静岡県の料理

太平洋に面する静岡県は、遠州灘、駿河湾、相模湾に沿う500キロに及ぶ海岸線があり、北部は富士山などの山岳地帯が連なります。清水港や焼津港で水揚げされるマグロやカツオ、由比港のサクラエビ、用宗港のシラスなど魚介類が豊富で、浜名湖ではウナギの養殖が盛んです。牧ノ原台地の茶、山岳地帯のワサビなど農作物も豊富です。
静岡県の郷土料理

黒はんぺんフライ
鯖、鰺、鰯などをすり身にして茹でた半円形で色の黒はんぺんを細かいパン粉を薄くつけて揚げた料理です。

がわ
生のカツオ、きゅうり、梅干し、青しそなどを刻んで、味噌と共に水に入れる冷やし味噌汁で、漁師がカツオ漁に出た際に船上で作りました。

山葵漬け
静岡のわさびは収量、品質とも日本一を誇り、湧水が湧く山間地で盛んに栽培されます。山葵漬けはわさびの葉や茎、根を刻んで酒粕に漬けた料理です。

とろろ汁
自然薯をすりおろして出汁と味噌で割り、麦飯にかけて食べる料理で、江戸時代にスタミナがつく料理として旅人に人気がありました。

水かけ菜の漬物
水かけ菜は富士山の雪どけ水が湧き出した地下水を利用して栽培される伝統野菜で、2~3月の早春にしか味わえません。

イルカの味噌煮
伊東市ではイルカ漁が行われて食べられました。イルカの味噌煮は、イルカ肉をごぼうやこんにゃくなどと炒め、味噌で味をつけています。

染飯
もち米を蒸した強飯をくちなしの実で染めてすり潰し、薄く伸ばして干して作られていた携帯食で、戦国時代から食べられていました。

鯖の箱寿司
魚の身のそぼろや煮物を木箱に詰めた酢飯の上にのせた箱寿司で、伊豆に流された日蓮上人に井桁の重箱で食事を運んだことが箱寿司の由来となりました。

御厨そば
御殿場市御厨地域の郷土料理で、そばや麦を多く栽培していたため水を使わずに山芋や自然薯をつなぎとしてそばを打ち、鶏ガラ出汁で食べていました。

ぼくめし
静岡県には浜名湖と大井川にうなぎの産地があり、吉田町では炊いたご飯にウナギとごぼうを煮たものを合わせた混ぜごはんが食べられます。

げんなり寿司
明治時代から始められたキンメダイ漁により、キンメダイでつくられた紅白のそぼろを乗せた押し寿司が結婚式などで食べられるようになりました。

ところてん
伊豆半島はところてんの原料となる天草の日本一の産地で、駄菓子屋でも販売されていた子供たちのおやつでした。

沖あがり
生の桜エビを豆腐やねぎと一緒にすき焼き風の味付けで煮込んだもので、桜エビ漁の漁師たちが酒の肴に食べた鍋料理です。

おざく
里芋、大根、にんじんなどの野菜をだし汁と醤油、砂糖で煮た野菜の汁物です。

金山寺味噌
穀物を発酵させて作られた発酵食品で、冬瓜、なす、しその実、生姜等が入り副菜や酒の肴として食べられます。

静岡おでん
牛すじ、黒はんぺん、練り物、大根、卵など具材を全て串に刺し、色の黒いだし汁で煮込み、青のりや魚のだし粉をかけて食べます。

金目の煮付け
伊豆半島は金目鯛の産地であり、下田港は金目鯛の水揚げが日本一です。伊豆の金目鯛は地金目鯛(稲取キンメ)、島キンメ、沖キンメの3種類あります。

安倍川もち
つきたての餅に砂糖を入れたきな粉をまぶしたもので、静岡市を中心とした中部地域の郷土料理です。

切り干しいも
江戸時代に御前崎沖で遭難した薩摩の船を大澤権右衛門が助けたことでサツマイモが伝来し、サツマイモを煮て天日で干す製法が編み出されました。

筍のアラメ煮
タケノコを昆布の一種であるアラメと一緒に煮た料理で、中部地域を中心に食べられました。

落花生なます
落花生が特産品である富士宮市や富士市では、炒った落花生をすり潰して紅白なますに加えるのが一般的です。

折戸なすの田楽
静岡市の在来種である折戸なすは黒くて丸く鋭いトゲがあるのが特徴的で、濃厚な味わいが田楽など味噌を使う料理と相性がよく好まれています。

生しらす丼
駿河湾で大量に獲れるカタクチイワシやマイワシの稚魚であるシラスを飯の上に乗せて、ワサビ醤油で食べます。

まご茶漬け
もともと漁の最中に船上で食べられていた漁師めしであり、伊豆半島全域で食されています。

なまり節と白玉葱のサラダ
かつお節になる一歩手前のなまり節を刺身のように薄く切り、白たまねぎと合わせてドレッシングなどで味付けします。

たまごふわふわ
だし汁に、塩・薄口しょう油・こしょうを加えてすまし汁を作り、泡立て器でクリーム状になるまでよく混ぜて火にかけた料理です。

へそもち
上新粉の団子をひらたく丸め、その中央をへこませた月見団子で、かつては新藁の束の上にのせて供えたりしました。

サクラエビのかき揚げ
国内で水揚げされるサクラエビの全ては駿河湾産で、このサクラエビをかき揚げにして、そのまま又はうどんやそばとともに食べられます。
静岡県の料理

浜松餃子
東の宇都宮、西の浜松と呼ばれる餃子文化において、浜松餃子は餃子をラードで円形状に焼いて、その中心に茹でもやしが添えられています。

うな重
浜名湖では明治時代初期にうなぎの養殖に成功して一大産地となりました。うなぎ藤田は明治25年から続く浜松の老舗店です。

わさび茎しょうゆ漬け
辛みの効いた新鮮なわさびの細く柔らかい茎や新芽などを食べやすいサイズに切り、醤油などで漬け込んだ料理です。

しらすのたたみ干し
駿河湾で獲れた生のしらすを海苔状に天日干しにして作られた板状の加工品で、手軽にカルシウムなどの栄養を摂取できます。
静岡県の地ビール等

天城ビール
ホップの苦みとモルトの香りがあるビールで、大量に使用するローストしたキャラメル麦芽でブラウン色です。

ビーワサのルービー
伊豆天城の本わさびを使用したビールで、ワサビの味と香りが広がる独特なビールです。