まいぷら

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サールナート仏教遺跡

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート

サールナート(鹿野苑)は仏教の四大聖地の一つです。ヒンドゥー教の聖地ベナレスから北西約10キロメートルある静かな森にあります。サールナートは初転法輪の地と呼ばれます。初転法輪とは初めて法輪を転じたということで最初の説法と言えると思います。

サールナートと初転法輪

ブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いたお釈迦様は、悟った仏法の説明はとても難しく話をしても理解されないと思い人々に説くのをためらいました。しかし、梵天が降臨してお釈迦様に3度に渡って法を説くように懇願しました。

お釈迦様は悩んだあげく最初に苦行を共にした5名に悟った内容を伝えようと考えました。この5名はお釈迦様が苦行を辞めたと思い、お釈迦様を軽蔑し独自にサールナートで修行していました。このことを感じたお釈迦様はサールナートに赴きます。

チャウカンディー・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート5人が釈迦を出迎えたところです

チャウカンディー・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート塔は17世紀にムガール帝国王が建てました

ブッダガヤから約250キロメートル離れたサールナートにたどり着くと、自ら仏陀となったことを明らかにし5人に対して最初の説法を行いました。仏陀を出迎えたところがチャウカンディー・ストゥーパ(迎仏塔)で、このときに中道と四諦八正道が説かれたと言われています。

サールナート寺院

最初に仏法を説いたサールナートは、サールナート遺跡公園として残されています。公園にあるサールナート寺院の遺跡は、紀元前3世紀のアショカ王時代に造営が始まり12世紀頃まで栄えました。僧院のほか奉献ストゥーパが残り、この裏にアショカ王柱があります。

サールナート寺院

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_寺院跡ダメーク・ストゥーパが目を引きます

サールナート寺院

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_寺院跡レンガが積み上げられた僧院の跡です

僧院跡は屋根などはなくレンガが積み上げられて造られた基礎のみが残ります。その周囲にはレンガで造られた小さなストゥーパが並びます。これらの奥にはダメーク・ストゥーパと呼ばれる大きな塔があり、サールナートのシンボル的な存在になっています。

サールナート寺院

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_寺院跡小さなストゥーパが並びます

ムーラガンダクティ寺院

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_寺院跡階段状にレンガが並ぶ僧院の跡です

僧院跡の基部が残るところにお釈迦様が説法されたと言われるところが残されています。レンガが積まれた基部が残されていますが、その周囲には柵と屋根が設置され、人の立入や風雨にさらされないように大事に保存されています。

仏陀が説法した場所

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_説法地仏陀はこの上で説法されたみたいです

アショカ王柱

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_アショカ王柱石柱が5つに破壊されています

僧院跡の裏手にはアショカ王の石柱(アショカピラー)があります。アショカ王は、お釈迦様が入滅されて200年後に王様になりました。熱心な仏教徒であったアショカ王はインドを統一すると仏教の聖地に仏教の教えが書かれた王柱を建てています。

アショカ王柱

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_アショカ王柱当時の文字が刻まれています

ダルマラージカ・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_ダルマラージカ・ストゥーパ中央に仏舎利が納められていました

ダルマラージカ・ストゥーパはアショカ王が建立しました。真ん中にはお釈迦様の遺骨(仏舎利)がありました。7世紀に玄奘三蔵が長安から訪れたときには高さ40メートルほどの大きなストゥーパがありました。1794年にベナレスの王様が破壊して仏舎利もガンジス川に流してしまったそうです。

ダメーク・ストゥーパ

サールナートの象徴とも言えるダメーク・ストゥーパ(ダメーク大塔)は6世紀にアショカ王により建立されました。高さ約43.6メートル、直径約28メートルあるサールナートのシンボル的な仏塔です。世界各地から多くの僧侶が訪れ、仏塔の周囲では多くの方が読経したり礼拝していました。

ダメーク・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_ダメーク・ストゥーパサールナートのシンボル的な存在です

ダメーク・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_ダメーク・ストゥーパ大きな塔には彫刻と窪みがあります

ダメーク・ストゥーパの周囲には細かい彫刻が施されていました。等間隔にある窪みは龕(がん)と呼ばれ、かつて仏像が安置されていました。割と高いところにあるため、遠くからも仏像を拝むことができたのだろうと思います。

ダメーク・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_ダメーク・ストゥーパ窪みと幾何学的な模様です

ダメーク・ストゥーパ

インド・ベナレスの旅行で訪れた観光名所、サールナート_ダメーク・ストゥーパ細かい彫刻が施されています

ダメーク・ストゥーパの壁には細かい紋様が刻まれています。仏様の彫刻もありますが、ほとんどが独特な幾何学模様で覆われています。ダメーク・ストゥーパの周囲にはリスが多くて、この幾何学模様は足場として丁度良いのか走りまわっていました。

地図