カーナヴォン伯とハイクレア城
ハイクレア城は17世紀ヴィクトリア朝時代に建てられた屋敷(カントリーハウス)で、カーナヴォン伯爵が住まいとしてきました。第5代カーナヴォン伯爵はツタンカーメン王墓を発掘するために資金を提供した人物で、現在はその子孫にあたる第8代カーナヴォン伯爵夫人がハイクレア城に暮らしています。ハイクレア城は人気英国ドラマ「ダウントン・アビー」のロケ地となり、日本人にも名前が知られるようになりました。
カーナヴォン伯爵家
カーナヴォン伯爵は、1628年にチャールズ1世の延臣ロバート・ドーマーが叙されたことに始まります。ロバート・ドーマーは1643年にイングランド内戦で戦死し、息子のチャールズ・ドーマーに継承されましたが、男児が悉く他界したため断絶したためブリッジズ家が継承しました。1793年からはハイクレアのポーチェスター男爵であるハーバート家がカーナヴォン伯爵に叙されて、現在は第8代カーナヴォン伯爵夫人がハイクレア城を住まいとしています。
ツタンカーメンの発掘調査
ハイクレア城第5代カーナヴォン伯爵は、古代エジプトの王ツタンカーメン王墓の発掘調査で多額の資金を提供しました。ハワード・カーターは1922年にツタンカーメン王の墓を発見して、イギリスにいるカーナヴォン伯爵に電報を打ち、カーナヴォン伯爵が到着してから封印を解きました。封印を解いたハワード・カーターは未盗掘のツタンカーメン王の墓に穴を明け、隙間から室内を覗きました。このときカーナヴォン伯爵はカーターに何か見えるか問いかけると、カーターは素晴らしいものが…と答えるのが精一杯でした。ツタンカーメン王の副葬品の多くは大英博物館に展示されていますが、ハイクレア城にも古代エジプトの発掘品が展示されています。
ツタンカーメン王の墓
カーナヴォン伯爵は多額の費用を負担し、ハワード・カーターがツタンカーメン王墓を発見しました。写真左がカーター、右がカーナヴォン伯爵です。
ツタンカーメン王の石棺
ハワード・カーターはツタンカーメン王の墓の封印を解きました。写真は石棺を調べるハワード・カーターです。
ハイクレア城
ハイクレア城は1842年に完成したカントリーハウスで、9300平方メートルの建物には300室の部屋あります。ハイクレア城は大ヒット英国ドラマ「ダウントン・アビー」の舞台になり、日本人からも知られるようになりました。現在は第8代カーナヴォン伯爵夫人レディ・フィオーナの住まいになり、その一部が開放されています。広い敷地にはガーデンスペース、ハイクレア城オリジナルグッズを販売する店やカフェがあります。
ニューベリー
ロンドンから列車で1時間ほどにある運河がある小さな町で、ニューベリー駅からバス又はタクシーで15分ほどの場所にハイクレア城はあります。
ハイクレア城近くのバス停
ハイクレア城の敷地は1000エーカー(約4平方キロメートル)と広く、この敷地にぽつんとハイクレア城が佇みます。
ハイクレア城
残念ながら城の内部は撮影できませんが、1階と2階の部屋の一部が公開され、応接間や大広間を見学することができます。
アフタヌーンティー
コーチハウスではアフタヌーンティーが体験でき、英国貴族のたしなみを感じることができます。