福岡県の料理
九州と本州を結ぶ福岡県は、奈良時代より海外交易拠点が置かれて中国大陸や朝鮮半島と交流を重ねてきました。海外から異文化を取り入れて食文化が形成され、和洋折衷が織りなすグルメの町となりました。
福岡県の郷土料理
ぬかみそ炊き
小笠原藩の保存食であるぬか漬けが庶民に広がり、このぬか味噌でイワシやサバなどの青魚を煮る料理が広がりました。
がめ煮
すっぽんと有り合わせの食材を煮た料理が始まりで、現在では鶏肉を使い正月などで食べられます。
博多雑煮
正月のおせち料理の一つで、かつお菜とブリの切り身を使用するのが特徴です。
若鶏の水炊き
鶏肉を骨ごと煮こんだスープの中に季節の野菜を加えてポン酢で食べる鍋料理です。中国風の鶏肉の淡塩煮が西洋スープと融合して独自に発展しました。
おきゅうと
海藻であるエゴノリを干して煮溶かして小判型に固めた食べ物です。古くから朝食に欠かせない料理でした。
かしわめし
炊いたごはんに鶏肉や具材を煮詰めたものを混ぜた料理です。福岡県では、はかた地鶏を使うことが多いようです。
あちゃら漬け
刻んだ季節の野菜に赤唐辛子を加えた酢の物で、安土桃山時代から江戸時代にかけて行われた南蛮貿易により伝わりました。
博多の胡麻鯖
サバの刺身を醤油、いりごま、みりんを加えて和えたもので、茶漬け風にして食べる場合もあります。
にぐい
精進料理が始まりと言われ、里芋、こんにゃく、人参などの食材を奇数だけ選び、四分角くらいに切ってだし汁で煮た料理です。
ふなやき
筑後地域に古くから伝わる小麦粉を使ったおやつで、黒糖や高菜漬けなどを挟んで軽食として食べることもあります。
かぼちゃのだんご汁
ポルトガルから伝わる日本最古の三毛門かぼちゃと小麦粉を使う汁で、食べ物が乏しい戦前戦後に重宝された料理です。
あぶってかも
福岡市沿岸地域で食べられるスズメダイの塩焼きで、小骨が多く身も薄いことから敬遠する地域が多いです。
がめの葉饅頭
かしわ餅の代用品として、小豆餡を包んだ生地をがめ(サンキラ)の葉で包んで蒸した餅です。
いも饅頭
日向神から有明に流れる矢部川の上流にある奥八女の弓掛地区で食べられる里芋を饅頭に入れた料理です。
酢もち
福岡県東部の豊前地域で食べられる大根おろし、だいだいのしぼり汁、醤油、砂糖につきたての餅を合わせた料理です。
せんぶきまげ
筑豊地区で食べられる料理で、せんぶき(わけぎ)を湯がいて酢味噌で和えた料理です。
鶏肉のすき焼き
江戸時代の飢饉で福岡藩が養鶏を振興したことで、鶏を一羽あるいは数羽をしめてすき焼きにするようになりました。
瀬高の高菜漬け
豊かな水や温暖な気候と肥沃な土壌などの環境に恵まれたみやま市瀬高町で育てられる高菜を使用しています。
とうへい鍋
かつて商品にならず捨てられていたクロアナゴ(トウヘイ)を鍋にした漁師料理がはじまりです。
のうさば
天日干しにしたホシザメ(のうさば)を調味料液に漬けて食べる料理で、鐘崎地域でよく食べられます。
みとり饅頭
小麦粉と水に溶いた重曹で生地を作り蒸した料理で、重曹独特の香りやほのかな苦みが特徴です。
ゆずこしょう
英彦山の山伏たちが山に多く生息していた柚子を用いて、薬にしていたものがはじまりと言われます。
あまぎのかわたけ
朝倉市の黄金川でしか収穫できない貴重な天然淡水海苔で、江戸時代には将軍へと献上されていた高級珍味です。
くつぞこの煮つけ
日本最大の干潟を有する有明海で水揚げされるシタビラメを煮付けた料理です。
えびざっこ
周防灘に位置する内海性の海域で水揚げされる雑多な小型なエビを簡単に料理した漁師飯です。
べたもち
豊前地区で作られた小麦粉を平たくした団子で、秋の豊作を願う行事で供えられました。
柳川なべ
かつて湿地帯の柳川市で漁獲されたドジョウを丁寧に下処理し、ごぼうなどとともに煮込み卵でとじる料理です。
やまごんにゃくの刺身
八女市北部の山間地などで栽培がされるようになったコンニャクを刺身にして、わさび醤油や酢味噌で食べます。
エツの南蛮漬け
筑後川河口域一帯にしか生息していないエツを南蛮漬けにした料理です。エツは刺身、塩焼き、唐揚げなどでも食べられます。
かます寿司
高良大社の例大祭で参道の両側に並んだ露店で振る舞われていた寿司で、カマスの腹に寿司飯を詰めた料理です。