナダ | 0 | 0 | 1 | 1 |
クウェート | 0 | 0 | 1 | 1 |
モルドバ | 0 | 0 | 1 | 1 |
シリア | 0 | 0 | 1 | 1 |